第八羽 変化と休息
こんにちは!JURAです!
あれ?2人とも休めてなくない!って思ったのでこの話を書きました。
だからあんまり話は動かないですが、許してくだサイドアップ!
最後まで読んでくれると嬉しいです。
俺様はチキンである、名前はベルク。
そして俺様を抱えているのが元人間で、
今は獣っ子になってしまったリィズだ。
俺様達は今、ドーネットの跡地を抜け、
当てもなく森の中を彷徨っていた。
「……これからどうしよう……ベルク様?」
「とりあえず街を探すぞ!……後、様をつけるな」
「うん、わかった……」
リィズは少し素直すぎる気がする、
奴隷になってどれくらいか知らないが、
他人の命令に逆らう事ができないんだろう。
「なぁ、リィズ?
お前、身体に違和感とか感じないか?」
「ん?……ちょっと体が重たい……」
そう言うとフサフサした尻尾を左右に揺らす。
「そんな立派なのがついてりゃ重いだろうなぁ」
「……よくわからない」
相変わらず元気がない、
眷属化のおかげで目立った怪我はないものの、
精神的な疲労が見える。
無理もない、色々と大変な目にあった後、
歩幅の小さい俺様を運んでくれていたんだ。
「よし!街からもだいぶ離れたし、
ここらで休憩するか?」
俺様は気を利かせて、リィズの腕から抜け出す。
「お!いい感じの岩があるな」
少し進んだ所に人が座れそうな岩を見つけ、
俺様は飛び乗った。
「あ、ダメッ!」
急にリィズが大声をあげる。
「アレ?……なんか動いてないか?この岩」
岩は振動を始め、徐々に地中から浮き上がる。
違和感を感じて、俺様がその場を離れると、その巨人は姿を現した。
「わぁ……ガラントだ……はじめてみた」
「岩の巨人?!……リィズ!知ってるのか?」
「うん……普段は大人しいけど、
背中に乗られると死ぬまで追いかけてくる『魔物』」
「へぇ〜…………ヤバくね?」
「……逃げる?」
リィズが阿保な質問をしてる時、ガラントは丸太の様な腕を振り上げる。
「あ、あ、当たり前だっ!!逃げるに決まってるだろぉ!」
ガラントの巨腕をギリギリの所で躱す、
空を切る拳は勢いを増し、地面を粉々に砕いた。
その破壊力を見て俺様の勘が告げる、
コイツには勝てないと。
俺様達は全速力で森の中を走る。
「結局!生き返っても逃げてるし!
魔将になって強くなれたんじゃないの?
教えてくれヴェスパー!!」
「……逃げたくないの?」
何故か落ち着いているリィズを不思議に思い、
俺様は理由を聞いてみる。
「なんでそんなに落ち着いてるんだ!?
あんな奴に勝てる三段でもあんのか?ないだろ!
疲れてるのは分かるが生きるのを諦めるには……」
「あるよ?」
リィズがサラッと口にする。
「コケッ?!」
俺様は驚きの余り転びそうになるが、
リィズが走りながら、身体を持ち上げてくれた。
「ガラントは水が苦手だから……水に落としたら勝手に死んじゃうよ?」
「なぁ!?そう言うことは早く言えよ!コノッ!コノッ!」
俺様はリィズの手をつつく。
「いたたっ!痛い!だって聞かれなかったから」
そんな会話をしてる最中もガラントは追いかけてくる、そして俺様は大事なことに気付いた。
「あ!でもっ!その水はどうするんだ?」
「大丈夫だと思う……水、こっちにありそう」
そう言うとリィズは鼻を鳴らして、
俺様を抱えたまま、一直線に走り出した。
「うぉぉ!速いぃぃ!!」
「アレ?私、足速くなってる」
リィズは獣じみた足の速さをみせる。
『確かステータスに走るSって書いてあったな、
眷属化して才能が目覚めたとかか?』
木々を薙ぎ倒し追いかけてくるガラント。
それを引き離しながらリィズは言う。
「見えた!」
木々が並ぶ道を抜けると、そこには滝が流れる巨大な渓流があった。
「飛ぶよ?」
「コケッ!?」
リィズは俺様を強く抱きしめると、更に速度を上げ、渓流の上に飛び出した。
それに連なるように、ガラントがその巨体を宙に投げる。
「本当に死ぬまで追いかけてくるのな!おまえぇぇ!」
次の瞬間、森の中で大きな水飛沫が上がった。
ーーーーーーーーーーーー
俺様達は動かなくなったガラントが浮かぶ川から這い上がり、すぐ近くの川辺に倒れ込んでいた。
「ハァ、ハァ、コケェ……ブルルル!
……怪我、してないか?リィズ?」
俺様は息を整え、濡れた羽毛を乾かしながら、リィズに駆け寄る。
「私……」
先に息を整え終えたリィズが、水面を見つめ硬直する。
「……どうした?……リィズ?」
「な、なんで?こんな、姿に!私、私!」
反射した自分の姿を認識したのだろう。
この驚き方を見るに、自分が人間ではなくなった事に気付いていなかった様だ。
俺様は戸惑いながらも、リィズを落ち着かせるために口を開く。
「リ、リィズ!大丈夫だ!そんなに驚くな!
その姿は俺様のせいだが、多分!元に戻る方法があるはずだ!だから落ち着いて話を……」
「……ありがとう!!ベルク!!」
「コ……コケェ?」
何故か満面の笑みを浮かべ俺様を抱えるリィズ。
てっきり悲しんでると思ってたんだが……
「私ね?ずっと亜人さんになりたかったんだ!
奴隷になってずっと辛かったけど……その願いを叶えるために頑張って生きてたの」
「へ?……へぇ〜そうなのか〜」
困惑する俺様とは対象的に、リィズが嬉々として喋る。
「……ずっと!……ずっと!いつか可愛い動物の亜人さんになれます様にって、だから……ありがとう!」
「あ?あ〜……まぁ喜んでるならいい?のか?」
俺様は色んな事が起こりすぎで、完全に考えるのを放棄した。
しかしその後すぐ頭の中から声が聞こえる。
ーー経験値が規定値に達しました、鑑定を行いレベルを上げましょう。
「いってぇ……また変な声が」
「ベルク?頭痛いの?」
「コケ……いや、大丈夫だぞ。鑑定?……レベルを上げるってなんだ?」
俺様が独り言を呟くとリィズが知っているかの様に答えた。
「鑑定士……のことかな?
レベルを上げてくれる人達がいるんだよ?」
「……鑑定士……あ、また黒い枠だ」
リィズに詳しく聞こうとした矢先、またあの黒い枠が頭上に現れる。
ーー【デミフォックス】リィズのレベルを上げますか?親である貴方は無条件に鑑定をできます。
「……『レベルを上げる』か……やっぱゲームなのか?この世界」
ーー承認、レベルを上げます。
「おいぃぃ!!また勝手に承認しやがったぁ!!
もしかしなくても音声認識なの?しかもガバガバだしよぉ!」
その表示が出た瞬間、リィズの体から白い光が溢れ出す。
ーーステータスを更新します。
「え?レベルアップ?……ベルクさん!鑑定できるの?」
「コケェェ、そうみたい?」
ーーレベル4→レベル5
力5 速10 守4 魔13 精12 体11
新たに特性を習得、嗅覚C 泳ぎC
ーーーーーーーーー
「すごいな!お前、強くなったぞ!リィズ」
「そ、そうなの?」
「は!……まさか俺様もレベルアップできるじゃ!」
ーーレベルアップ要請を確認。鑑定対象 ベルク
「キタキタキタ!」
error
現在のスキルレベルでは閲覧できない箇所を発見。
よってベルクのレベルアップは許可できません。
「コ?コケェ!?俺様は無理なの?」
ーー回答します。無理です。
「なんだ!コイツ!」
俺様は黒い枠を地面に叩きつけた。
気がつくと、空が少し暗くなっているのを感じる。
「まずいな、今何時だ?……日も暮れてきたし、野宿できる場所を探さないと」
俺様達は身体を乾かした後、川辺から移動した。
近くにある林に巨木を見つけ、その中の小さな空洞に入り2人で固まる。
暫くして眠そうな声でリィズが喋った。
「ねぇ……ベルク。
願い事を叶えるだけじゃなくてレベルアップもしてくれるなんて……神様……だったりする?」
「へぇ?」
俺様に対する好感度が鰻登りの様だが、ここは正直にそんな事はないと否定しよう。
「そんなんじゃない……ほら、ヴェスパーが俺に何かしたんだろ?アレで多分、魔将って存在になったから色々……できるだけだぞ」
「魔将……」
「そうだ……リィズがそんな姿になったのも、なんか眷属って奴にしちゃったからだし」
「眷属……」
「あ、大丈夫だぞ!眷属って言っても奴隷みたいに扱う訳じゃないし、てか狙ってやった訳じゃなくて、試しにやってみようとしたら、リィズが承諾するからなっちゃったと言うか…………そのぉ」
「そっか……私は眷属って言うのになったんだ」
何かを考え込むリィズ。
俺様は余計なことを言ってしまったのかと、不安になる。
「それってさ……私よりベルクの方が偉いってこと?」
「……眷属だし、役職的には?そうかもな、……でも石板は親って言ってたから父親と娘的な感じ?」
「……そっか……親……」
辺りが暗く、明かりもないためリィズの顔はよく見えない。だけどその声は落ち込んでいる様に聞こえた。
「親のこと気にしてるのか?……安心しろ……俺様が必ず見つけ……」
「なら、敬語の方がいいよね?あ、いいですよね?ベルク様……うん、なんだかこっちの方が言いやすいかも」
「そっち?!」
勢いよくツッコミを入れると、リィズは何故か嬉しそうな顔で俺様の羽毛を撫でる
「へへ……私、眷属になれて嬉しいです、ベルク様」
「コ……コケェ」
俺様は気付いた、リィズって不思議ちゃんでは?
いまいち何を考えているのか分からないが、
取り敢えずこの子を親の元に帰そう、姿を人に戻すのはそれからでも遅くない……はずだ。
「それにしても昨日から移動しっぱなしで疲れたなぁ……あれ?」
「ベルクさまぁ……スゥー……スゥー」
リィズが寝息を立て始めた。
俺様もそれに続いて、微睡みの中に身を投じた。
最後まで読んでくれてありがとございマッスル!
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