表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
3rdシナリオ~第一章~
34/63

第二話:ゲーム開始


 しばらくあきました。




 そして柔禅氏は一通り俺たちを見回すと、聞いた。

  

「それでは、何か質問がある者はいないか?」


 女性プレイヤーが手を上げる。


 『Only Fameil Online』代表、アバターネームはシュガー。


 白っぽいワンピースに麦わら帽子、綺麗な栗色の髪をした女性プレイヤーだ。


「TVカメラが入るっていってたけど、どうなったのかしら?」


 そういえば、TVの中継が入るって言ってたな。


 どうなったのか。


「ああ、カメラは至る所に設置されている。そこの木に見えるのもカメラだし、あそこの蝉もカメラだ。園内視覚はない。それに、カメラマンを入れると危ないからな」


 危ない?


 何が?


「いや、こちらの話だ」


 あれか? 園内の機密とかが研究されるとかそんなんか?


「では、最後にだが、預かっている君たちの武器を返そう」


 柔禅氏がなにかタブレットのようなものを取り出し、操作する。


 と、俺のゾンビたちも帰ってきた。


 どうやら、ゾンビたちも武器扱いだったようで。


「それでは、あと五分でゲームを開始する。各自好きに散らばると良い」


 言葉を聞いて、全員が散った。


 俺も西部『ウォーターエリア』に向かって走る。


 ……聖夜? 一人でよろしくやってるんじゃない?


          ☆☆☆


 ナイロック湖の主、憑依。


 水中に飛び込む。


 『R-convert gear』は完全防水。


 水の中に入っても壊れない。


 というか、なんで水中で呼吸できるのかがわからない。


 説明役に聖夜を連れてくればよかったな、と今更ながらに思う。


 空とか飛んでるやつはどういう仕組みなんだ?


 俺が思考の海に沈んでいると、突然右肩に激痛が。


「ギャヤァキギャキガァア!?」


 見れば、右肩がえぐれている。


 なんだ?


 なにが起きた?


 HPも1000減っている。


 敵か?


 周囲に注意を向ける。


 すると、今度は左手側からなにかが突っ込んできた。


エネミー:海龍


 敵の頭上にそう表示されている。


「モンスターもいるのか!?」


 しかし、『Treasure online』では見たことがない敵だ。


 ちょうど恐竜のイクチオサウルスによく似ている。


 ネッシーみたいなやつだ。


 さっきは油断したけど……


「…………カッ!」


 久しぶり、主様固有スキルである 地震 を発動。


 エネミー:海龍を倒した。


 お? なにかアイテムを落としている。


 海龍の宝珠《一瞬だけ攻撃を受け付けない無敵状態になれる》


 やったね! 便利アイテムゲット!


          ☆☆☆


 彼は、『Natural online』のユーザーである。


 アバターネームは『ベリオン』。


 この『Natural online』は、自分の想像力を具現化させて敵を倒す超能力アクションVRゲームである。


 つまり、想像力の豊かさと、このゲームでの強さは比例するのである。


 彼――――ベリオンはゲーム開始直後、同じく代表である『星砕ほしくだききょう』を放置して西部『ウォーターエリア』に来ていた。


 そして、水面を凍らせて氷の城を作った。


 彼の得意能力はあらゆるモノを凍らせること。なぜか、それが一番想像しやすいのだ。


 ほかの能力も使えないわけではないが、氷だけが極端に突き出ている。


 その能力――――『Natural online』内の区別の仕方で言うと『得意能力:凍結』――――と、彼の言行から、ついた二つ名は『冷凍悪魔フリーズンデビル』。誰が付けたのか、趣味の悪い二つ名である。


 そして、氷の玉座を作り腰を下ろそうとして―――――


 氷の玉座を、炎の柱が貫いた。


          ☆☆☆


「炎龍の咆哮!」


 水中で襲い来るエネミーを次々と屠っていたら、いきなり水が凍りついた。


 全く、オーバーテクノロジーもいいとこだぜ。


 なに? 物理干渉可能なの?


 とか思いつつ、身動きが取れなかったので、炎龍を自分に憑依させて炎龍の咆哮を放った。


 真上に向けて。誰かを巻き込んだ気もしないでもないが、こっちだってHPが250減ったんだ。


 おあいこだろ。


 自分のあけた穴から上へ飛び出る。


 凍りついた水面から飛び出すと、真っ黒の髪をオールバックにした男性プレイヤーがいた。


 プレイヤーネームは『ベリオン』。色は白だ。


「アァ? お前か? 俺の氷を溶かしてついでに俺まで黒焦げにしてくれた馬鹿はよォ?」


 不良だ!


 不良がいる!


「というか、あたってねーだろ、咆哮。避けてたろ?」

「ああ、そうだけど、とにかく死んどけや! 記念すべき一人目だぜ?」


 いうなり、氷の槍が飛んでくる。


 氷系の――――魔道士?


 いや、『Natural online』だと、超能力者か。


 氷の槍は全て霊魂状態のゾンビの材質を変化、炎にしてガード。


 スキル名:炎の壁。(考案俺)


「んだァ? 炎ばっか使いやがってよォ!」


 その炎の壁が凍りついた!


 は?


 何が起きたのか俺には理解できない。


「ふう、炎も凍るじゃねェか!」


 オラオラオラオラ!


 と叫びながら次々と氷の槍を放ってくるベリオン。


 そっちが質量攻撃してくるならこっちだって!


「炎龍の咆哮ッ!!!」


 ヒュ……ドバアァァァァアアア!


 俺の放った炎の暴力は凍りついた水ごとベリオンを吹き飛ばした。


 ベリオンの残りHPは7800。結構減ったな。


 そして追撃しようと吹き飛んだベリオンを目で追うも、もうどこにもいなかった。


 不利を悟って逃げたか。






 今日から多分三話ほど連続で毎日八時に予約投稿しときます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ