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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
4thシナリオ ~第1.5章~
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第一話:冥界神の御霊


 にしきこうじ まさみち様より、素敵なイラストをいただきました。


 上↑の前の話をカチッとするとイラストページです。



 エキシビジョンイベントからしばらく。

 今日は一人。聖夜は予定がありユーキは沙羅や姉ちゃんと買い物、と。

 今日は一人だぜヒャッホーウ!


 別に聖夜やユーキがうっとうしいから一人になりたいわけじゃない。聖夜はなんだかんだで俺に良くしてくれるし、ユーキは可愛くて優しい。

 なら何故一人を求めるのか。


 俺がまだ中学一年生のときだ。

 三年になるころにはやめてしまったが、当時の俺はパソコン部に所属していた。

 部員十数名の同好会みたいなものだったが、わりかし楽しかったのを覚えている。


 当時の部長は、安食あじきという名前だった。

 三年生で、生徒会長、通知表の最低評価が4(うちは五段階評価)、しかも一度しか見たことが無く、スポーツも得意であり、なにより大きかったのが、サバゲーの卓越したスキルである。

 『全方位死角無し(ジ・アブソリュート)』とかいう二つ名までついており、県外から来たサバゲーマーまで知っている、全国レベルの強さを持っていたのだ。


 で、俺達のパソコン部は名ばかりで、実際はサバゲーばっかやってる部活だった。

 それで、いつだったか隣の県の中学校と対抗試合をしたんだ。

 俺達一年にとっては初のサバゲーだった。

 参加人数は15人で俺らはちょうど一人が怪我で抜け、人数ジャスト。

 俺の持ち込んだエアガンは、当時の奴の名前は忘れたけど、確かハンドガン。あとおもちゃナイフ。中坊、それも一年生なら仕方の無い装備だ。


 同じチームに山寺、というやつがいた。

 そいつは俺達とは駅を挟んで反対側に住んでいたため、当日は現地集合になっていた。

 しかし人身事故だかなんだかで電車が遅れ、最寄り駅に着いたのは集合時間の30分後。

 細かいルールの確認、陣地決め、範囲の決定を行い、さあ、始めよう、というときだ。

 その山寺が戦場に風を切り颯爽と現れた。


 彼の息が整うのを待ち、皆を代表して俺は山寺に聞いた。

 なにそのでかいリュック、と。


 彼は答えて言った。

 え? だって、サバイバルするからって……。


 そういえば、サバゲーを知らない山寺に、

 あぁ、えっと、サバゲーはサバイバルゲームの略だから、サバイバルする感じの物を持ってくればいいよ。

 と言ったのを思い出した。サバゲーがなんの略かはいまだにわからないが、多分サバイバルゲームじゃね? と適当に返事したのが災いした。


 彼の親は所謂教育ママ、パパであり、そのおかげで成績はよかったものの、常日頃から勉強したくない、との反抗を口にしていたのを聞いていた俺達は、彼は両親(=勉強)から逃れるためにサバイバルをしにきたんだ、と解釈し、このことを「山寺五・五独立運動」と名付けた。

 そして独立運動は、気を効かせた安食先輩の一言により、収束した。


 曰く、一人にしてやれ、と。


 つまり何がいいたいのかと言うと、人間には一人になる時間が絶対に必要なわけで、それは、独立運動のおかげで『ハントンニプマン』との二つ名がついた山寺のみならず、誰にでも当てはまる。


 というわけで。

 俺は、ヒューリアスの村に来ていた。

 伝説級宝レジェンダリィ・トレジャーをフルコンプしている俺が、いまさら何をしにきたのかといえば――。


「君。任務。遂行、完了。僕、嬉しい。君、報酬もらう。君も、嬉しい」


 死霊術師もしくは死霊使いが一人じゃないと受注できないクエストを受けるためだ。

 今更こんなの受けたから、って正直楽勝だが――


「これ。報酬。《冥界神(ベルセフォネ)の御霊》」


 報酬であるベルセフォネの御霊が格好いいので受けることにした。

 『ハントンニプマン』こと山寺が格好いいからと言う理由でおもちゃナイフでサバゲーに参加していたのと同じ理由だ。

 御霊は、ゾンビの霊魂扱いで、効果は、霊魂状態の他のゾンビの見た目が格好良くなる。霊魂の一つ一つに顔がついて、更に独立して動く。


 つまり、霊魂がある程度自律するのだ。


 いやまぁ、別に戦闘で役に立つわけじゃないし、見た目が変わるだけなのだが、格好良いじゃん。


          ☆☆☆


 ベルセフォネの御霊を手に入れるクエストの達成条件は、

1:霊魂ゾンビの憑依能力(アビリティ)を使ってミラクルリザード5匹を狩る

2:顕現ゾンビのみでミラクルワイバーン5匹を狩る。

3:顕現ゾンビ5体以内で奇跡之竜ミラクルドラグーンを撃破。

4:顕現ゾンビ1体で幸運司リシ神龍ザ・フォーチュン・アドミニスタを撃破


 この四工程を経て、やっとこさクエストはクリアと相成る。

 そして倒さなければならない敵――通称ミラクルシリーズ――は、ドラクヱでいうところの某はぐれたメタルなスライムみたいなものだ。

 違うのは、逃げないことと攻撃力が恐ろしく高いこと。

 ミラクルリザードの通常攻撃のダメージと、炎龍の通常攻撃が同じくらいある。

 ただ、もろいので遠距離攻撃手段があれば楽に狩れる――なんてのは間違いである。

 奴らは遠距離でその真価を発揮するのだ。

 遠距離からの広範囲殲滅ブレスの威力は、プレイヤーのHPの四分の一は軽く持っていく。

 更におそろしいことに、これはミラクルリザードの話である。

 幸運司リシ神龍なれば、その威力は魔龍煌ケーリストファッシュに比肩する。

 しかしなぜそのようなモンスターを狩らんとするプレイヤーがあとをたたないのだろうか。



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