表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死体が無いなら作ればいいじゃない♪  作者: たしぎ はく
1stシナリオ~プロローグ~
1/63

素敵過ぎるぜお爺様。あ、いや別に変な意味とかじゃなく!!

 初投稿です。拙い文章ですが、面白い、とそう思ってもらえたら嬉しいです。


 なんせ、自作小説なんて、あまり人に見せる機会ないですからね。


 感想、誤字、文法の誤り等あったら教えて下さい。


 お願いします。

   『Treasure online』

 

 今世紀最高峰といわれるVRMMO、いわゆるフルダイブ形式のゲームである。

 

 ジャンルはファンタジー。内容は、ま、ダイブしてからおいおい話すってことで一つ。

 

 今日が発売日で三日前から並んでやっと手に入れたんだ。本当はこうしている間も惜しい。

 

 自室のベッドに横になり、ヘッドギア型のゲーム機を装着。右の耳の少し上の方にあるスイッチをオンにし、一瞬目の前が真っ暗になり、そして、俺、明野黒羽(あけのくろば)は、『Treasure online』にログインした。


          ☆☆☆


 というわけで、やってきました。仮想空間。その名も《レストモワーレ》。意味は知らん。運営側に聞け。

 

 最初に出たのは、三方を木に囲まれ、一方は他のフィールドにつながるであろう学校の校庭くらいの大きさの空間。

 

 このゲーム、初期設定でユーザーが決められるのはどうやら名前と年齢だけのようで、今はジョブ、スキル、アイテム無しだ。

 


 さて、俺の名前はと言うと《クロウ》にしておいた。…厨二病とかいった奴出て来い。若干俺も分かってんだからさ、わざわざ口に出して言う必要は無いと思うんだ。本当やめて、死ぬ! 俺が恥ずかしさで。良いんだよ、どうせリアルの知り合いにばれる訳でもないし、顔も変わってる。分かるはずが無い。

 

 ちなみに、その顔はと言うとだがアバター(プレイヤーが動かすキャラクターの事)は何億通りとある中から、完全にランダムに選ばれるようなのだが、俺は見た目とかはっきり言って気にしない、ざっくり言えばどうでもいいのでわざわざ確認しない。

 

 初期装備は麻っぽい素材の半袖シャツに半ズボン。辺りを見回すと他のプレイヤーも皆この格好なのでシュールである。こういう風習の村とかありそうでこえーな。

 

 現実(リアル)なら不審者として通報されそうなくらいキョロキョロと辺りを見回すこともなく、一発でNPCノンプレイヤーキャラクター(プログラムで動くゲームの中の住人)は見つかった。

 

 話を聞かない事には、この同じ服装の人間がうようよいる謎の空間(地図を見ると始まりの間となっている)から出られないので、さっそく、そのローブを着たお爺さんであるNPCに話しかけた。


 

 その前に、先ほど面倒くさがって先延ばしにしていたこのゲームの概要を説明したいと思う。

 

 このゲーム『Treasure online』では、たくさんのジョブの中から一つを選び、その職業(ジョブ)(ゲーム内における自分の職業。職業によって個性が色々あって、その個性は良いものもあれば悪いものも…)で覚えられるスキル(このゲームでは技を出す為のもとみたいなもの)及びそのジョブで装備できる武具スキルのレベルを上げることで自分を強化する。

 

 プレイヤーのレベルアップは無し。完全にスキル任せだ。

 

 でも、HP(体力の事)+10とかの補正スキルも一定条件を満たすと手に入るらしいので、問題なし。

 

 で、プレイヤーの目的は、この世界にほぼ無限に眠る秘宝(トレジャー)を探し、そして手に入れることである。

 

 そして、このゲームの最大目標は百一種類ある伝説級宝レジェンダリィ・トレジャーのフルコンプである。これをクリアするのは相当難しいらしく、ある物は無限ダンジョン最奥(999階)ボスモンスターからドロップ(アイテムを落とすこと)したり、発生させる事の難易度が高すぎるクエスト(ゲームにおける事件の事)の報酬だったり、世界の端っこにある秘境に封印されていたりする。

 

 で、ここからが本題である。伝説級宝はこの世界に存在できる上限が決まっていて、Aと言う伝説級宝の存在上限が10だったとすると、この世界にはAは10しか存在しない。

 

 AはBと言うモンスターからドロップするとするだろ。すると、10人のプレイヤーが一つずつ持ってたらこの世界に10存在するわけだからいくらBを倒そうが手に入るのは経験値とお金(レストモワーレでの通貨は『D』。デオの略らしい。例によってデオの意味は知らん。俺に聞く前にまずググれ)をドロップするだけで、Aは絶対にドロップしない。なにがあっても絶対。それでもしドロップしたならそれは多分チートかバグ。前者は死ねばいいし、後者は修理に出した方がいいと思います。

 

 それじゃあ一部の有力プレイヤーに独占されてしまうじゃないか?

 

 そう、そこだよワトソン君。……あ、いや、君だから。後ろとか見るなよ、誰もいないって。言ってる俺も恥ずかしいんだから。

 

 コホン。

 

 Q:10しかないAを10人のプレイヤーが所持しています。Aを手っ取り早く手に入れるならどうしたらいいですか?

 

 A:それは簡単なことです。Aを所持しているプレイヤーを()って奪ってしまいましょう。なにせあなたはトレジャーハンターなのだから。

 

 と言うことで、このゲームではPK(プレイヤーが他プレイヤーを殺す事)が認められている。

 

 …というかむしろ、ゲームのルールを見る限り、推奨されているとさえいえる。

 

 でも、逆に言うと伝説級宝を手に入れられるということは、それだけの実力があるということであり、更に言うと伝説級宝はそれ自体が馬鹿げたパラメータ(ゲーム内の自分の能力値を数値化したもの)の装備アイテムだったりするので、PKはかなり難しい。つまり、出遅れるとヤバイ!

 

 出・遅・れ・る・と・Y・A・B・A・I! この言葉が脳内をぐるぐると回り続けている。





 俺がぼさっとしているうちに、もう始まりの間にいるプレイヤーは俺だけになっていた。


 ……つまるところ、出遅れた。


 これは、なんというかまあ、あれか。遺憾な事故ってやつかな。


 そして出遅れる事のヤバさを語っていて一番出遅れた俺のことを笑うのは止めておくれ。こう見えてメ

ンタルは弱いんです。必殺技の名前とか叫ぶの実は今でもチョー恥ずかしいんです。……でも、恥ずかしがってるのがばれるのがもっと恥ずかしいから必死に恥ずかしがってないフリしてんだよ! 誰もそんな俺を攻める事はできないハズさ。


 …っと。こんなところで遠い目をしている余裕は無いんだった。


「おぬしも、トレジャーハンターになるのじゃな? この道は厳しく辛い。もしかしたら、命を落とすかもしれん。でも、止める気は無いのじゃろう?」


 視界の右端にY/N(Yes or No)と表示される。


 もちろんイエスだ。そう答える。


「やはりか。うむ。おぬしは良い目をしておる。特別に、おぬしに職業(ジョブ)をやろう。この中から選べ」


 ほれ、と、お爺さんは手にしていた杖を振る。


 ボワン、という音と、白煙と共に出現したのは一枚の紙。


 受け取ると視界の右端にジョブの目録が表示される。目録の右上に表示される1/255っていう数字は今見てるページ/ジョブ総数だろう。


 この数はさすがに多すぎるだろう、と思いつつも、とりあえず全部に目を通す。


 ……ほっとけよ、スピード攻略は諦めたんだよ。


 ふむふむ。騎士(ナイト)暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)魔道師(ウィザード)。オーソドックスなものから、鍛冶屋、薬剤師などの生産職(アイテムや装備品などを作ったりするプレイヤー)がならぶ。

 

 変なのでは路上生活者(街にいるとNPCがアイテムや金をくれる)に自由人(ほぼ全てのスキルが使える。ただし一日一種類、しかもどのスキルが使えるかは完全にランダム)、果てはロリコン(14歳より下の女性プレイヤーが自分のパーティにいるとき、全パラメータ二倍)なんてのが存在した時点でこの目録見るだけでも楽しくなってる俺がいた。


 で、一通り目録を読み終え、俺が選んだ職業(ジョブ)。それは、


死霊使い(ネクロマンサー)でお願いします」


「ほう、ネクロマンサーとな。うむ、おぬしにぴったりそうじゃな。よしよし、ちぃっと腕出してみろ」


 俺は、何も考えずに右腕を出した。


 お爺さんはそこに魔法で取りだした筆っぽい棒で、俺の腕になにやら描き始めた。


 この紋様、職業紋様(ジョブマーク)と言って、これを見れば一発で職業が分かるんだそうだ。


 便利だけど、これは隠さないといけないな。下手に職業割れて対策立てられても困るし。


 俺がどうやって職業紋様を隠すか検討していると、(ちなみに、普通に防具で隠せばいいじゃない、と

言うことで結論とする)お爺さんの作業は終わった。


 しっかし、なんで魔法使えるっぽいこのお爺さんがわざわざ手書きしたのかはわからない。その方が魔力が込めやすいのかもしれないし、……運営側が馬鹿なのかもしれない。


 閑話休題。


 俺の右手に施された死霊使いの職業紋様は、一言で言えば禍々しかった。それも、これだけで何かの魔方陣みたいにも見える。そして、血の様な紅い燐光を放っている。


 …べ、別に格好いいとか思ってないんだからね!


 ハイ、スンマセン、見とれてました。


 厨二病とか言ったやつ、覚えとけよ。いつか寝込みにゾンビ軍団けしかけて寝起きドッキリしてやるから。


 ……スケール小さくてすいません。でも、これが限界なんです察して!


 いつの間にか筆をしまったお爺さんが、黒いローブを出して手渡してくる。


「これは黒いローブ。おぬしにやろう。なぁに、遠慮はいらん。わしからの餞別じゃよ」

 

 お爺さん優しすぎる。どれくらいかっていうと、これは黒いローブの“ロ”位の時点で遠慮なく受け取ったローブをもう一度返却し、最後まで聞いてから勇者が姫から国に伝わる伝説の剣を受け取るときの動作と気持ちで受け取りなおしたくらいだ。

 

 何やってんだ、と思ったみんな。俺もだ。

 

 だってログインしてからもう二時間は経ってる。

 

 もう早いプレイヤーはそろそろ最初のボスを倒している頃じゃないか?


 お爺さんとお別れし、始まりの間、出口に立つ。


 どうやら、次は森エリアらしいな。


 ちなみに、お爺さん、いや、お爺様から頂いたローブはもちろん着用している。


 効果はMP+3。初期装備の上に羽織っているだけである。初期装備は特殊効果はもちろん防御力すら

ないので、脱いでもいいのだが、……さすがにローブの下マッパとかは無いよ、うん。


 さて、と。俺は大きく一つ深呼吸し、次のエリアに一歩を踏み出した。

 


 読みにくいとの指摘をいただき、書き直しました(5/16)。


 これから二話、三話、と徐々に直していきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ