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第六話:ワルツ第六楽章

その瞬間だった。空が紅く染まった。













そこに浮かぶ魔法陣の中心に、よく知る二人の男女が立っていた。










片っぽの男はヨロヨロとしながらだが。


遠目でも霊力供給のおかげでよく見える。


二人とも妙に血まみれだ。


敵は間近だが・・・え?なんかあったの?学校内で?










「おお。霊力を体外固定して足場を作って一時的に浮力を作り出すとは・・・これが魔導精霊の力ですか」



「あんまりうごかないでくださいよ!この足場安定させるだけでもう霊力が持たないんすから!」



あ、ちなみにこれは風の精霊源シルフの力で浮き場を作る『フロー』(俺らの通称。本当はもっと横文字で長ーい)とよばれる技で、羽を作って飛ぶ方法や空気を固定して空を走る技なんかもあるんですね。


この技のいいところは霊力を足に集中させるだけで発生させることができる所だ。


これを『簡易精霊魔導』っていうんだけど・・・まぁ初歩中の初歩だ。


俺は確か中等部に入って一番最初の実技試験で習った記憶がある。


あんときゃ痛かった・・・


「薄いというよりもなんでしょう・・・体外錬金の局部体外発動を応用させていますね。なるほど、私たちがまず体内から始めるのに対して体外から・・・いやしかし・・・キャッキャッ」


つーか人が回想シーン入ろうとしているときに無表情で無邪気に動くんじゃねー!


「また霊力にノイズが入ってます。気が散りすぎですよ」


くっ!いきなり真面目に・・・



「この速度ならあと15秒で敵軍勢の中心部に入ります。ですがもうすでに敵の先頭は学園内に侵入しようとしてますよ?」


下を見ると膨大な量の狼型野生種が、単細胞生物のように分裂を続けながら学園内に侵入しようとしていた。


津波と一緒。


浜辺から見れば先っぽの小さな波しぶきしか見えないが、その裏には膨大な量の水の塊が待ち構えている。


飲み込まれるのは一瞬だ。



「大丈夫ですよ。八雲さん、今から魔力供給を分岐させます。手伝ってください」


魔力を足から全身に切り替える。


流れは歪ながらも、なるほど。そんなに大差はないようだ。















「・・・開門」


その瞬間、鉄甲の紅が空に灯る。


黒の道が金色の羅線へと変わり、空をかたどっていく。


「精霊よわが名のもとにその力を示せ!我、紅の皇姫なり!」


「あ、姫いま自分のこと姫って言った」


「黙っててください!今この話の中でもかなり盛り上がってる所なんですから!」


そのまま空の線を一つなぎにして力を集中させる。


コントラクトを失ってからは連絡すら取れなかった俺の固有精霊。


見つけ出せるだろうか・・・。


限りなく深く浅く広く狭い精霊界だ。


個を持たぬ者に個を。


時と空間の間の、影と光の回廊・・・・ってなんだそれ







心をつなぐとすぐにわかった。


ああ、待っててくれていたらしい。


「久しぶりだな」


光の線が門をかたどる。


「いろいろあったんで、まぁ連絡すら取れなかったわけだが」


門の光は徐々にかすれ、奥には黒い道が見えた。


「姫?いったい・・・いったい何が?」


「あぁ、これは『固有精霊別導召喚』です。精霊魔道術のなかでも一番難しい技の一つなんですよ?」


えっへん。難しすぎて一般はおろか軍部の戦闘術マニュアルにも載ってない技だ。


門の扉の光が結び、暗い闇の奥から羽ばたきが響く。


「まぁ、俺が昔・・・といってもほんの2年前に契約を結んだ霊気集合体、夢のある言い方をすれば精霊ですか。を呼び出したんです」


羽ばたきは刹那。


後光射す鳥の翼をたたえた固有精霊。


『相も変わらず女づれですね。姫君さん?』


そいつはいつだって優しい銀髪の。


しかし他の野生種とは一線を置く存在霊力。


「せっかく呼んだんだ。全滅でたのむよ?」


『そちらの奇麗なお嬢さんのことは教えちゃくれないのかな?』


「あとでいくらでも教えるよ」


『了解。ならそちらのお嬢さん?しばし御観覧のほどを』


ウインクを残して敵のど真ん中に舞い降りる。


「頼んだよ。小林さん?」


敵のど真ん中に舞い降りた天使はたった一言つぶやいた。




















『行動を停止なさい』










いきなり姫が魔法陣を開いて、そしたら門が現れて・・・


「中から天使が現れた・・・・・?」


そして一言つぶやいて


野生種は一瞬で行動を止めた?


んなバカな、だ。


『お嬢さん、天使を見るのは初めてですか?』


天使はやっぱり天使なのであろうか。


「小林さん?いきなり口説かないでよ」


『そ、そんなことは言わないでくだい』


「と言うより名前は小林なんですか?」


『いえ、私はきちんとミカエルという名前があるんですよ』


「でも長いからね。小林さんで十分だよ」


ちょっとまて


「コバヤシサンとミカエルなら確実にミカエルの方が短くないですか?」


「漢じ『漢字にしても文字数は一緒ですね』・・・・な、なんか響きが「いえ、ミカエルのほうがいい気がします」・・・なんとなくです!そうなんです!」




・・・相変わらず、彼には秘密が多いようです。





新キャラ紹介


ミカエル=小林さん

『みなさんこんにちは。いや、こんばんわかな?私と姫様のなれそめの話をしたいところなんですけどね。すみません。作者さんの努力不足だそうです。たぶんここがオリレポに変わることだろうと思いますが、私の初登場挨拶をばと思いまして。よろしくお願いしますね?』


「いい人そうですね。姫」


「そう言えば八雲、姫って誰のことなんだ?」


「姫って言えば日野しかいないじゃないっすか!そうだろ?八雲」


「というより俺の姫ってあだ名は公式になってんだ・・・嘘だろ?」


「あきらめた方がいいですよ。ね、みなさん」


「わ、私は姫などとは・・・だが日野がそう呼んで欲しいのなら私は・・」


「呼んで欲しくなんかないですよ!というより小林さんどうにかしろよ!」


『私が出る場面ではないでしょう。がんばって!』


「ケラケラケラ!物わかりがいい奴じゃねーか!気に入ったぞ!」


「あぁ・・・カオスなんだよなぁ〜この人たち」


『それよりも姫様、作者さんより言伝を預かっていますよ』


「なになに・・・って字が小さくて俺の視力じゃ読めないや。美奈子先生よんでくださいませんか?」


「そういえば・・・ひ、ひ、ひ・・・・日野は目がわぁるいんだったな!よし!わ、私が読んでやろう」


「センセーがどもってるうちに八雲が持ってっちゃいましたよ?」


「お読み頂いてありがとうございました、評価、感想のほうをお持ちしております。気軽にお書きください・・・だそうです」


『まぁこの文章を書いているのは作者さんですからね。結局は自分で言ってるようなものではないでしょうか?』


「ケラケラケラ!日野!おまえもなんか一発やってやれよ!」


「まだ僕の心に傷をつける気ですか!」


「「「『続く!』」」」


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