異世界転生転移における暗黙の了解 美醜や美的センス以前の問題
なろうにはたくさんの異世界転生および転移作品があります。
先ほど『異世界』というキーワードで検索を掛けたところ、その数は六万を超えていました。何を隠そう自分もそのジャンルで小説を書いています。
その異世界転生・転移ですが、暗黙の了解で守られていることがあります。
冒険者ギルド? 魔獣やモンスター? 魔法や魔力?
所変われば文化も変わり、住んでいる生物も異なるでしょう。そもそもこの世界の物理学が通用するかどうかも怪しい世界です。魔法があっても不思議ではないでしょう?
ではなにが暗黙の了解なのか?
それは、『人間と同程度の知能を有し、人間と似通った姿形をした生物が存在する』ということです。
住む場所が違えば進化の過程も違うはずです。魔法なんかが存在する世界ならなおさら、僕たちの常識とは異なる進化を経た生物も多いはずです。
それなのに、異世界には当然のように人間と同じような生物が存在します。
彼らは二足歩行で、四肢と胴体、頭部から成り立ち、接触器官や感覚器官が頭部に集中し、流体の振動などでコミュニケーションを取ります。
これならまるっきり人間と同じですね。
まあ以上の条件を満たすだけなら難しくないかもしれません。地球にも猿やゴリラといった霊長類がいます。熊も一応二本足で立ちあがりますね。イルカも振動などで会話すると聞きます。なので以上の条件を満たした生物が異世界にも存在すると仮定してもいいでしょう。
ですが彼らが『まるっきり人間と同じ容姿をしている』可能性は、果たして高いと言えるのでしょうか。
魔法を使うのに知力や意思が必要というのなら、頭部が二つあったほうが効率的と言えるでしょう。もし光が少ない世界なら、深海魚よろしく目が異様に大きくなっている可能性もあります。肌の色がアバターみたいに青かったり赤かったり紫だったりするかもしれません。
こちらの世界の常識を持ったまま異世界に行くと、このようなカルチャーギャップ以上の、美醜や美的センスなどを超越した、『人間的常識の壁』にぶち当たることになるのです。
ですが異世界に出てくる人物の大半は、イケメンだったり美女だったり、少なくとも見れない容姿ではありません。僕らがそのまま異世界に行っても、少なくとも見た目による忌避感は生まれないでしょう。
このように、読者の方が忌避感を抱かれないよう、暗黙の了解として、その世界における人間の立ち位置に居る生物は異形ではないのです。
よくよく考えれば指輪物語に出てくるエルフやホビットも、耳が長かったり背が低かったりするだけで、ベースは何処まで行っても人間ですものね。
チートだ、大魔力だ、天才だ、などがテンプレだと言われていますが、異世界における最も都合の良いテンプレは、これなのだと思いました。
「昨日、十分くらいだっけ?」
「一時間!」
「そう、一時間くらいで書き上げた作品なんですよ」
というわけで文章的に支離滅裂な可能性もありますが、感想お待ちしてます。