第2話
伝説の白いソウルの名前はアトランティスと言った。
アトランティスはムウ博士がとっても小さな女の子のときに死んでしまったムウ博士のお友達の動物の名前だった。
ムウ博士はアトランティスのことを『もう一度この世界に生き返られるために』ソウルの研究を始めたのだった。
「世界中には洪水の伝説があって、街が海の中に沈んでしまったり、島や、大陸や、あるいは世界そのものが、海の中に沈まんでしまうお話があります。そんな大洪水が古代の時代に本当にあったと思いますか?」
くるりと椅子を回転させて、アトランティスを見てムウ博士は言った。
ムウ博士の大きな眼鏡はハートの形をしていた。(小さなムウ博士の顔の半分くらいを隠していた)
「こっちにきて。アトランティス」
ムウ博士が優しい顔で笑いながらそう言うと、とっても不思議なことが起こった。
アトランティスのいるところが青白い丸い小さな泡のような光に包まれたかと思うと、その光がぽんと弾けて、なくなって、アトランティスの姿が消えてしまった。(本当に光の泡が弾けたみたいにして、水滴のような光が小さく飛び散って消えた)
それと『まったく同時』にムウ博士の膝の上に同じような青白い丸い小さな泡のような光があらわれて、ぽんと光の泡が弾けるとそこにはいつのまにかアトランティスがいた。
それは『テレポーテーション』だった。
伝説のソウルであるアトランティスには『超能力』の力があった。(それも、とても、とても強い力だった。決して『表の世界』には公表することができないくらいに)
普通のソウルにはこんな不思議な力はない。
アトランティスだけにあるとても不思議な力だった。(なぜアトランティスにこんな不思議な力があるのか、それはムウ博士にもよくわかっていなかった。つまり『今も研究中』なのだ)
『そんなことはないと思うよ。きっとなにかの自然な現象のことを神様のせいにしただけだと思うな。それともムウはぼくの名前のことで、ぼくのことをからかっているの?』
ムウ博士の心の中にそんな不思議な声が突然聞こえた。とっても可愛らしくて少しだけ生意気な男の子の声だった。
それはソウルであるアトランティスの声だった。
アトランティスが『テレパシー』の力を使ってムウ博士に話しかけているのだ。(アトランティスはムウ博士の実験室の中で生まれたときから、『まだ体も完成していない』ときから、こんなふうにムウ博士とテレパシーの力を使ってお話をすることができた。ムウ博士はその不思議な男の子の声が最初、ずっとお話がしたいって思っていたアトランティスの声だとわからなかったから、きっとこの声は『幽霊の声』だと思っていた)




