story 2
EMを倒したはじめは、家族をタークに任せ、ヒーロー管理機関本部があるアメリカへと向かった。
ヒーロー管理機関には本部と支部があり、本部はアメリカにある。支部は中国、日本、オーストラリア、イギリス、フランス、ロシアに拠点を構えている。支部については現在拡大中だそうだ。
ヒーローというのは残念ながら、やりたいと言ってなれるものではない。各国の首相からの任命、又は許可をもらい、ありとあらゆる契約書にサインをして、武術、知識、身体機能を人類のトップクラスにして初めて本部であるアメリカに審査を受けることができる。
しかし、いくら凄腕の猛者たちを集めても審査は通ることはない。一番必要なものがあるからだ。それは特殊能力。EPと呼ばれるものだ。それがなくてはEMに勝つことは到底不可能であり、ヒーローになれることはまずないのだ。だが、審査に通らなかった人達には本部、もしくは支部の精鋭部隊の一員として働くことができる。ヒーローになれなければ、ヒーローと共に戦えということだ。しかし、それほどまでにヒーローというのはなることが難しいのだ。
はじめ「…久しぶりだな。もうここには来れないかと思ったけど、人生色々あるもんだなー。
…わざわざそっちから出向いてくれるとは思わなかったな。ヒーロー管理機関の職員さんよ。」
はじめがアメリカに来ることはすでに知られており、アメリカに着いた時からはじめはマークされていた。はじめの周りにはいつの間にか黒いスーツを着た男達が警棒のようなものをもって構えていた。
?「よう。元ヒーローの月島一さんよ〜。一体ここに何のようだ?」
はじめの目の前には他の黒いスーツの人達とは違い、白いスーツで銃を持った男が立っていた。
はじめ「まさか精鋭部隊に囲まれるとは思わなかったよ。お前らのことだから狙撃でもするかと思ったんだけどな。」
?「ちゃんと狙撃手も配置済みだよ。お前ヒーローに復帰するつもりなんだろ?お前みたいに特殊な力持ったやつは俺は大嫌いなんだよ‼︎努力した俺達こそがヒーローになるべきなんだよ‼︎てめえみてえに才能だけでヒーローになったやつはムカつくんだよ‼︎」
はじめ「…で?お前は何が言いたいの?
その前にお前誰だよ。明らかに見た目からしてこいつらのリーダーっぽいけど。」
白スーツの男は少し沈黙し、冷静になるためか、深呼吸をしてから答えた。
ジャーニー「俺の名前はジャーニー・マロマーニ。俺達がここに来たのは上からの命令でお前の実力を審査するためだ。」
はじめ「やっぱり審査があるのか。なんとか審査無しで登録できるかと思ってたんだけどなー。でも、お前の意見はどうなんだ?さっきから殺気がすごいんだけど。」
ジャーニー「ああ。上からは殺すなと言われているが、俺達は命令を無視してでもお前を殺す‼︎」
はじめ「ただの逆恨みじゃねーか。お前らそんなことしたら…」
はじめが言いかけた瞬間、ジャーニーの銃をはじめに向け撃つ。それと同時に他の黒いスーツの男達が動き、攻撃を仕掛ける。
しかし、なんとはじめは弾丸をかわし、黒スーツの男達を素手で急所をとらえ、気絶させていく。
ジャーニー「なんだと⁉︎
…くそっ‼︎狙撃班‼︎対象に向かって撃て‼︎」
ジャーニーの指示により、はじめに向かってありとあらゆる方角から弾丸が飛んでくる。
それでもはじめは弾丸をかわす。
ジャーニー「は⁉︎なんで!なんでかわせる‼︎」
瞬間、ジャーニーの目の前にははじめの拳が迫り、そして顔面にめり込むほどの威力がジャーニーを襲った。
ジャーニー「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
はじめ「よう。お前らもっと鍛錬積んだ方がいいぜ。弱すぎだよ。」
ジャーニー「ふざけるな‼︎こっちはてめえみてえに特殊な力なんてねえんだよ‼︎俺達人間がてめえみてえなバケモンにどう勝てっていうんだよ‼︎」
バケモン。確かにそうかもしれない。何の力もない人間が俺達をみたら間違いなく、そんな目で見る。
はじめはわずかな沈黙の後、口を開いた。その言葉はジャーニーを混乱させるような言葉だった。
はじめ「お前勘違いしてるぞ。俺まだEP使ってなんかないぞ。ただの体術で戦ってただけなんだけど。」
ジャーニー「えっ?」
ジャーニーはその言葉を聞いた瞬間、現実逃避するかのように考えることをやめた。
パチッパチッパチッパチ
はじめ「?」
?「相変わらずすごい体術だ。だがやはり衰えてるな。日本でバカみたいにぐうたらしてたんじゃないのか?」
またしても新たに黒スーツの男が出てきた。しかし、襲ってきた人達とは違い、かなりの実力を持った人物だとはじめは気づいた。
はじめ「お前はかなり強くなったみたいだな。一瞬誰かわからなかったよ。ヒーロー管理機関最高管理者、ルート・ドラゴ。」
ルート「できれば会いたくなかったけどな。状況が状況だ。まずは本部に来い。話はそこからだ。」
はじめ「…はあ。めんどくさそうな話しじゃなかったらいいんだけど。」
しかし、残念ながらはじめの期待を裏切り、ルートの話はかなり厄介なものだった。