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双子の剣  作者: LÉO LIMA


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14/30

第十四幕:一歩前へ、二歩後ろへ。一歩後ろへ、二歩前へ

双子は滝つぼの川岸に立ち、びしょ濡れのため、衣服を脱ぎ、ふんどし一丁になる。


「まずいな…このままでは着物が乾かぬ。体も冷える。病むぞ」


「へっ!お前だけだろ!俺の体は強くて丈夫だ!こんなもんで風邪ひくわけが………ハクション!」


士武(じん)は鼻水を垂らす侍大(じお)をじっと見る。侍大(じお)は慌てて袖で拭い、言い訳する。


「…誰かが俺の悪口言ってたんだよ!お前だろ、陰でけなしてたな!?」


――――


二人は再び枯れ葉と枝を集め、前より大きな焚き火を作る。体と衣服を乾かすため、日が暮れる前に急ぐ。士武(じん)侍大(じお)の体に残る無数の傷痕に目を留める。


「これらは…全て命懸けの戦いの跡か?」


「あたりめーだろ!子供が一人で食い物を手に入れると思うのか?」


士武(じん)は悲しげな表情になる。


「私…すまなかった」


「はああ!?聞きたくねえぞ!黙れ!」


「なぜだ?」


「…分かってるだろ!俺は侍の息子だ!てめえよりずっと強いんだ!同情なんか要らねえ!」


「そうだ。君の言う通りだ。私より強いし、勇敢だ。経験もある…」


侍大(じお)士武(じん)の頭を横拳で殴り、耳まで真っ赤になる。


「…また褒めやがったな!てめえ…俺の怒りを和らげようとして……そんな手に乗るか!この…バカ!アホ!ドジ!」


この時点で、士武(じん)は弟が褒められるのにとても弱くて恥ずかしがり屋で、それを隠すのも下手だと理解した。


悪戯心が湧き、初めて意図的にからかう。


『兄弟なら、こんなものか?』


「心配するな、侍大(じお)。君が雷光斬(らいこうざん)を習得するまで、私が先を行ってやる。

それに…字を読むのに四苦八苦してるようじゃ、雷鳴(らいめい)瞬光刃(しゅんこうは)(りゅう)の奥義を覚える前に、私が全部制覇してしまうな」


侍大(じお)は烈火のごとく怒る。


「ふざけんな!一週間で全て読んでやる!絶対に!絶対に負けねえ!この俺が!」


――――


昼過ぎ、衣服が乾き、川魚を食べた後、二人は森を歩き続ける。刀は依然として侍大(じお)が所持したまま。


「…結局、今まで全部俺がやってんだぞ。滝の謎も解いたし、大蛇も倒した。焚き火も魚も二回も取った。『協力しろ』って試練なのに、お前は何もしてねえじゃねえか!

…父上に報告したら、俺だけ褒められるんじゃねえの?」


士武(じん)は地面を見つめ、侍大(じお)の言葉に聞き耳を立てていない。侍大(じお)は無視され、さらに癇癪を起こす。


「おい!無視すんじゃねえ!」


士武(じん)は依然として考え込んだまま。侍大(じお)は業を煮やし、頭突きを食らわす。


「聞いてんだろこの野郎!無視するな!」


「いてええ!何すんだよ!?」


「話してんだろうが!聞こえてんのか!?返事しねえとぶっ飛ばすぞ!」


「傷つけたら試練失敗だぞ?」


「股間への蹴りなら痕残らねえだろ」


士武(じん)は目を見開き、恐怖で震えながら股間を覆う。


「そ、そんな卑怯で…不名誉なことを…!?」


侍大(じお)は完全に無関心な顔で、士武(じん)の大袈裟な反応を鼻で笑いながら答える。


「…すんねえよ、アホか」


――――


士武(じん)は森の中を歩き続ける。今度は侍大(じお)が後ろからついていく。先頭を行くのに飽き、士武(じん)に主導権を取らせようとしたのだ。侍大(じお)士武(じん)が木々を注意深く観察していることに気づく。


「何してんだ?紋章探すの諦めて、カブトムシでも探してんのか?」


士武(じん)は驚いた顔で振り向き、急いで侍大(じお)に近づく。


「君、カブトムシ捕ったことある!?」


目を輝かせて、答えを期待して見つめる。


「ああ!去年の夏に三匹同時に捕まえたぜ!」


侍大(じお)は得意げに鼻をこすり、自慢する。


「すごいな!私はクワガタを捕まえたことあるよ!…でも逃がしちゃったけどね」


「マジで!?クワガタなんか見たことねえよ!」


「ほんとだよ!緑色に光るやつで、ハサミがこんくらいデカかった!」(手で大きさを表現)


二人は甲虫談義に熱中するが、侍大(じお)は突然我に返り、士武(じん)の頭を殴る。


「バカ!虫の話してる場合か!紋章探すんだろ!」


「いてっ!意味なく殴るなよ!何が問題だ!?」


「問題はお前が何もせず、虫探して話してばっかで時間潰してることだ!バカか、お前は!?」


「誰が虫なんか探してるんだよ、バカ!私は木を探してるんだよ!」


侍大(じお)はひどく苛立った。士武(じん)が初めて侮辱に反論したのだ。

それは、侍大(じお)がこれまで士武(じん)に言ったことのどんな言葉よりもずっと穏やかなものだったが、侍大(じお)は侮辱に対して極端に敏感なのだった。


「ば、バカって呼ぶな!この…アホ!マヌケ!スケベ!うどん頭!」


「私はうどん頭じゃない!お前こそだ!」


「はあ!?俺ら顔同じだろが!」


「じゃあお前もうどん頭ってことだな!」


「『も』って…!?」


二人は火花を散らしながら睨み合う。侍大(じお)はむくれ、士武(じん)は少し落ち着いて話し始める。


「聞け、侍大(じお)奇跡(きせき)先生が君に滝の話をしたのは、冷静さや忍耐を教えるためだ。でも、それは我々が手にした紋章――勇気――には関係なかった」


「だから考えたんだ……昨日、君が俺を討とうとする前に、先生が私に言ったんだ、剣術の上達には忍耐が必要だと」


「で?」


「だからだ。先生は『二人に教えた紋章』と言っただろ? 君には冷静さのことを、私には忍耐のことを話した。それが二人のための紋章かもしれない」


「違うだろ。先生は単に紋章の場所を教えただけだ。偶然だろ。つーか、昨日、先生はお前に滝の話なんてしてなかっただろ?」


「昨日は聞いていない。しかし、私は黄昇(こうしょう)に住んでいるので、光竜の滝の存在は知っていた。それで新しい話ではなかった」


「知ってたなら最初から考えろよ、バカか?」


「先生が『昨日教えた場所』と明言されたからだ。光竜の滝の話はしていない」


「じゃあ、そのうどん頭を働かせろよ。俺の紋章は見つけた。次はお前の番だ。もし失敗したらぶっ殺すぞ」


「先生の話で手がかりになりそうなのは、剣術の上達に忍耐が必要、ということだけだ」


「……で、それが木と何の関係がある?」


「先生はまた、昨日の話で月下楓(つくしめぎ)の伝説についても触れていた。物事には成るべき時がある、と」


「『着く締めき』?なんだそれ、締め切りギリギリに駆け込んで間に合うっていう伝説かよ?」


「違う。月下楓(つくしめぎ)は木だ。

太くて大きな幹を持つカエデで、地面から波のように太い根が出ている。

伝説によれば、満月の夜に葉が月光を反射して銀色に光る。

その葉を取れば、願いを叶えられると言われている」


「は?紋章探すの諦めて、そんな木探して願い事でもする気か?」


「違う。多分、奇跡(きせき)先生は紋章のひとつをカエデの木の近くに置いたのかもしれない。

それしか思いつかなかったんだ。それに、こんな木なら森の中で目立つから、紋章を隠す場所としては理にかなっている」


「で、それが『忍耐』とどう関係あんの?」


「満月の夜に、葉が自然に落ちるのを待たなければならない。無理に取れば光も力も失われる。夜が明ける前に自然に落ちる葉を待つ、という忍耐が必要なんだ」


「…で、本気でそんな木が実在するとでも思ってんのか?」


「どうでもいい。木が本物かどうかは関係ない。先生の説明としては成立するし、木の特徴が紋章探しの手がかりになるかもしれない」


「ふーん、で、最後の紋章は?先生は一つ、俺たち二人に教えたって言ったんだろ?」


「最後の紋章をもし別々に教えられていたら……昨日先生が話したことを全部思い出して、お互いに確認し合わないと、正しく解くのが難しくなるな」


その口ぶりに、侍大(じお)は違和感を覚える。


「…は?どういうことだ?お前が俺と話したくねえんだろ?」


「はああ!?何言ってんだ!君こそずっと無視してたじゃないか!」


「…まさか、お前…前に俺と話そうとしたことあんのか?」


「当たり前だろこのバカ!!何度も試した!でも君は話すたびに俺を罵倒するか殴るか!!あるいは罵倒して殴るか!!!」


士武(じん)は振り向き、再び月下楓(つくしめぎ)を探し始める。侍大(じお)は少し衝撃を受ける。確かに、士武(じん)が近づく度に自分はすぐ激昂していた…


ふと、ある考えが頭をよぎる。


『もし士武(じん)がずっと…兄になりたかっただけなら?』


侍大(じお)はむっと顔を顰め、その考えを振り払う。


『…だから何だ!どうでもいい!俺はあいつが大嫌いだ!

この甘ったれボンボンと仲良しごっこなんて絶対にすんねえ!

このクソ試練が終われば元通り敵だ!

…だが、最後の紋章のためには話さなきゃいけねえのか…』


侍大(じお)士武(じん)の背中をじっと見つめる。数分観察していると、士武(じん)月下楓(つくしめぎ)を探す姿が真剣そのものに見えてくる。

再び嫌な考えが浮かぶ。さっき褒められたことを思い出し、思わず頬が赤らむ。


『…考えるんじゃねえ、侍大(じお)!あいつは敵だ!全部あいつのせいなんだ!いい顔してるだけだ…油断させるためだ!』


その時――

二人から約200メートル離れた木の上に、不気味な影が現れる。

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