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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
1stシナリオ~プロローグ~
24/63

荒涼の砂漠にて。か、格好いい……!!

 これ書いてる途中にですね、一度ほとんど全部消えまして…。


 せっかく今日は三話は投稿してやる!! と意気込んでいたんですけど……。


 残念です(T_T)

 渓谷探索後。


 その日はもうログアウトして、寝、そして次の日。


 『スマボ洞窟』から『霧隠れの里』に行くための道をすこし引き返し、横道にそれる。


 そのまましばらく進むと、『デュッケイル砂漠』に進む。


 そこはあたり一面砂砂沙で、岩すらなく、本当にただ一面に砂だけが広がっている。


 今まで歩いてきた横道はずっと林道だったので、境目はちょっとびっくりした。


 地面が土じゃなくて急に粒子が細かすぎるサラッサラの砂にかわったときは感慨を覚えた。


 普通に日本で生活してたら砂漠の砂なんて踏めませんよ、普通。


 お、サボテンがある!


 俺の身長よりも少し大きいくらいのそれに近づいてみる。


「……じー。」


 サボテンってこんな感じなんだな。


 初めて見たからわからないけど、このトゲは刺さったら痛そうだし、横に分かれてる二本の枝(?)のようなものは腕のようで、今にも動き出しそうだし、日本に分かれている根元は足みたいで、今にも動き出しそう。


 そして、俺の顔と同じくらいの高さのところに顔のようなものがあり、目があった。


 へー、サボテンって初めて見たけど、こんな感じなんだね。


 ふむふむ、と感心していると、となりにいるゆーきが言う。


「これ、本当にサボテンですの? まるでモンスターのように……」


 ゆーきの腰にタックルするように抱きついてサボテンの振るう腕を交わす。


「やっぱり、サボテンじゃないよね。顔ある時点で気づくべきだったんだけどな!」


 メイスに低級悪魔を憑依させて、スキル火炎放射《炎を放ち、敵を焼く》を発動。


サボニードロ HP4200 MP19 At430 De20 Sp20

スキル    鋭針《針を尖らせて敵を突き刺す》


 サボニードロを焼いて、倒した。


 サボテンでさえ敵だったら、砂しかない砂漠にほかに何があるって言うんだ……!


          ☆☆☆


 目の前に広がる砂漠は荒涼としか表現できない。


 白茶けたつぶの小さい砂。


 汗こそ出ないが(※ゲーム内なので当たり前)、肌に絡みつく熱風と太陽の日差しがジリジリと肌を焼いていく。


 そして、オアシスを見つけた。


「オアシスだッ!」


 一面に広がる砂漠に、突然現れた緑。


 小さな湖と、その周りを囲むようにわずかに生える植物。


 砂漠の中でオアシスを見つけ、奪われていく精神力が急激に回復した。


 水に触ろう、としたところでユーキが言う。


「ちょっと待ってくださいですの。ここの水、私の言うことを聞きませんの」


 いや、目の前に水があるんだよ!


 周りが砂漠なんだよ!


 飛び込みたいよ!


 テンションが高いのは、湖があったから。


 ふいに、湖にさざ波が立ち始めた。


 風もないのに、その波はだんだんと起きくなっていく。


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 湖を割って、大きなカメ型のモンスターが現れた!


 大きさは大体、機械竜と同じくらい。


 背中の甲羅は、端っこがトゲトゲの、攻撃的な感じ。その上に、さっきまで俺らがいたところにあった僅かな植物が乗っかっている。


 そして、甲羅の端から伸びる顔は、ドラゴンのそれ。


 四本の腕は今までのどのドラゴンよりも太く、強靭そうだ。


砂漠の幻影デザート・ア・ヴィジョンHP? MP? At? De? Sp?

スキル    ?


 なんだこいつ。


 パラメータ、スキルが全部不明だ。


 とりあえず、機械竜を憑依させて風刃を放つ。


 それはカメに当たり。


 亀は簡単に死んでしまった。


 は?


 ドユコト?


「えーっと、今のがここのボスですの?」

「多分、そうじゃないかと思う」

「簡単に、死にましたわよね? 見間違いじゃないんですのよね?」

「そうだと思―――」


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 背後にもう一匹亀が――――


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 と思っていると今度はもう一体。


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


 ギュリリリイリルリウリイイイイシィィィィ!


「なんか、大量に出てきたなー」

「なんで他人事みたいなんですの!?」

「いや、現実逃避だよ。だってさ、俺の目が正しいと仮定した話だけどさ、目の前にカメがざっと見五十体くらいいるような気がするんだ。しかもさっきより強そうな感じで」

「気のせいじゃありませんのよー!?」


 えっと。


 目の前に、さっき倒したカメが五十体くらい地面を割って出現していた……!


          ☆☆☆


 丁度いい、新しい技を試す事ができる。


 機械化《機械化することでスピードを下げる代わりにAt、Deがあがる》発動!


 左腕と翼が生物の姿を捨て、機械に呑み込まれる。


 そして、走りこんで跳躍!


 MAXスピード《最速で敵に突っ込む》を発動し、左翼の推進翼が風を噴射! 俺の左拳が亀を貫いた!


 たいした手ごたえもなく亀は消失して、これで大体百体目くらいだろうか。


 ふいに。


 リュウイィィィィィィィィンン!


 今までとは明らかに異質な、風鈴が鳴るような美しい鳴き声が響く。


 そして、次々と亀が消えていき、そして、砂漠が割れた。


 は?


 何かを思うより早く、俺とゆーきは砂漠に空いた穴に落ちた。


          ☆☆☆


「痛ぇ」

「一体何なんですの!?」


 落ちた先は四百メートルトラックと同じくらいの大きさの空洞。


 高さは十メートルくらいだろうか。


 ところどころに穴が空いた天井から、砂と光が落ちてきて、それが壁に生える色とりどりの水晶に反射して空洞内はかなり明るい。


 というか眩しい。


 眼を瞑ったり開いたりしていると、目が慣れてきて、よく見えるようになった。


 そして、ソレを見つけた。


 空洞の中央に鎮座しているのは茶色い蛇のようなドラゴン。


 手足と翼は無く、なのに何故か浮いている。


 いや、浮いてるんじゃないな、あれ。


 尻尾で体を支えて、胴から先をうかせているみたいだ。


 一番の特徴は、額から生えている、体を動かすたびに怪しく明滅するまるで角みたいなひときわ大きい虹色の宝石。


 そして、頭から背中、尻尾にかけて虹色の宝石がはえている。


 尻尾にも同色の宝石。


 縦長の瞳の色は銀。


 これに賛辞を送る為の言葉が見つからない。


 長所が無いのではない。


 美しすぎるのだ。


 どんな言葉で褒め称えても、この龍の前では足りない。


 ゆえに、言葉に言い表せない。


 俺は、炎龍のような力強さや、機械竜のようなスマートさも好きだが、こういう神秘的な格好良さも大好きです…っ!


幻影龍(ミラージュドラゴン)HP19000 MP∞ At4900 De2000 Sp2000

スキル  幻影《敵に幻影を見せ、撹乱する》

     現実化《自分が生み出した幻影を実体化させる》

     宝石弾(ジュエルバレット)《尖った宝石を敵に飛ばして攻撃》

     砂漠の薔薇(デザートローズ)《相手の足元に生える薔薇が敵を死へいざなう》

     砂漠大震撼《周囲の砂を振動させ熱エネルギーを発生、敵を焼く》

     砂漠割り《地面を割る攻撃》 

     土弾《土で出来た弾丸を敵に飛ばす事で、目潰し代わりに》

     土石龍《魔力で土を制御し擬似的に龍を生成する》


 属性は土。


 スキルが攻撃的な事で。


 でも、あれは敵。


 倒さなければならないため、いつまでも見とれているわけにはいかない。


 憑依したままだった機械竜の左腕を一度見やり、そして砂地の地面を強くけりだすと、跳躍!


 左翼の推進翼に空気を吐き出させ、ブースト!


 威力が格段に跳ね上がった左腕で幻影龍の額を打つ!


 幻影龍は地面に倒れ伏した!


 HPバーが三割ほど減少しているのを確認すると、そのまま俺は重力にひかれて地面に落ちる。


 下を見やると土で出来た薔薇が生えていて―――


 前になんかで見たんだが、本来、砂漠の薔薇とは鉱物で、主成分は石膏に似ているんだとか。鉱物としての硬度は2。


 それなら、と、風の刃を放つ。


 そして、ぶつかったそれらは弾けとんだ。


 ―――風刃のほうがな!


 ちょちょちょ@。:おpkrt34d:「」^¥!#$%$&>?


 落ちる俺は、水のネットに捕まえられた。


「もうっ、少しくらいは私のことを頼ってくれても良いんじゃないですの!?」

「おお、ゆーきか!? サンキューな!」

「と、当然の事ですのよ!」

「照れるな照れるな」

「て、照れてませんのよー!」


 大分、ゆーきとの息もあってきた気がするな。 


 水のネットからおろしてもらい、もう一度幻影龍と対峙。


 今度は、機械化を解き、

竜化《機械の姿を手放し、本来の竜の姿に戻る》

 を発動。


 機械だった腕と翼が生物的なフォルムにかわる。


 このフォルムのメリットは膨大な風を操れる事とスピードアップ!


 起き上がった幻影龍がすさまじい速度で放ってくる宝石弾を軽々と避ける事ができた。


 そのまま幻影龍の背後まで回りこみ、風刃で切りつける!


 しかしあまりダメージが通らない。


 竜化はスピード特化の為、攻撃力、防御力があまり無いのだ。


 やっぱりこっちの方が戦いやすいので、機械化。


 幻影龍が散弾銃のように放つ土弾を弾き飛ばしながら接近、跳躍。


 今度は上に跳び過ぎないように前に跳び、胴体を殴りつける。


 ドゴォン!


 空洞全体を震撼させ、俺の攻撃が幻影龍にヒット、また三割HPバーが減る。


 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ


 ふいに、空気が振動し始めた。


 それに、温度も上がってきた気がする。


 ジャバァン!


 しかし、ゆーきが放つ水の波で振動が止まり、熱の放出も止まった。


 そして、地面から湯気が上がる。


 ああ、砂漠大震撼かっ! 


 そういえば、そんな技も幻影龍は持っていたっけ。


 さて。


 リュウイィィィィィィィィンン!


 ふいに、幻影龍の額の宝石の明滅が激しくなり、一瞬めまいがする。


 視界が回復したときには、幻影龍が二体に増えていた……?


 幻影+現実化か!?


 だとしたら厄介な事になった。


 両方倒すの面倒くさい。


「ゆーき、あれ、片方倒してくるまで待ってて!」

「あ、じゃあ、私はこっちのHPを削ってますの!」


 大嵐《竜巻を起こし敵を吹き飛ばす》発動!


 大質量の気団が、地面と壁を削りながら一体の幻影龍に迫る!


          ☆☆☆


 結果。


 幻影龍を倒し、

虹の宝石《幻影龍の額に生えた宝石。マニアの間では高値で取引されるが、マニアじゃなくても美しい》伝説級宝No.10


 を入手。


 さてさて。


「これ、どうやって地上に戻ればいいんだ?」

「こっちに階段がありますけど、飛んだ方が確実に楽そうですの…」


 また、階段が長く長く続いていた。


『ねーねー、クロウ。ボクと契約しない? そしたら飛べるようになるよ?』


 後ろから、そんな声がかかった。


 できれば今日中にもう一話…。


 頑張ります。

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