表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫煙の旅路  作者: 白猫
紫煙の行き先
6/45

side 雪


ああ、これは現実かい?

いや、現実なんだろうね。

なんせ、昨日もらったばかりの大将の包丁がカバンに入っている。

昔のお古らしいが、俺にはかけがえのない宝物だ。



電波も届かない。

いや、電波なんてないのかもしれない。

淡い希望は、倍になって返ってくる。

そう知っているからこそ、楽観的な期待はしないでおこう。



唯一の救いは天馬がいることだろう。

なんだかんだ昔からの幼馴染で、気を使わなくて済む相手というのはとても貴重だ。

それに、あいつはなんとなく落ち着ける雰囲気を持っている。

よく人から雪の側は安らぐと言われるが、俺からしたら天馬の側の方が安らげる。



さて少し落ち着いてきたことだし、深呼吸でもして現状を把握しよう。


母方の実家が田舎にあるが、あそこと同じ様な空気だ。

なんていうか、澄み切った味がする。

ただ、なんとなく不純物でない不純物が混ざっている。

そんな感じがするのはなんでだろう?



まあいい。

とりあえず体を動かして見るが、特に違和感はない。

むしろ好調な気さえする。



学校や親、大将にはなんて言おう。

まあ、何よりも無事に帰ることを最優先にしないとな。

どう考えても、昨日の帰り道で天馬に纏わりついたあの煙が妖しい。

妖しいだけでは何の手掛かりにもならないが、何かのヒントにでもなればいいか。



そろそろ天馬を起こすかな。

この状況でよく眠っていられる。

いや、気絶しているのか。



どちらでもいいや。

こいつのことだから、きっと盛大に混乱するだろう。

いつも以上に笑顔を絶やさず、いつもを装ってやればいい。


どちらかがパニックになれば、それは伝染する。

訳がわからないまま無暗に行動すると、恐ろしいほどの体力を消耗する。

助かるものも助からなくなる。

それだけは避けないとな。































おいおい、聞き間違えか?

今、マモノって言わなかったか?

ここに来てから、随分と耳が良くなった。

視力も今なら2,0を超えてるんじゃないか?


幸い天馬は話に夢中で気づいてないらしい。

現実を見たくはないが、人と接触しないと何も始まらない。

なあに、いつも通り、面と向かって、受け止めよう。

いつもやっていることじゃないか。
























































綺麗なブロンド


青みがかった髪色



彼らが持っているのは、見たこともない果実




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ