エピソード03
首無太郎です。手に取ってくれてありがとう。
正体不明の敵を探し出し、兄弟を見つけ出すためマドレーと男は共闘する。
敵の見分け方をマドレーに教え、その尽くを殲滅して回った。
???「あぁ、兄さん。愛しの兄さん。もうすぐ会えるね。」
無邪気な子どものような音声が不気味にこだまする。
あれから男はマドレーに様々な物資をギフトしていた。
食はもちろんのこと、衣服を送ることもあった。
「悪ぃな。色々と貰っちまって。助かったぜ。」
マドレーは感謝を述べる。
男の調べでマドレーの弟が居ると思われる場所の検討は付いていた。
しかしどうも様子がおかしい。建物の中に生体反応が存在しないのだ。
マドレーは男に問いかける。
「リスナー!本当にここかよ...。キカイ共がうじゃうじゃいるぞ。」
男は淡々と答える。
「そこで間違いないんだが、建物の中に弟さんがいるかどうかがわからない。行ってみるしか無いな。」
マドレーは男にギフトされた鈍器で武装し建物へと侵入する。
入って早々にキカイ達に見つかるが、出会い頭に一撃をかましながら男に問いかける。
「とりあえずムシ付きだけ片付けりゃ良いんだよなぁ!?」
男は返答する。
「そうだ。私は建物内を探索してみよう。」
マドレーがキカイ達との戦いを繰り広げている中、男は異様なキカイを発見する。
「何だあのキカイは...、大きすぎる...!」
ムシが首に付いたキカイの群れの奥には全長20m程の巨大なキカイが配線に塗れて鎮座していた。
そこからムシが湧き出ているのが目に入る。
男はマドレーを呼ぶ。
「マドレー!ムシの出どころを確認した!奥の巨大なキカイだ!」
丁度キカイ達を殲滅したマドレーが答える。
「りょーかい!今向かう!」
マドレーが巨大なキカイの前に立つ。
途端に巨大な液晶を模したキカイの頭部が発光する。
???「やぁ兄さん。会いたかったよ。」
マドレーが取り乱したように問う。
「その声...アルフなのか...?」
マドレーの弟の名はアルフというらしい。
弟!?キカイになっていたのか!
アルフ「兄さん、いつも僕を甘やかしてくれたよね。」
アルフは不気味に問いかける。
「兄さんの遺伝子は特別性なんだ。僕、今度はそれがほしいなぁ。だからさ兄さん...、僕のために死んでくれないかな。」
マドレーは何かを感じ取ったかのように叫ぶ。
「こいつはアルフじゃねぇ。アルフを気取った別のやつだ!」
男は悟ったように自問自答する。
「意識のコピー体か...?いや、今はこれをどうにかする方が先決だ!マドレー!」
マドレーは阿吽の呼吸で反応する。
「わかってる!このクソキカイをぶち壊すぞ!支援頼む!」
目前の巨大なキカイを倒すため、二人は奔走する。
例え残酷な結末が待っていたとしても彼らは歩みを止めるわけにはいかないのだ。
次回、キカイ討滅(最終話)。
首無太郎です。読んでくれてありがとう。