表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

第九話:ワルツ第九楽章


男達は、走っていた。

どうやら私の作り出した結界により、うまく霊力が使えないらしい。

まさかあの時姫からもらった霊力を、野生種だけに使うことなどしない。

あんな低級には、演出付きの天使ビームでも、霊力半分で足りる。


相当焦っていることだろう。

自分たちの身内ですら使えるものの少ない固有精霊が現れたのだ。しかも別導召喚で。

八雲という少女は気づくはずもないだろう。


姫のつかった術は、魔道精霊たちの間では、姫が言う以上に困難なことであると。

それほどに、姫は才能に溢れている。


だからこそ、私の主足るのだから。


私達のいる精霊界は、個をもつものと持たない者がいる。

持たないものはただ、空気のようにただよい、門が開けばそこに吸い込まれていく。


しかし個をもつもの、ここでは固有精霊(つまり私なのだが)は、滅多なことでは人間界に降りることはない。


自分の中の霊力が震えた時、ただその時人間界へと降りる。相手がだれであろうと、関係はない。ただ、己の霊力にのみ忠実なもの。それが固有精霊なのだから。


固有精霊の姿は様々だ。人間の神を真似ているものがほとんどだが、私のように人型をとっている者は意外と少ない。


自分たちは人とは違う。それが精霊たちの根っこにあるもの。つまりはプライドだからだ。

精霊界は四体の大精霊、イフリート、ウィンディ、ノーム、シルフと、精霊王オーディンによって統治されている。といっても、群れるという概念が希薄なのが固有精霊だから、普段は寝てるか興味のあることに没頭していることが多い。


私は、人という者が非常に興味があった。彼と出会った時も、純粋に震えていたこともあったが、それ以上に興味を惹かれたからかもしれない。今となってはどうでもいいことだけど。


「聞いてないぞ!なんなんだあれは!」

「し、しらねーよ!とにかく早くここ出て、本部に連絡だ!」



精霊の五感は人のそれとは格が違う。

全部聞こえている


クックック。

逃がしませんとも。


簡単には、ね。迷路のゴールはひとつだけ。


さぁ、はやくそこへと。

導かれてしまえばいい。



残り時間、2分

現在位置、学園都市、八雲の霊力フィールド圏内離脱直前


「あんな大きな魔方陣書くから、逃げ遅れちゃったりするんだよね」

『と、申されましても。普通はあれほどの野生種を使役するんですから、規模が大きくなるのは当然ですよ』

「にしたってやりようがあるじゃない?霊紙に書いたのを使うとかさ。とにかく、こんな正直に地面に書くなんてありえないって」


霊紙とは、霊力を吸う特殊な紙だ。


『しかたがないのでは?地面に直接書くのが一番効率よく力が発揮できますし。ま、それ以上に舐められていたのでは?』

「まぁ俺も向こう側にいた人間だけど、あんまりいい気はしないな」

『そうですか。ええ。そうですね』

「なにその笑顔!腹立つ!」

『さぁ、フィールドから出ますよ。ここからは、私がサポートに回ります。』

「よろしく!」

『おっと、追いつきますよ。あ、でも敵さんたち、私の霊力封鎖領域から出ちゃいましたね。どうします?』

「実力で倒すよ。というか、さては結界けっこう薄く張ってたな?」

『残り、1分35です』

「うぉ!やばい!」


足に吸いつく円盤へ、さらに霊力を送る。

森を通り越し、いよいよ敵の姿が見えた。

白いローブ。白い帽子。黒いズボン。

シリウス学苑で何度も目にした、精霊魔道士の正装。


背中には、赤いバラと金の十字に、その周りを囲む黒いイバラの文章。

二人のうち、先を行く大きいほうの男がこっちに振り返った。


「ちくしょう!こーなりゃ!“来たれ炎よイフリート!火炎陣!”」

「やるしかねーか!“来たれ風よシーフ!暴風陣!”」


二人の腕が光り輝く。ローブの先から放たれる魔方陣。

その中心から、霊気を変換し、霊力へと姿を変え、さらに形を整えられた、炎と風が舞い起こる。


小さいほうが出した風により、勢いを増した炎が嵐となって足元を焦がす。


「一人は戦闘不能に。もう一人は殴り飛ばして連れて帰って吐かせる。いくよ!」

『了解です』


小林さんから力を借りて、自分の霊力を直接術に変える。

固有精霊に術を使わせても、あいつらに直接ダメージを与えられない。ここからは俺の出番ってね!


「“来たれ光よ大天使!ビーーッム”」


光速。中級クラスの炎も風も、干渉することのできない力。


ズドン。音が後から聞こえてくる。ブワッ。風がさらに後から唸る。



光の落ちた先には、二人の男が気絶していた。


小林さんが下に降り、二人の額に手をかざす。記憶を消すためだ。もちろん、もう一人のほうは完全には消さない。しゃべってもらわなくてはいけないからな。


『お見事』

「ありがとさん」

『姫、残り20秒です』

「は?えええーーい!帰るよ!」

『了解』


人二人の重さは、霊力の量でカバー。

ギリギリ。残り1秒で無事に八雲さんの霊力フィールド内へ帰還しましたとさ。





「八雲さん、どうでしたか?」

「よ、よく考えたらに、二分そこらで片付くわけがないで、しょう。体外、れ、連金でようやく入口についた、所ですよ」


真顔でゼーハー言っている八雲さん。て、鉄面皮!


『姫は気が利きませんからね。まったく。レディーを走らせるとは』

「すいませんでした。本当に」

「い、いいですから、そこにいる男が、あなたの言っていた魔道士です、か?」

「はい。今から吐かせようと思います。早くしないと、残りの仲間が気づいて、本部へテレポーテーションされてしまいますから。そうなれば、俺たちに追うことは不可能になります」

「な、ならば学園の外にある野外演習場を使いましょう。あそこなら、今誰も来ないはずです。あまり他の人間に見せるべきものだとは思いません」

「ですね。小林さん!そこの男をその場所へ。八雲さん、俺につかまってください」


ふわっと、空高く浮上。下を見ると、警報の解かれた学校は、互いに喜び、笑いあう生徒たちでいっぱいだった。あぁ、守れた。よかった。


「そこです」

学園から少し離れた農村地帯にぽっかりと空いた空間。野球場がいくつも入りそうな広大な土地だ。本当に、この土地には違和感しかない。線路の延びるのどかな農村地帯。そこにいきなり東京を切り取ったような大都会。なんじゃここは?と思わざるをえない。


地図上は群馬だが、なんだかなぁ。非現実的過ぎる。これなら、前いたシリウス学苑のように、出島のように海の上に作られているほうが納得がいく。


「そこの監督室を使いましょう。こちらです。鍵は私が持ってますから、少し待ってください」


広大なグラウンドの端にある、まるで前線基地のような無骨な建物。中は、たとえて言うなら体育教官室のようだった。


「おい、起きろ!」


顔をたたくが、目覚める気配はない。


『私が起こしましょう。なに、ナイトメアを見せれば、造作もないことです』


すっと、手を額に差し出す。


「うぅ・・・うわぁぅ・・・ぁああああああああああああ!」


・・・・・どんな夢を見せたんだ?いや、言わなくていい。俺も夢に見そうだから。



「おい、なんであんなことしたんだ!?言えよ!」

「う・・・っく・・・へ、へへへっ」


さっきからずっとこの調子だ。俺は元が小心者だから、こんなことには当然慣れてない。

イライラするが、もうかなりダメージを与えてしまっている。これ以上やったら、一生しゃべれなくしてしまうかもしれない。


「姫、私に任せてください」

「え?でも・・・」

「させてください」


うーん。でもそれはどうなんだろうか。


『任せてみましょう』

「んー。そうだね。俺がやってもこいつ何にも言わないし」


八雲さんは、俺の霊力によって組み伏されている男の前に立った。


「痛いのと、すごく痛いの、どっちがいい?」

「は?そ、そりゃ、痛くないほうが」


「すごく痛いのがいいのですね。では」


すっと、八雲さんは小林さんのように、男の額に手を伸ばした。


「体外連金。夢魔」


「あぁ?なにをやったって俺ははかねーぞ!」


光が男の目に入る。口に入る。耳に、鼻に、毛穴に侵入する。


「な、何をやったって・・・ぁあ・・・・あああ・・・・ああああああ・・・」


さっきまで俺たちを睨みつていた男は、もう叫ばない。うつろな目で口をあけ、よだれをたらし、鼻水をたらし、涙を流す。


「あああ・・・・な・・・た・・・たふけて・・・」


俺は、目の前の光景に気絶しそうになった。

八雲さんはただ男の額に手をかざすだけ。それだけだ。攻めは何もしていない。ただ黙った見ている。人間じゃない瞳。それ以外は何も変わらない。でもその瞳が、まるで彼女を別人に見せていた。

男は、全身をくねらせ、まるで虫のように地面に這いつくばる。


「あぁあああ・・・わはった・・・・しゃへる・・・・わはった・・・たふけて・・・・たふけて・・・たふけて・・・・しゃへる・・・わはった・・・」


『催眠は、連金術でも可能・・・』

小林さんの声で、はっと、自分が戻ってくる。


「ちょっと!八雲さんなにやってんですか!?」

「錬金術流の拷問術です。普通ならこんなにひどくいかないはずなんですが・・・天使さんの悪夢のせいで、精神的にガタがきていたのかもしれません」

「錬金術流の拷問術?なんすかそれ!」

「一種の催眠です。目に、直接霊力を注ぎこみ、相手に幻想を見せるものです」

「そいつは、いったい何を見てるんですか?」

「恐怖です。自分が、一番怖いと思うものです」

「えげつなー」

『でも、精霊魔道のほうにもありますよね?そういった術は』

「あ・・・。あれも相当えげつないよね。っていうか俺催眠系は嫌いなんだよ」

『昔死ぬ目に逢いましたしね』

「そーそー」


「・・・・しゃへる、しゃへる」

「しゃべるのですね?しゃべるのなら、解放してあげますよ。ソレのいない場所へ。解放してあげますよ」

「しゃへる・・・おれ、たちは、この、ばしょ、ちか、きょうだいな、ちから、しらへに、き・・・た・・」

「この場所の、地下にある強大な力を、探しに来たと?」

「そうは・・・そほだ・・・」

『それは一体?』

「しらはい・・・おれはちは、ただ、しらへろと、いわれは、だけは」

「それをどうやって調べに来たんだ?」

「れいりょくを・・・そくてい、する。こ、こんらんひ、じょうじへ、ちかに、もぐる。そして、はかる」

「なるほどね。要するに、この学園の地下に、霊力測定可能な何かがあるわけだ」

「そうだ・・・・」

「もういいでしょう。八雲さん、解放してください」

「・・・・・・・・こいつの、せいで・・・・・・・・」


空気が、変わった。ドンっと、押しつぶされそうな、中身をえぐられるような、痛み。体が、震えた。


『いけない!姫!八雲さんを止めてください!』

小林さんの顔色が急に変わった。


「八雲さん?八雲さん!」

「・・・・・こいつの・・・・・そう、ですね。解放しましょう」


だが八雲さんは一向に手をどけようとしない。いや、それどころか光が膨らんでいく。目は光を失い、鈍く光を放っていた。


その光は、紫色。空気に解けるように広がる。

この程度の力なら、自分は過去に何度も対峙してきた。

だが引っかかる。過去の、自分が。過去の。あの、悪夢。


紫の空気は男を包む。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


男は、発狂した。エビのように体を折り、蛇のようにうねった。顔は、元の顔がわからないほどに歪み、体中の体液という体液が漏れ出し、あたりに異臭を撒き散らしていた。耳をふさぎたくなる。声。


「や、止めるんだ!八雲さん!八雲さん!小林さん!早く止めよう!」

『わ、たしにはふ、不可能です。今の彼女のその力は、私たち精霊にとって猛毒。こ、ここに立つことも、もう・・・』


ガタッ、八雲さんが両手を男へと伸ばす。


「やめるんだ!早く!早く!八雲さん!八雲さん!」

「えぇ・・・わかってる・・・・わかってるわ・・・・やめれば、いいんでしょう?」


紫。埋め尽くされる紫の光。



八雲さんの、顔が、凄絶にほほ笑んだ。


無表情が壊れていた。


小林さんが、あの小林さんが膝をついていた。


男はついに自分の体をかきむしりだした。俺の拘束は既にかき消されていた。紫の光の束に。


肩を揺さぶっても、まるで彼女の体は鉄になったかのように、動かなかった。

目は、もう何もうつしていない。口からは、「わかったるわ・・・わかってるわ・・・」とつぶやくだけで、力を止めようとはしなかった。


紫色に染まる彼女の腕。風が舞い、周りに置かれた家具、教卓からは、悲鳴のような軋みが響いていた。



誰だ。彼女は、誰だ?わからない。何が、いったい何が!?


『ひ、姫、力を、使ってください!彼女はもう彼女じゃない!戸惑ってはいけない!取り返しがつかなくなる前に!早く!彼女を守るためです!このままでは・・・は、はぁぁうぅはぁっぐぁあぁぁっ早く!彼女がっ消えるまぇに!早く!』


「八雲さん!八雲さん!止まって!お願いだ!」


力を、この力を、守るべき人に使うことが、俺にはできない。でも止めるには使うしかない。

なぜ、なぜ力を、使わなくてはいけないのか!


「くそっ・・・“来たれ光よ大天使!眠れ!”」


俺の伸ばした右手のから、光がまっすぐ八雲さんへ延びる。

止まれ、止まってくれ。


光が届く前に、彼女の左手がそれを握りつぶした。



「効かない、効かないわ。そんな力で、ワタシを止める?」


「そんな!」


『違います!あなたは無意識に力を抜いている!早く、か、彼女が、とりカエしのツカないコトニ』


「小林さん!そんな体が!消えてるよ!なんで!」


小林さんは、もううずくまっていた。羽がひどく震えている。目からは、血のような涙がほほに線を引いていた。苦しいのだ。あの小林さんが、本気で苦しがっているのだ。

男はもう動いていない。目は開ききり血走っているのに、体はピクリとも動かない。


やばい、やばい、やばいやばいやばい!


『私のことはかまいません!ハヤク!ちカラをかノじょニ!トメルのは、あなタニしかデキナイ』


俺も、呼吸が苦しくなってきた。目が、かすむ。回る。視線が定まらない。頭の中が、ぐちゃぐちゃになる。


「わかってるわ、やめればいいんでしょう?こいつの頭が壊れたら、やめるわ。ええ、そうよ。こいつの頭を壊すだけよ」


彼女が、また笑った。


人じゃない。その顔を見て、初めて彼女が彼女じゃないことを、心が理解した。


とめるだけじゃ、だめだ。彼女を、八雲さんを、取り返さす。そうしなければ、全部、全部消える・・・



「あなたは、俺の知らない、誰かだ!」

「ワタシよ。お姫様。八雲よ」


クスッ。その笑顔、その目。

彼女の体で、そんな顔をするな。そんな目をするな。そんな力を使うな!


「消えろ!出ていけ!“来たれ光よ大天使!破邪!顕正!”」


光が部屋を埋め尽くす。

紫は消え、白が膨らむ。


「あははっははっははっはっはははは。消えない。消えてあげない。だって私が、私がヤクモ」

「消えろ!返せ!八雲さんを!返せ!」

「私が、ヤクモ。八雲はワタシ。きえ・・・な・・・・・い・・・・・あ、あぁ、まだ・・・きえて・・・あげ・・・」


八雲さんはもう一度、ほほ笑んだ。今度はこちらを見て。

その目線。まっすぐ射抜かれた。腰が砕けそうだった。


「消えろ!消えろ!消えろ!さっさと消えろこのやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


八雲さんの体は、ようやく芯が抜け、崩れ落ちた。


慌ててそれを片手で支えながら、光に右手を突っ込む。


羽の毛が抜け落ち、うづくまり、半透明になる体。

「小林さん!今力を!」


伸ばした右手に光は収縮し、球状の形に落ち着いた。


「小林さん!さぁ、はやく!」


小林さんにむかってその球を放つ。

光はそのまま小林さんを包み、淡く光って消えた。


『あぁ・・・はぁああああっくっ・・・』

「小林さん!大丈夫?ねぇ!小林さん!」


うずくまっていた小林さんの羽に、また光が灯った。


小林さんは、ふらつきながら、ほほ笑んで立ちあがった。


『あ、ありがとう、ございます。八雲、さんと男は?』

「八雲さんはこの通り。眠ってるよ。でも、男は」


男のいた場所には、なにもなかった。流れていた血も体液も、俺の霊力が浄化してしまっていた。


「光が満ちる寸前に、男の体は宙に消えたよ。俺の力が、結界を破ったのかも。多分小林さんの結界が完全にゼロになったから、向こうから干渉されて、そのまま転送されたんだと思う」


『私の結界を破るほどの力を使うとは。姫は相変わらずすばらしい霊力ですね』


へたり込んだ俺は、なんとか力を振り絞って、腕の中で眠る八雲さんを抱き寄せた。


「うん。大事になる前に止めれてよかった・・・」

『とりあえず帰りましょう』

「そうだね・・・でも、俺もう動けない」

『私が送りましょう。私もギリギリですがね』

「ごめん・・・ありが・・・とう」


俺の意識は消えた。





私の腕の中で眠る二人。

やさしく、八雲を抱きしめる姫。


私の、愛しの姫。


『彼女の力・・・恐らくは、死霊・・・』


そんなはずはない。私の知る限りの知識がそう告げる。

でもあの苦しみ、痛み。

体に残った力の残滓が、



彼女が死霊のそれだと、訴えていた。

死霊。死んだ人間の出す負の霊力。人にとっては毒だが、精霊にもかなりの猛毒。

でも、八雲は生き人のはず。


なぜ?


・・・いや、それは後々わかることでしょう。


むしろ、そのほうがいい。彼女が精霊のほうが、いい。


今回は、彼女の“あの力”は、私とあの男に向いていた。




だが今後、それが姫に向いたとき。











相手が精霊なら、命を賭して止めれるから。


姫を、彼女は愛し初めている。

姫を、私は愛している。


姫を愛する者は、私にとっても愛おしい。

それが、精霊の、愛。


止めれれば、いや止めなければ。

人の愛は、美しい。


精霊にはない、愛。

慈悲でも、気まぐれでもない、対等な愛。



私は、愛が欲しい。


人の、愛が。


誰かを、人のように、愛したい。


愛はないけど、知ってるから。


欲してしまう。


人への興味。尽きることはない。




ヨシ「え?これ?んー。ボウズみたいな、まだほんの小さな子供にゃあ教えられない職業さ・・・オリオンレポートって、知ってるかい?」


ナナ「あんた誰?つーかそんな不健全なコーナーにするな!」


ヨシ「へっへっへーじょーちゃんいい体シテマンナー。おっちゃんとちょっと【オリオンレポート】しない?」


ナナ「エロイ言葉隠すみたいに使ってんじゃないわよ!」


小林『というより、私を呼ばれたのはお二方ですか?』


ヨシ「あ、そうですそうです!前回から、各キャラクターから一言!ってコーナーやってて、1、好きなもの2、嫌いなもの3、趣味4、特技5、日乃の好きなところの計5つです!さーどうぞ!」


小林『あら?前回と質問が変わってますが・・・』


ナナ「本人に自分のことどう?なんて聞けるわけないでしょ」


小林『そうですね。答え、でしたか。好きなものは愛のある人間。嫌いなものはそれ以外の人間。趣味は姫をからかうこと。特技は姫へと伸びる愛の線を、この目でしっかりと見ることができることですね。姫の好きなところは、愛を持っているところでしょうか。あ、ちなみに姫へと伸びる愛の線なんですけどね、一番ふといのは・・・・』


女全員「・・・・プチッ」


小林『ん?おやおや。みなさんお揃いで。え?恥ずかしいからやめろ?言うんじゃない?御冗談を!こんな楽しいこと止められますか!え?消す?面白いですね。この私を消す、などと・・・ってカトレアさま!それはいけません!そんな、そんな物語の最後のほうで出てくるような技をお使いになられては!みなさんも!コメディーだからって、死ぬ時は死ぬんですよ!・・・まったく。逃げるが勝ち!ですね』


日乃「感想、お待ちしておりまーす。ではまた(ペコリ)・・・って小林さん!こっちくんじゃねーよ!おい!来るな!来るなって!わぁああああああああああああ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ