沈没船及び湿地にて。虫!気持ち悪いよ!!
何とか今日中に書けたので投稿。
次は『星に願いをとか言うけれど願い事は慎重に』4を書く予定です。
よければコチラもどうぞ!
川を渡りきった。
それにしても、この川でかすぎるだろ。
こっちの岸から向こう岸が見えない。
とりあえず、聖夜がいたから殴っておいた。
☆☆☆
中に入り、水の中を泳いでいると、人型の魚みたいなのが出てきた。
魚人 HP68 MP29 At39 De2 Sp93
スキル 銛LV1
「…………カッ!」
主様固有スキルである地震を発動。フィッシャーマンを倒した。
即ゾンビ化させ霊魂モードで待機させる。
朽ちてボロボロになった通路を進む。
すると、魚人がわらわら出てきた。
……Oh、フィッシャーメン!
地震で蹴散らしつつ進む。
あ、銛ドロップしてる。
拾って、進む。
もちろんゾンビが増えた。
しばらく魚人を蹴散らしつつ進むと、財宝庫みたいなのを見つけた。
……金銀小判がザックザク!?
勢い込んでドアを開けると、中には、MPポーションが大量にあった。
MPポーション20個ゲット!
やったね!
でも、MPポーション以外の宝はなかった。
か、に見えた。
船長室に辿り着いた時だ。
宝箱が船長椅子の横に二つあるのを発見した。
開けようと泳いで近づくと、入って来たドアが独りでに閉まる。
……まずい、モンスターハウスか!?
亡霊 HP1 MP1 At100 De0 Sp1
スキル 霊体《物理ダメージ無効》
×20体ほど。
……チッ。俺の攻撃手段は物理攻撃しかない。
というか、物理攻撃手段のメイスすらおいてきてしまった。
どうする、俺?
あ、俺馬鹿だった。
「……………カッ!」
地震発動。亡霊を全滅させる。
混乱するあまり、自分に主様を憑依させたままであったのを忘れていた。
宝箱が自動的に開く。
中身は、3千Dと、後々まで俺が愛用する事になる魔道書『死霊使いに送る絶対に知っておきたい魔法大全』だった。
ああ、亡霊どもは勝手に霊魂になって俺の支配下におさまった。
ふと時計を見ると、集合時間の五分前だった。
☆☆☆
「さて、先に進もうか」
俺が殴ったものの、てんでダメージを受けていない聖夜が言う。
「この先には、何があるんだ?」
「見た感じは…沼地…ですかね?」
「そうだ。ここは『カバク湿地』といい、足場が悪く高速戦闘がしにくいが、モンスターは全て何かしらの高速移動手段を持つ、知らずに迷い込むと厄介なフィールドだ。気をつけていけ」
言っているそばから、湿地の地面が盛り上がり、中から触手爆誕。
気持ち悪い!
ワーム HP5 MP5 At30 De30 Sp200
Sp値がかなり高い。
Sp値が遅い俺じゃ倒せないかなーとか思っていたら、リラが切り捨てた。
あ。ゾンビ化できないじゃん。
「すいません、あまりに気持ち悪かったのでつい反射的に体が動きました」
リラの目に光がない。台詞棒読み。
でも、ちゃんと受け答えは出来るからまあ大丈夫だろう。
ワームが再出現したので、黒の斜線で倒し、ゾンビ化。
すると今度は、幽霊みたいなのが現れた。
ゴースト HP1 MP∞ At10 De5 Sp30
スキル 霊体《物理攻撃無効》
さて。
また物理攻撃無効モンスターが出たか。
黒の斜線は一応物理攻撃なため、こいつには効かない。
なので。
「変換系能力《アビリティ》『霊剣』 発動!」
この能力は、霊魂状態であるゾンビを硬質化させ、武具の形にするスキルだ。この能力で出来た武具は装備品として扱われない為、『死霊使いに送るこれだけは知っておきたい魔法大全』を装備していても、使用できる。
というかむしろ、この能力は指輪と操魂スキルの合わせ技なのだ。
「剣? 本当お前は魔法職の癖に肉弾戦が好きだなー!」
遠くにいる聖夜が叫んでくるが、無視する。
翼広げて宙に浮いているけど、無視する。
……やっぱり飛べたのか! 聖夜、恐ろしい子!
とかボケっとしてたら左肩に衝撃。
ダメージを受けた。
視界が赤く染まる。
ヤバイな、のこりHPが3しかない。
次喰らったら死ぬ。
このゲームではモンスターに倒されると所持金全部なくなるのと、装備品全部破壊されて無くなる(聖夜談)。
それは困る。非常に困る。
『死霊使い(以下略)』がなくなると困る。
困るからゴーストを『霊剣』で切り捨てる。
この霊剣は「亡霊」のゾンビで作ったものなので、霊体にもダメージは通るのだ。
MPの心配? MPポーション庫(聖夜)があるし、沈没船で見つけたMPポーションも少し残っている。
ただ心配なのは、MPポーション飲みすぎてログアウトした時に微妙な満腹感があるんだよな。
……どうしよう。姉ちゃんに怒られる。
姉ちゃんと所持金&装備全部無くすのがどっちが怖いか。
結論、どっちも怖い。
はっきり言って姉ちゃんの方が原子爆弾持たされた自殺志願者より怖い。
逆らったら……大変な事になる。
晩御飯をちゃんと食べるためにMPポーション飲むのできるだけ控えよう、と心に決め、先に進む。
もちろん「霊剣」は出しっぱなし。
消すのはいいけど、出す時にはMPを消費する。
美しい装飾がついた剣は、持ち歩くには邪魔だが、MPポーションを消費しない為にはこれを持ち歩くしかない。
リラも聖夜も予備の剣帯は持っていないそうなので、抜き身で持ち歩く。
ひょっとしなくても、俺は今はたから見れば変質者なのだろうか。
ああ、そうだ。さっきから言ってる姉ちゃんだけど、名前は明野楓、俺の実姉だ。性格についてはまあ、実物を見れば一発で分かるが説明はしたくない、そんな感じ。容姿は抜群。身内びいきって訳じゃないけど、俺は姉ちゃんより美人な女性を見たことは無い。
…いや、待てよ? この前外国から帰ってきたとか言うお隣さんもかなりの美人さんだったぞ?姉ちゃんとタメをはれるくらいに。
まあ俺の姉ちゃんとお隣さんの見た目はさて置き。
霊剣でゴーストをさくさくと刈りながら進む。
ワームが出てきた時は黒の斜線で倒す。
それを繰り返していると、ついに湿地の出口に来た。
……やっと出れる!
いい加減、ワームはもう見たくなかった。
リラは顔に一切の表情が浮かんでいない。大丈夫だろうか。
しかし、次のフィールドに入った時にリラの表情がパッと輝いた。大丈夫だな。
湿地を抜けたその先。
そこには、この前サーラと行って門前払いを喰らった王国入り口の騎士が言っていた、王国軍騎士隊長ケイン様がいらっしゃる商業都市『フリネジア』だった。
この都市は、三方が海と隣接し、一方が湿地という、船での交易が盛んな街で、港を中心にレンガ造りの建物がたくさん建っている。
ざっと見、東京ドーム三個分くらいはありそうだ。
街の高低は、湿地側が一番高く、少しずつ海に近づくにつれ低くなっていく。
湿地からの入り口から続く、レンガ造りの長い下り坂を、俺達は下る。
上から見ると結構その坂は長く、緩やかに傾斜していて、歩きやすい。
なので、俺はこの町で何をするべきか思考する事ができた。
……さしあたっては、武具の購入とポーションの補充かなー?
感想、誤字脱字、欠点、変な言い回し等ありましたら書き込んでください。
よろしくお願いします。
4/30:姉ちゃんの説明、少しかえました。




