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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
1stシナリオ~プロローグ~
16/63

武闘会開始。アサクラの店に行くと疲れるということを学びました!!

 思ったよりもあいてしまいました。


 次話もちょっと遅くなる予定。

 朝。

 姉ちゃんがまだ寝たままだったため、自分で朝食を作る。

 ついでに沙羅と姉ちゃんの分を作るのも忘れない。

 気分はまさに、出来る弟。


 朝からテンション高いな、俺!

 いつもの事だけども。


 さて、待ち合わせは12時に『レイオリア宿場町』の中央広場。

 現在時刻は七時三分。

 集合時間までちょっとダイブしておこうかな。


          ☆☆☆


 ダイブ完了。

 場所は『フリネジア』。

 アサクラが店を開いているそうなので、冷やかしに言ってみようかなー、と、そういうことだ。


「らっしゃーせー! ……おっと、君は、この前の、えーっと、確か、あーっと、うーん、えー、あー、うー、いー、おー、あー、いー、うー、えー、おー!」


 おー! で手を突き出す幼女(アサクラ)

 名前を思い出そうとしているんじゃなかったのか……。


「クロウだ。フレンド登録しただろうが」

「おー、おー、クロウ君か。よく来たねぇ。何? これとかどう? ねだんは六百万D」

「いらん」

「あはは、冷たいなー。もーちょっとあったかくせっしてくれないと、アサクラはすねちゃうぞー?」

「知らん」

「いやー、これがいまはやりの“ツンデレ”ってやつなのかな? だとしたら、クロウ君はアサクラにほれてるわけだ? 不束者ですがよろしくお願いします」

「いや、よろしくお願いせんでくれ。俺は客だから。プリーズ商売」

「えいご分かりません。なに? ぷりーず? どゆ意味?」

「~してくださいって意味だ」

「おー、そういえば、アサクラは商売人だったのです。きょうは何見に来たのー? 何欲しい?」

「適当に。何か良いものがあったら買わせて貰うよ」


 そうかいそうかい、と、頷きながら、アサクラは店の奥へ。


「こんなのはどうだい? にあうとおもうよー?」

「えーっと、何これ?」


 俺の目がおかしくないのならメイド服のように見える。

 他にも、チャイナ服、セーラー服、ナース服、新旧スクール水着、etc、etc。


「ここって、コスプレ専門店だったっけ?」

「ちがうよー、装備品屋ですよー」

「それにしても何で女物ばっかなの? 俺男だよ? いじめ?」

「いじめはいけないことなのですー。あ、クロウ君に女物ばっかわたしたのはー、男物よりもー、女物のほうがにあうとおもったからかなー? かおかわいいし、小柄だし」


 俺より小柄アバターのくせして何を言うか。

 というよりも、アサクラゆるい。喋り方が超ゆるい。

 なんか話してると癒される? 落ち着く? そんなかんじ。

 ……ロリコンではなくってよ? そうそう、俺は姉好き……いや、何か違ーな。


「じゃあさー、こんなのどうだい? MP+100」


 アサクラが手渡してきたのは、真っ白なパーカー。

 普通に量販店に行ったら売ってそうなデザイン……なのだが。女物のように見える。

 しかし、MP+100はかなり大きい。

 ……くッ! どうする? 買うか? 買わないか?


「ちなみにね? このパーカーの次はMP+4だね。アサクラは別にMPが必要じゃないので、こんなのばっかしですので」

「買った!」

「まいどあり!」


 もう、いいや。

 女物でも、MP+100は大きい。

 それに、俺のアバターは見ようによっては女だ。

 女物の服を来ていようが、変に思われはしないさ。


「ありがとうねー。ほかにも、こんなのどうだい? MP+100で、白のパーカ(男物)」

「男物あるのかよ! 次はMP+4じゃなかったのか!?」

「女物はねー」


 騙された……ッッ!!


 所持金的には、二つ買える。

 でも、二つ買えば、ちょっとお財布事情が危うくなる。

 だから。


「もう、勘弁してください」




頭部装備  魔術師の冠

胴部防具  白のパーカー

腕部防具  黒の腕輪     

脚部防具  無し

アクセサリ 邪神の魂


 アクセサリは、キリバ撃破ミッションの報酬。

 効果はMP消費量四分の一。

 さすが最強アクセサリだぜ…!

 

          ☆☆☆


「エントリー完了です。では、トーナメント表が出来次第メールでお知らせしますので、ご注意ください」


 午後十二時四五分。

 リラと聖夜と合流し、その後、王国に入国。

 王国の正式名称は『キリデスニトゥス王国』。王様が支配する大国。海と山に面し、豊かな農作物が国を潤している。また、王国のど真ん中を貫く川も、一見の価値あり!

 さっき国に入ったところにいたNPCの男性に聞いた。

 NPCと普通のプレイヤーのクオリテイが高すぎて、話してみるまで判別がつかないのはどうなんだろう。


「では、ルールの確認です。当“武闘会”では、予選では参加人数を四グループに分けサバイバル、その中の上位二名をトーナメント戦である決勝に進出とさせていただきます。優勝商品は、第一回を記念して、三万Dと、優勝者が持っていない伝説級宝レジェンダリィ・ウエポンの内、この世の絶対存在数に余裕があるものを、一つコチラがランダムに選び、商品とさせていただきます」


 絶対存在数とは、分かりやすく言えばこのゲーム内にアイテムが存在できる上限である。


「なお、この大会では、ゲームオーバーにおけるペナルティは適用されませんので、ご安心ください」


 この『Treasure online』でのゲームオーバーのペナルティは、モンスターのとどめを刺されて死んだ場合、

・所持金全額ロスト

・装備品全部消える

・アイテム全部無くす

 残るのはアバターと、初期装備の麻の服上下だけ。

 

 プレイヤーに止めを刺された場合、

・所持金全額その場に落とす

・装備品全部その場に落とす

・アイテム全部その場に落とす

 残る物は、モンスターに倒された時と同じ。


 なお、両方とも、装備、職業スキルなどの、レベルは下がらない(そもそも、スキルレベルを下げる方法は存在しない)。


 そして、全てを失ったプレイヤーは、始まりの間からやり直すことになる。

 これが、死んだプレイヤーが早く復活できる理由である。

 ちなみに、本人曰く、聖夜は俺に殺されていない為、アイテムを落とさなかった(倒したのは分身)。

 以上が、このゲームにおけるデスペナルティである。

 それがなくなるのだというのだ。まあ、しかるべき処置か。

 このデスペナが適用されたら参加者がいなくなる。


「それでは、午後二時までに会場にお集まりください」


          ☆☆☆ 

 

「それでは! 只今より、第一回武闘会を始めます! 参加者の皆様は、お手元の組み合わせ表をご覧下さい」


 手元に、光が収束するエフェクトと共に、紙のようなもの――組み合わせ表――が現れる。

 俺は一組で、リラは二組。聖夜は参加しない。


「それでは早速第一戦を始めます! 一組の方は、フィールドに自動的に転送されますので、足元にご注意ください。なお、フィールドはランダムになります!」


 俺は一組なので、早速転送された。

 ログインするときと同じような一瞬の浮遊感。


          ☆☆☆


 着地、と。

 辺りを素早く見回し、フィールドを確認する。

 フィールドは、どうやら、森のようだ。

 フィールド全体に司会者兼実況の、声が響く。


「それでは、ただいまより、全ての組の予選を始めます。あ、申し送れましたが、司会は、私、ケインと、解説には、トッププレイヤー、最高速のロリコン、聖夜様でお送りします!」

「よろしくお願いします」

「なお、スタートの合図の後は、参加者には私たちの声は届きません、ご了承ください。最後に、ルールの確認をしたいと思います。と言っても、ルールは、いたって簡単(シンプル)、フィールドにいる他のプレイヤーを倒し、最後の二人になるまで戦えばいいのです。準備は良いですね?……では。3! 2! 1! 


 ゲーム、スタート!」


 昨日のケインさんの含み笑いはこういう意味だろうか。

 聖夜が解説をしているのにはもはや突っ込むまい。


          ☆☆☆


 ゲーム開始と同時に、視界の右端辺りに、18/18と表示される。

 恐らく、参加者の数と残り人数だろう。

 そして、フィールドマップも表示される。

 ……結構狭いな。

 狭いと言っても、広くは無い、と言うだけだ。けっして歩けばすぐ敵に当たるような距離ではないと言え、やはり狭く感じる。

 普通のフィールドとは違い、ここがバトル専用、戦闘用フィールドだからだろう。

 

 モンスターをゾンビ状態にして顕現。

 俺を中心にして、砦を作成。

 そして、自分に主様を憑依させる。


「……………カッ!」


 主様固有のスキル、地震を発動。

 しかし、残り人数は微動だにしない。

 二度、三度と繰り返し発動するも、変化しない。

 さすがは、ここまで辿り着いているだけあるってことか。

 皆バカみたいに強いに違いない。

 と。ゾンビの索敵網に誰かが引っかかったのを確認。

 そして、残り人数が17に減る。

 やはり、地震が効いていたのだろう。

 そして、残り人数が更に減る。

 目に見えて減って行く。

 やっと、近距離にしか攻撃手段を持たないプレイヤーが交戦しはじめたのだろうか。

 そして、あっという間に残り人数は五人に。


 ガサッ!


 身を潜めていた茂みの、背後から誰かが接近する気配を感じる。

 クソッ、全然気付かなかった。

 慌てて、飛びのき、物音から距離を取り、対峙。

 そして、一瞬前まで俺がいた所を、一対の斬撃が通り抜け、片方は焦げ、もう片方の斬撃が通り過ぎた後は、凍りついた。


「ゴンドーか!?」

「ややっ!? その声は、クロウか? なんだ、ならば、我と共闘しようぞ。今残っておるのは、間違いなく強者だ」


 共闘を断るメリットは無い。

 なので、パーティ登録。

 これでお互いにダメージが通らないので、同盟としては成立していると言える。


 今まで四人倒さなければいけなかったのが、三人に減る。

 いや、また一人減ったから残りは二人だ。

 ゾンビを全体結集。

 顕現状態で俺を中心に密集陣形を組む。

 森を抜け、広場に出る。そこに、残りのプレイヤーがいるのは分かっていたのだ。

 さっきから、誘っているかのように、ずっと花火を打ち上げている。

 罠? 何それ美味しいの?

 という思考回路をしている俺とゴンドーは、何のためらいも無く、しかし、戦闘前の若干の緊張を伴って広場に出る。

 果たしてそこにいたのは、二人組みのプレイヤー達だった。

 恐らく、向こうも共闘しているのだろう。

 それなら話は早い。

 両方倒せばいい。

 こっちにはゴンドーもいる。

 怖いものは、無い!

 感想、誤字脱字、欠点、変な言い回し等、ありましたら書き込んでください。


 よろしくお願いします。

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