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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
3rdシナリオ~第一章~
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第十六話:二日目の終わり


 第十三話です。


 サクサクっと、話が進んでいい感じに筆が乗りました。


 今日中も17話が投稿できるかも、しれません。


 頑張ってます。





 地面を蹴りつけ体を前傾姿勢にしつつ、上半身にひねりを加える。


「うォォォォォオオオオおお!」


 叫び、後ろに残る右足を後ろに蹴りつける。


 そのままの勢いで右拳を振り下ろし――――


「甘いぞ、クロォ!」


 突然ベリオンが握りこんでいた右手を振り上げた。


 戦いに身を置く緊張感が生み出す集中力と、サバゲーでエアガンの弾を視認してからけることを可能にする動体視力が合わさって、ブレインが何のために右手を振り上げたのかを見切ることができた。


「砂……ッ!?」

「そォだ、これが全力だァ。慣れないことはするもんじゃないわなァ!」


 ベリオンが握りこんだ右手から砂を飛ばしてくる。


 慣れない氷と水以外の能力のせいか、その量は圧倒的に少ない。


 せいぜい一握り程度だ。


 ける必要性は感じない。でも何らかの効果があるかもしれない。


 ベリオンは新技とも言った。何か秘密があると見てまず間違いない。


 だからなんとしてでも回避しなければならない。


 しかし殴りかかる体勢のため避けることができない。


「ならば撃ち落とす!」


 憑依したままだった炎龍固有スキル、炎龍の咆哮を最小限に手加減して放つ。


 全力で、いや、普通に放っても巻き込まれる恐れがあるからだ。


 咆哮は土を巻き込んでそしてベリオンのすぐ横を抜けていった。


 計算してあったのか、ベリオンには咆哮は当たらない。


 そして。


「ぅぐッ……!?」


 目に鋭い痛みが。


 それはまるで、砂が目に入った時のような……。


 殴りつけようとしていた拳が氷に触れる。


 そして目を開くことができない。


「甘いよ甘いよクロォよォ! この砂はホンモノだァ。俺が生み出したシステム上のものじゃねェんだよ」


 そうか、だから炎龍の炎が素通りしていったのか!


 通りで目に砂が入るわけだ。


 いぎゃァァァァァァ。


 痛む目を無理やり開き、辺りを見回す。


「ほォら、そっからどうするんだァ?」


 俺の首を、腹を胸を腕を足を、氷の剣が突き刺さんと空中に浮いている。


 指を一本でも動かせば切られるだろう。


 これははっきり言ってもどうにもならない。


 ベリオンがどこにいるかもわからないので、無闇矢鱈に咆哮を放つわけにもいかない。


 はい大ピンチー☆


 どこか他人事のように脳の片隅でそう思った。


 だって、他人事だもの。


 “俺”の左斜め後方にいたベリオンの背後から、俺は咆哮を放った。


          ☆☆☆


 種明かしをすれば簡単だ。


 最後ベリオンが目を瞑った時に、俺は自分の分身を生み出しそれに殴りかからせたのだ。


 まあ、用心には用心を重ねて、な。


 ベリオンは見た目と喋り方はチンピラだが、頭が相当にキレることは見ればわかる。


 結果としてはそれが正解だったわけだ。


 目に砂が入っていたかったのは、俺と分身体がつながっているからだ。


 つなげておかないと、その身代わりは独立駆動となって俺の考えを無視した行動をとってしまう。


 まあ、最後の方は痛みがひどくなったのとベリオンが倒せそうになったのとがあったので、分身との接続を切っていたわけだが。


 まあ何はともあれ良かった良かった。



 HPが0になってコンバート状態から解除されたベリオンは、園内のスタッフによって運ばれていく。


 倒れたプレイヤーがどうなっているのかと少し気になっていたが、こんなふうに運ばれていたのか。


 まあ、ワープは不可能だよな。


 さすがにオーバーテクノロジーが過ぎる。


 さてーと。


使役系能力(アビリティ)『顕現』、ベリオン!」


 はい、ベリオンさん復活ー。


 もしかしたらの可能性にかけてみたのだが、予感が当たったみたいだ。


 もうちょい早くに分かってたら他のプレイヤーも喚び出してたというのに。


「あァ? んだァ?」


 訳がわからないって顔をしているベリオンに、説明。


 しかし途中で面倒くさくなったのでメールを読むように促す。


「つまりあれか、オレ様はお前の下僕になったってェわけか」 

「そうだ。誠心誠意仕つかえたまえよ」


 ベリオンは、青筋を浮かべながら笑うという、とても器用な真似をしながら言った。いや、叫んだ。


「ッざけるゥなァァァァァァァァァああああ!」


 叫びつつも氷の塊をこっちに飛ばしてきたので、全て振り払う。


 でもまあ、ネクロマンサーの言うことに逆らうことができないようにベリオン(ゾンビ)は出来ているので、無問題。


 心強い仲間がひとり増えました。


          ☆☆☆


P.M.9:59


 せっかくベリオンを喚び出したのに、そのあとは敵に出会うことなく十時になった。


 ベリオンは夕食の時コンバートアウトしようとしたのだが、俺が拒否した。


 現実世界で目が醒めたら、『R―convert gear』を外さないで、コンバートインを宣言してから召喚者の召喚を待たなくてはならないのだが、ベリオンは一回外したら絶対にその条件を満たさないだろう。


 あと、ゲームオーバーしてから一度でもギアを外すともう復活権は無くなる。


 無条件で復活させることができるのはプレイヤーのHPが0になってから三十分間のみ。


 そういえば聖夜を喚べなかったが、あの時は霧香ちゃんとお話中でした。


 立体型テレビ電話(仮)を使って。


 本当に役に立たない野郎だ。


 ―――――ボーン ボーン ボーン ボーン P.M.10時をお知らせします。交戦中のプレイヤーは一時停止し『R-convert gear』の電源を切ってください。なお、五分以内に『R-convert gear』の電源を切られなかった場合、失格となりますのでご注意ください。繰り返します――――――


 二日目、これにて終了。


          ☆☆☆


1位:星砕✝鏡  HP10000/10000  『Natural online』代表


2位:モモ    HP9950/10000   『G-FIRE online』代表  


3位:ウイロウ  HP5470/10000   『Only yours Online』代表


4位:クロウ   HP1980/10000   『Treasure online』代表


5位:ゲンキ   HP510/10000  『G-FIRE online』代表



脱落:シュガー  HP0/10000  『Only Fameil Online』代表

脱落:リュウ   HP0/10000  『Only Fameil Online』代表

脱落:デンゲン  HP0/10000  『Only yours Online』代表

脱落:聖夜    HP0/10000  『Treasure online』代表

脱落:ベリオン  HP0/10000   『Natural online』代表



1位『G-FIRE online』黒チーム現在二名

2位『Only yours Online』黄チーム現在一名

2位『Natural online』白チーム現在一名

2位『Treasure online』赤チーム一名


脱落『Only Fameil Online』0名



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