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エピソード02

首無太郎です。手に取ってくれてありがとう。

 今日も彼の様子を見るか...。

 もう習慣になりつつあるNextTubeをつける。


 すると彼の様子に変化が見られた。

 何かから逃げているのか...?


 彼の背後に赤色灯が反射しているのが見える。民間のパトロール局員のキカイ達か。

 おかしい、いくら彼が盗みを働いていたとしてもあの年なら保護もしくは厳重注意で済まされるはずだ。


 局員たちの目に意思を感じない...。何か違和感がある。

 局員らの頭部に見たことのないデバイスが検知された。


 まるで洋画のゾンビのような動き方で彼を追っている。


 とりあえず彼を助けなくては。何か彼を支援できるサービスは無いのか?

 目に止まったのはギフト機能だった。


 急いで眼の前にあったものを半ば神に祈るようなかたちでギフトした。

 すると、彼の眼の前に配達ドローンが姿を表す。


「それを使ってくれ!」

 私の声に反応するように彼は眼の前のドローンから鉄パイプを奪い取るように手に取った。


 彼は空き家に逃げ込み、高所を取った。

 キカイ達が空き家に入ってくる。


 まずは頭上から鉄パイプを振り下ろし一撃をかます。

 なんて腕力だ...、キカイの頭部を一撃で破壊するとは...。


 彼は高所から飛び降り奇襲を掛ける。

 連なっていたキカイの頭部に重力の乗った一撃を入れる。


 屋外に立ち尽くしていた残りの一体を蹴り飛ばし、転倒したキカイに馬乗りになる。

 鉄パイプで頭部めがけ何度も殴打する。

 キカイの手足が動かなくなるのを確認して彼はその場から離れる。


 壊されたキカイの頭部にあったデバイスを間近で確認してみる。


 これは...蜂を模した飛行デバイス?

 デバイスから出ていた針はキカイ達の首元に深く刺さっていた。


 これでウイルスでも注入していたのだろうか。局員らの動きは異常そのものだった。

 彼の下へ戻る。彼は自室に戻っていた。


「俺を助けたのは誰だ!」彼は叫ぶ。

 名乗り出たほうが良いだろうか...。


 暫く傍観していると、不意に彼がこちらを向く。

 鉄パイプが飛んできた。


 鈍い音が鳴り配信ドローンのステルスが解ける。

 彼はドローンを持ち上げて再び問う。


「お前が助けたのか」


 私は一息ついて答える。


「そうだ、いつもあなたを見ていた。」


 彼は怪訝そうに顔を歪ませながら答える。


「そうか、ずっと見られていた感じはしていたがお前だったか。」


 さすがの超感覚だ。ステルス中の静音ドローンの気配まで読めるのか。


「あなたは旧人類か?それにしては身体能力が高く、感覚も鋭い。」


 彼は苦い顔をしながら答える。


「俺達はサルって呼ばれてる。それ以上は知らん。お前こそなんだ?」


 私は彼の配信を見ている只のリスナーだよな。そう答えておこう。

「私は火星からあなたを見ているリスナーだ。」


 彼は続けて問う。

「...キカイか?」


 いや、まだ違うからそう答えようか。

「いや、私は人間だ。」


 彼は少し安堵したようにため息を吐きながら話してくれる。

「俺はマドレーだ、キカイの奴らは嫌いなんだ。」


 なにか事情があるのか?聞いてみようか。

「なぜ?」


 嫌そうにしながらもマドレーは答えてくれる。

「ガキの頃、キカイ共に弟を攫われたんだ。ずっと探してる。」


 それは壮絶だな...。しかし、元人間がそんな暴挙に出るだろうか。

 もしかして...。


「マドレー、もしかしてそのキカイ達にも今日のキカイ達と同様にこんなものが付いていなかったか。」

 私はドローンに蜂型デバイスの画像を表示する。


 マドレーは画像を見つめる。

「付いていたな、これは何だ?」


 マドレーにもわかりやすく説明するとしようか。

「これは虫と呼ばれる生物を模した飛行可能なデバイスだ。恐らくこれが付いているキカイ達は異常な行動を見せる。」


 マドレーは納得したように頷く。

「ムシねぇ。だからあいつら急に襲ってきやがったのか。狙われる筋合いなんかねぇぞ。」


 それはそうだが、新人類の可能性がある彼を捕獲しようとしている誰かが居るとしたら...。

 彼を助けなければ。

「マドレー、君は弟さんのように狙われている可能性がある。私が君をサポートしよう。」


 マドレーは驚いている。

「マジかよ...。弟を攫った奴らと同じ...。誰だか知らねぇが邪魔するなら壊すぜ。」


 マドレーはやる気のようだ。しかし、誰が一体こんなことを...。


 誰かの魔の手が伸ばされている事に気が付き始めた二人は行動を開始する。

 一体誰が何のためにこのような暴挙に出ているのか。

 いずれ理解が及ぶだろうが、それはまだ先のお話。

首無太郎です。読んでくれてありがとう。

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