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第四話:ワルツ第四楽章

折りたたまれた小さな汚い紙に走り書きされた、綺麗な癖のないアリアの文字。


そう言えば昔習字習ってたっけな。俺途中でそろばんに浮気したけどあいつきっちり両方こなしたんだよなー。


おいといて。



『親愛なるコーちゃんへ


 コーちゃんがよく読んでた本のページが何枚か破れてたでしょ?


 あれずっと前になるんだけど、実は片づけしたときに出てきたんだ。


 どこにあったかは秘密。 


 お守り代わりに入れときました。





 ページの裏に書いちゃったけど・・・ごめんね?

   



  カトレアとアリアより』



裏をめくるとそこには、確かに昔俺が毎朝毎晩読んでいたお気に入りの本の、そのなかでも特にお気に入りのページがあった。


見なくなったと思ったら・・・破れてたのか。


『まおうは ゆうしゃに いいました。


「あかのゆうしゃよ。 おお ゆうしゃよ。 おまえは どうして われとたたかう? このきたなきせかいを どうして まもる?」


ゆうしゃは こたえました。


「きめた せいぎに いきると きめた。だから わたしは つらぬく やりになろう。わたしは まもる たてになろう。まおうよ わたしは おまえを ゆるさぬ ゆるさないから たおすのだ」


ゆうしゃは ボロボロになった けんをもちあげ まおうにむかって はしりだしました。


「あかのゆうしゃよ おお ゆうしゃよ。 われを たおせば おまえはしぬぞ。 われのちからで おまえはしぬぞ。』


ゆうしゃは そのけんを ふりあげ まおうにむかって ふりおろしました。


「かまわぬ わたしは きめたのだ いのちをかけて せいぎにいきると。 さらばまおうよ さらばひめよ。 さらばともよ さらばせかいよ」


あかいひかりが あたりをつつみ まおうのおしろは くずれました。


せかいをおおう くもはちぎれ あたりはあかるい あおぞらに なりました。


そうです。


せかいをこわす まおうは たおされたのです。


しかしひめは おしろで なきました。


まおうから たすけてくれた ゆうしゃは いません。


もうどこにも いないのです。


それから いくつき たったでしょう。


せかいは へいわになり ひとびとは げんきにくらしていました。


ひめはひとり おしろに とじこもってました。


まいにちまいにち なきました。


なみだがかれるまで なきました。


そしてひめは きめました。


せかいをへいわに おさめると。


それから ひめははたらきました。


まいにちまいにち はたらきました。


コンコンコン


とびらが あかく かがやきます。


ひめは ふしぎに おもいながら とびらをひらきました。


「ひめよ われは かえってきたぞ。 ゆうしゃは ここに かえってきたぞ」


あかのゆうしゃは いきていたのです。


それから ふたりは しあわせに くらしました。


ずっとずっと くらしました』



本の名前は紅の勇者。


よくある、少年が一度は夢見るヒーローが活躍するお話だ。


俺はこの勇者にあこがれて、アリアといっしょに精霊魔導の訓練を受け始めたのだった。


「勇者・・・」



目からは涙があふれていた。こっちを見るまわりの目なんて気にならない。


俺はいったい何をしてるんだ?


遠くから声が聞こえた気がした。


何もできなかったのか?


何かしたのか?


いつまで逃げてるんだ?


・・・あの日の俺は、紅の勇者だった俺は、今の俺を見てどう思う?


逃げるのか?


目を逸らすのか?



「そんなこと!俺は!」




≪グシャァ≫


メガネをはずし、握りつぶす。


前髪を払いのけ、前を見る。


もう逃げない。


逃げる訳にはいかない。


あの場所に行かなきゃ。あの場所に行けば何かができる。


扉の前まで歩く道が、十戒のように割れて行く。


≪コンコン≫


「少し開けてくださいませんか?」







「驚いた・・・超イケメンじゃん!」


「ヤバいよねあの顔!かっこよすぎ」


きゃぁきゃぁハシャグ馬鹿が二人・・・。


「私はそれよりあの言葉が気になる・・・」


勇者?ヒーロー?見なきゃ損なのは確かだ。


私は戦場にむかって走り出した。


後ろで止める声が聞こえたけれど、そんなものは・・・無視ってことで。









ナナ「う〜たおう〜♪」


ヨシ「お〜どろう〜♪」


ナナ「今夜は〜♪」


ヨシ「夢〜の〜♪」


ナナヨシ「「ラ・ラ・ラ♪オ〜リ〜レッポ〜♪」」


ナナ「なかなか決まったな?」


ヨシ「だね!やっぱミュージッ●フェアーは伊達じゃないね!」


ナナ「ヨシ?それギリギリアウトだわ」


ヨシ「んも〜!ならいつぞやのフリップを繰り出します!」


ナナ「だから、見えないんだって・・・」


ヨシ「今日は東地区の説明で―っす」


ナナ「もうつっこまんぞ。東地区はみなさんご存じの通り、高等部地区となっております」


ヨシ「高校の数は・・・なんと3つ!いや4つ?」


ナナ「はっきりしないんだな」


ヨシ「っというより、この学園都市はどんどん開発がすすんでいくからねー」


ナナ「いや、そんな高校が何個かわかんないような速さはないだろう」


ヨシ「ぐっ・・・と、とりあえず、今わかってるのは!私らの大学付属学院高等部、【如月】に、お隣の【睦月】、そこから離れたところにある【水無月】えぇ〜っと・・まだある?」


ナナ「通称なんかつかわないでさ、錬金に力を入れてるとか、勉強に〜とか工業系の〜とか言っとかないとわっかんないでしょ?」


ヨシ「まぁいいじゃん。いろんな趣旨にそった学校が乱立してる。それがここのいいところ!でーしょ?」


ナナ「そーだね。っとまぁこれで学園都市の各ブロックの説明はおわりだよね?」


ヨシ「そだね。どうする?この先、何紹介していくの?」


ナナ「私に、任せなさい!次回からは登場人物、マル秘リポートよ!」


ヨシ「うそ!まじで!?っていうか会長とか調べんの?」


ナナ「あたんまえでしょーが!さぁ次回へ向かって走り出すわよ!」


ヨシ「あぁ!夕日に向かって走れない!」

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