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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
3rdシナリオ~第一章~
38/63

第六話:タイムアップ


 魔王ケーリストファッシュの鎧の名称変更しました。


 鬼紫きしの鎧→鎧鬼村裂おにむらさき


 



 『Magic and Sword online』。


 ゲームクリエイト中津が世界で初めて運営したVRMMORPGだ。


 でも、このVRMMOは世界初であることよりも、あることで有名だ。


 そう、デスゲームになったのだ。


 ゲーム世界での死はすなわち現実世界での死、この事実に、八割のプレイヤーは恐怖に恐れおののいた。


 しかし、そんなデスゲームに勇猛果敢に立ち向かい、わずか一日―――二十四時間弱―――でラスボスを倒し、クリアしてしまったプレイヤーがいる。


 それが、後に都市伝説にまでなるウイロウだ。


          ☆☆☆



爆破エクスプロージョン!」



 爆破エクスプロージョン《空間そのものを圧縮、爆発させる》

 魔王ケーリストファッシュ固有スキル。


 それを目くらましとして小さく使いながら、ウイロウに接近、右足でかかと落とし!


 鎧鬼村裂おにむらさきにより今俺の足は刃物。


 当たれば切れる!


 しかし。


 ヒョウ


 振り切った足は空を切る。


 さっきからこれだ。


 どれだけ攻撃しても紙一重でかわされてしまう。


 どれだけ素早く拳を打ち込んでも、かわされる。


 ならば広範囲を全部巻き込んで攻撃しようかと思えば飛竜ワイバーンの光線にかき消されるし……。


 うむ。


 どうしたものか。


 おそらく、近接攻撃は必ずかわすことができるスキルのようなものを持っているのだろう。


 大範囲攻撃が飛竜にかき消されるということは、広範囲攻撃ならば当たるということなのだろう。


 ならば。


 ウイロウに肉薄。


 右拳を振り抜く。


「学習しないねぇ、君も」


 知ったことか。


 ウイロウにいとも簡単によけられてしまった右手を飛竜につき、体を反転。ウイロウの背中に体の正面を向ける。


 そこで、咆哮。


 鬼村裂の口元装甲、蜂の顎のような部分が展開、そこに紫紺の光が収束する。


 鬼村裂のスキル、《破壊神の息吹》。


 ようは破壊光線だ。


「コォォ……………ォア…………ッ!」


 ビュオウ………ッ!


 俺の口元から発射された極太のレーザー光は、ウイロウに直撃!


 そのまま飛竜を巻き込んでウイロウと飛竜は落下した。


「なんだ、やるじゃない。僕にダメージを与えたのは君が初めてだよ。」


 ウイロウに直撃! したと思ったんだけどなぁ。


 どうやら、紙一重でかわされたらしい。


「しかし余剰魔力でダメージは受けた、と」

「そういうことだね」

「つまり、お前が使う攻撃をかわすスキルだか能力アビリティだかは、攻撃にしか通用しないわけだ。例えば、攻撃じゃない余剰魔力とか。……違うか?」

「へえ。そうなんだね。うん、そうかもしれないね」

「はぐらかすのか?」

「ううん。違うよ? ぼく、ダメージを受けるのが初めてなんだよね。だからわかんない」


 ウイロウの都市伝説(何者も彼女に攻撃を当てることはできない)は本当だったのか。


 アレ…?


 ちょっと待てよ?


「じゃあ俺、初めてウイロウに攻撃した人なわけ?」

「そうだね。ぼくの初めてを奪ったたわけだ」


 そんなことを婦女子がいうものではありません。


 閑話休題。


 攻撃じゃないダメージは通る。


 なら、いくつか攻撃方法はある。


 例えば落下。


 これは飛竜を倒せばいい。


 そしたら勝手に落ちるだろう。


 ほかにはさっきみたいな余剰魔力や、拳圧での攻撃(俺には不可能)。


 魔法か何かの弾幕も有効であるといえる。


 これは、ウイロウが攻撃を無効化するのではなく、“かわす”からこそできることだ。


 かわせないほど高密度の攻撃を放てば攻撃は可能なはず。


 そして俺は死霊術師。


 弾幕をはるのは割と得意だ。


 ゾンビたちの性質を変化。


「『硬化ハード弾丸バレット!』」


 ゾンビの霊魂の状態(硬化)、及び形状(弾丸状)を変化させる。


 ドッジボールくらいの大きさの弾丸を千個作成。


 ほかのゾンビたちは温存だ。


使役系能力アビリティ弾丸バレット流星群スターブラスト』!」


 振り上げた右手をウイロウに向け、振り下ろす。


 右手から二百、左手から二百、上から二百、後ろから二百ウイロウに弾丸を撃ち込む。 


 そして弾丸が半数飛龍とウイロウに撃ち落とされもう半数が着弾するくらいのタイミング!


 そこで、残り二百の弾丸と共に、飛び蹴りの要領で突っ込む!


 二百の弾丸はすべてウイロウの顔の周りに展開している。


「しまった…!」


 つまり。


 ウイロウには飛んでくる俺が見えないはず!


「…なんてね!」


 ウイロウは俺の飛び蹴りをまた余裕綽々のていでかわした。


 そのままの勢いで進む俺は飛龍のトゲのついた硬い尻尾で薙ぎ払われ。


 それをみて笑顔を見せたウイロウに俺の拳が入る!


「ほら、飛んでくる俺が見えない」


 俺はプレイヤーゾンビを使い、分身を作った。


 もちろんそいつの攻撃がウイロウにかわされるであろうことも想定してだ。


 まあ別に、かわされなくても何ら問題はなかった。


 なぜなら。


 俺の分身、ゾンビは、操魂系能力『爆発(エクスプロージョン)』で爆発させるから。


 ドゴォン!


 飛竜の尻尾が吹き飛んだ!


 キリュウゥゥゥッゥゥゥゥゥウアウウアウアウアウゥウアウァアアオオオオオオオオ!


「うわ! 大丈夫クロウ(飛龍の方な)! いま回復アイテム……ってしまった! 運営側に没収されてたんだった!」


 落ちるウイロウと飛龍。


 それに追撃しようと空中を蹴りつけて、右拳を振りかぶる。


 そこで。


 ―――――ボーン ボーン ボーン ボーン P.M.10時をお知らせします。交戦中のプレイヤーは一時停止し『R-convert gear』の電源を切ってください。なお、五分以内に『R-convert gear』の電源を切られなかった場合、失格となりますのでご注意ください。繰り返します――――――


「タイムアップだね。悔しいけど、今日は僕の負けだよ…」


          ☆☆☆


途中経過発表


1位:シュガー  HP10000/10000  『Only Fameil Online』代表

1位:リュウ   HP10000/10000  『Only Fameil Online』代表

1位:デンゲン  HP10000/10000  『Only yours Online』代表

1位:聖夜    HP10000/10000  『Treasure online』代表

1位:ゲンキ   HP10000/10000  『G-FIRE online』代表

1位:星砕✝鏡  HP10000/10000  『Natural online』代表


2位:モモ    HP9950/10000   『G-FIRE online』代表  


3位:ベリオン  HP7800/10000   『Natural online』代表


4位:ウイロウ  HP5470/10000   『Only yours Online』代表


5位:クロウ   HP2190/10000   『Treasure online』代表







 我らがクロウ、初日から大ピンチ。

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