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死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
1stシナリオ~プロローグ~
11/63

緊急依頼。チートプレイヤーってさ、何が楽しいんだろうね!?

 初のクエストらしきクエストです。

「そういえば、自分に次ぐ二人目のプレイヤーが現れたらしい。おかしなことに」


 『フリネジア』で、武具を購入し、無くなったポーション類を買い、一息ついた時に聖夜が言った。


「なんで、それがおかしなことなんですか?」

「だって、自分はまだNO1の伝説級宝レジェンダリィ・ウェポンを持っている。NO1はこの世界に一つしか存在してはならないんだ」

「そうか、だから聖夜を倒していないにもかかわらずクリアするプレイヤーがいるのはおかしいんだな」

「チートですね?」

「恐らくそうだろう。我々真のプレイヤーは、チートプレイヤーを探し出して―――」


 ―――――殺さなければならない


 そういった。

 俺としても、全く意義は無いので、同意。


 ピコン


 と、メールを受信する。


 差出人:Treasure online運営

 件名:緊急ミッションのお知らせ

 本文:このゲームを、データを不正に改造してクリアした『キリバ』というプレイヤーを、探し出してこのメールに同封されている『封印石』というアイテムを使ってこのゲームから追い出してください。この『封印石』は使用したプレイヤーのアカウントを永久に停止するものです。一般のプレイヤーには使えないようになっていますので、ご安心ください。なお、各ジョブ最強アクセサリを成功報酬とします。パーティで倒した場合、洩れなく全員にはらいますので、仲間割れ等起こさないようにお願いします。

 最後に、注意ですが、『キリバ』は全ジョブを好きなように扱える全職業(マルチジョブ)プレイヤーです。他にも、判明していない何かを使ってくる可能性があります。実力の無いプレイヤーは、逆に倒されないように注意してください。

 PS、何故運営側で強制排除しないのかって? 面白いからだよ。皆で協力して、必ず『キリバ』を追い出してくれ。


 


 とりあえず、聖夜は殴った。

 難儀な親の責任は子の責任でもあるだろう。


「そうだ、『キリバ』を狩ろう」

「そんな簡単に言われましても……。もちろん狩りますが」

「『キリバ』狩りじゃァァァァァァア!!!!」


 あちこちから、同じような声が聞こえる。

 みな、志を同じくしたゲーマーなのだ。

 なんというかこう、普段敵である人と同じ目標に向かえるときは、胸にグッと来るモノがある。

 ああ、ゲームって素晴らしい。


「ああ、『最高速のロリコン』聖夜さまがいらっしゃるぞ!」


          ☆☆☆


「只今より、『キリバ』討伐作戦を実施する」


 『フリネジア』で、とあるプレイヤーホームを間借りし、キリバ討伐軍は結成された。

 俺とリラは、聖夜の友人と言うことで、俺が作戦参謀、リラが将軍、そして、聖夜が総司令官になった。

 俺が聖夜の下と言うのが気に食わないが、聖夜が強いのは事実なので、仕方の無い事である。


「作戦を説明する前に、まず千里眼を使えるプレイヤーはこの中にいるか?」


 聖夜が言う作戦は、聖夜捻出、聖夜発案なので、作戦参謀の俺、はっきりいっていらない子。

 余談だが、このプレイヤーホームはかなり広い。ざっと見た感じ50人ほどがここにいるが、全然狭く感じない。

 誰も手を挙げないのを見て、聖夜が首を振り、口を開く。


「では、自分が使う事にしよう」


 ……何でもアリだな、聖夜。ああ、どんどん聖夜が無敵になっていく…。

 特殊スキル千里眼とは、自分がいる町の外に視たい対象がいる場合、居場所が明確に分かる。ただ、欠点は、いくつかあり、移動中には使えないのと、自分の近くは視ることができない(これが自分がいる町の外に視たい対象がいる場合、と言った理由である)。

 また、使用中は少し無防備になる為、町でしか使えない。

 フィールドで使えば、モンスターからの袋叩きに会う。

 ……聖夜なら全然大丈夫なんだろうなー。

 それと、『キリバ』は、運営側が設定をいじり、自分の意思でログアウトすることが出来ないので、絶対にこのゲーム内にいる。


「さて、ひとまず千里眼は置いておくとして、だ。誰か、この街にプレイヤー出入り禁止の結界を張れるものはいるか?」


 一人、手が上がる。


「ほう、君は?」

「私はシャルロッテ。ジョブは巫女。基本回復系能力ばっかりだが、邪を払う延長線上で、結界も使える。結界をどうするんだ?」


 巫女なんて職業、初期目録にあっただろうか。上級職か?

 挙手した女は、見た目、小学生の、巫女服の少女(っぽいアバター。実年齢はこのプレイヤーだけって訳じゃないが、分からない。リラかって本当は80歳かも知れないのだ)だった。

 ……聖夜が変なコトしなければいいなー。

 と、精々他人事ぐらいのレベルで、心配していたが、聖夜は一瞥しただけで、妙なアクションは起こさなかった。

 流石の聖夜も、この非常事態(?)に、変なことをする気は無いのだろう。


「それでは、作戦を説明しようか――――


 ――――まず、自分がここで千里眼を使う。もしこの町の外の、フィールドにいれば、自分がここにいる全員を転移(テレポート)させる。後は自由に狩ってくれ。その場合は、シャルロッテ、君の出番は無い。――――


 ――――次に、この町以外の別のフィールドにいた場合、自分は先にシャルロッテと先行し、その街に結界をかける。後はその町がフィールドのリアルな鬼ごっこ開始だ。――――


 ――――また、どこにも反応が無い場合、『キリバ』はこの町にいる。そのときも、先と同じように、リアルな鬼ごっこだ。――――


「特殊スキル『千里眼』発動!」


 両手を軽く広げ、眼を瞑る聖夜が淡く光り、その足元に同色の魔方陣が現れる。

 そして、眼を開いた。

 速いな。無茶苦茶速い。

 この世界そのものを走査するのだから、時間がかかって当然なのだ。

 にもかかわらず、速い。

 無茶苦茶、速い。

 本当に強さの底が見えないお人である。


「『キリバ』は、この街にいる。シャルロッテ、結界を張れ」

「破邪系能力(アビリティ)『結界』発動!」


 シャルロッテを始点に、光の波のようなものが一瞬通り過ぎた。

 アレが結界か。


「ふむ、では、自分が無防備なシャルロッテを見……『キリバ』から守ろう。万が一『キリバ』が結界をとく為にシャルロッテをPKしに来たら困る。『キリバ』はこの街にいる。さぁ、プレイヤー諸君! 『キリバ』を、探して倒せ、サーチ、アーンド、デーストローイ!」


 シャルロッテを見……なんだろうか。

 見つめる? 見守る?

 ああ、見守るかもしれない。

 ていうか、シャルロッテはジョブ最高アクセサリは欲しくないのだろうか。

 職業も上級職っぽいし、もう持っているのかもしれない。

 俺? 凄く欲しい。

 五万円と同じくらい欲しい。

 いやー、貧乏学生なんでさァ。

 バイトするのは姉ちゃんが許してくんねーし。

 まあ、そんなことより、リラと共に、建物から出る。

 パーティ全員に報酬はあるようだから、別にリラはライバルでもなんでもないので、もちろん共闘。

 聖夜も不本意ながらパーティなので、成功報酬は行くだろう。

 俺は、リラと虱潰しに建物を回る。

 このゲームでは、プレイヤーカードを交換している者のネームしか表示されないのだ。

 例えば、今出てきた建物を見れば、聖夜の文字は見て取れるが、シャルロッテの文字は見て取れない。

 ……もし聖夜に変なことをされたときのために、プレイヤーカードを交換しておくべきだっただろうか。

 まあ、もういちど戻るのもリラに悪いので、おとなしく『キリバ』を探す事にし、町を特に当てもなく徘徊。

 うろうろしてて『キリバ』が見つかれば良いが、そんな事はないだろう。

 でも、この町は広いようでいて、結構狭い。

 結界も張ってあるから『キリバ』は出られない。

 ならば、怪しい奴がいれば片っ端から狩っていけば、そのうち『キリバ』に当たるだろ。

 と、他のプレイヤーも同じ事を考えているらしく、街がどんどんデモ運動みたいになっていく。

 巻き込まれたくないなー、とか、脳の片隅で考えていたら、妙案を思いついた。

 ゾンビを顕現させて街を走査させればいいのだ。

 感想、誤字脱字、欠点、変な言い回し等ございましたら、書き込んでください。


 お願いします。


 次会投稿予定は未定ですが、一週間以内にはあげたいと思います。

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