表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/182

第9話 地底人、配信にて会見する(1)

「では、配信を始めますよ?」


「は、ひゃい!」


 ヤバい。緊張し過ぎて声が裏返った。

 スタッフは俺が緊張するからと、川鶴かわつるさんが部屋から出してくれているけど……。

 いざ配信ってなると、凄く緊張する!


「はい、始まりました。シャインプロモーション公式チャンネルへようこそ」


〈きたああああああ〉

〈配信告知から〉

〈地底人が会見すると聞いて〉

〈地底人、出てこい! 美尊みことちゃんとの関係を説明しろ!〉


「うわ、ディスプレイにコメントが滝のように流れてますよ!? 川鶴さん!」


「え、えぇっと……。開始から凄い人が来てくださっていますね。あっという間に1万名様、ありがとうございます」


 1万人!?

 これ、1万人も見ているの!? そんなの全校集会で皆の前に立つ比じゃない人数じゃん!……でも、不思議とそこまで緊張しない。

 文字しか見えないからかな? 実際に1万人の前に立ったら――本当に死んでたと思うね!


〈地底人はよ〉

〈なんで社長と隣に座ってる男の人の間に、衝立ついたてがあるの?〉

〈雇われ社長、今日も疲れてそう。不憫ふびん可愛い〉

〈そのイケメン誰? 新しいマネージャー? だとしたら許さん!〉

〈女の子しかいないシャインプロに男のマネージャー? は?〉


「コメントの方を拾う前に、まずは状況説明と、本日の主役に自己紹介をしていただきますね。この衝立ついたては、隣の方が人見知りですので……。視界に入らなければ上手く喋れると判明して、置きました」


〈草〉

〈人見知り社会人かよ〉

〈人見知りイケメン、可愛い。だが許さん〉


「では早速、自己紹介をお願いします」


 あ、は、話が飛んできた! 

 これ、俺が自己紹介すれば良い流れだよな!? もらっていた台本――。


「――ああ!? だ、台本がぁあああ!」


 震えて、弾き飛ばしてしまった! 台本は床の上を転がり、もう手が届かない。


〈落ち着けw〉

〈見てるこっちが緊張するわw〉


 ど、どうしよう……。いや、兎に角やるしかない!


「み、皆様! 初めまして! 美尊みことがいつもお世話になっております。兄の大神向琉おおかみあたると申します!」


 バッと頭を下げると、机に頭を打ち付けてしまった。


 あぁ……! いきなり机を叩き割っちゃった! ど、どうしよう!?

 あれだけ流れていたコメントも止まっているし……完全にやらかした!


「えぇ~……補足説明をしますね。こちらの男性が、噂の地底人こと――大神向琉おおかみあたるさん。伊縫美尊いぬいみことさんがかねてよりおっしゃっていたお兄様です。10年間ダンジョンで生活をされていましたが、生還致しました! そして本日より、当社でダンチューバーとして配信活動をして下さいます!」


 川鶴さんが拍手をしながら、明るい声音で助け船を出してくれた。

 ありがとう、ありがとう川鶴さん!

 やっぱり、あなたは良い人だ!


〈はああああああああああ!?〉

〈あの地底人が、このイケメン!?〉

〈嘘だろぉおおおおおおおおおおおお〉

〈瞳と髪がプラチナは確かに一致! 魔力の影響だよな?〉

〈美尊ちゃんの兄なら、そりゃイケメンよな。だが許さん〉

〈え、ダンチューバーになるって言った? マジ?〉

〈10年間ダンジョンで生きてた人の開拓配信を見られるの!? やばばば! 胸熱!〉


 止まっていたコメントも、再び滝のように流れ出す。

 た、助かったぁ~……。


「ええ、大神さんには明日から早速、ダンジョンへと潜って配信をしてもらいます!」


 川鶴さんは神様のようなお人だ――って、え?


「え? 明日から? 俺、明日からもう配信するんですか?」


「え、そうですよ?」


 そんな当たり前でしょって声のトーンで言われましても……。下調べとか、したいですやん。


「あれ……わ、私、伝えてませんでしたっけ?」


「俺、聞いてないです!」


〈草〉

あわて方がヤバい〉

〈弱々しいイケメン、カップリングが捗る〉

〈シャインプロは女の子だけじゃないの? 路線拡大ろせんかくだい?〉


「あ、良い所に気が付かれた方がいらっしゃいますね! そうです、この度、シャインプロは――」


「――そこからは、私の口から説明しよう」


 配信中にも拘わらず、部屋のドアを開き俺の横に立ったのは――姉御だった。


本作をお読みいただきありがとうございます┏○ペコッ


この物語に少しでもご興味を持って頂けたら……どうか!


広告の下にある☆☆☆☆☆でご評価や感想を頂けると、著者が元気になります。


また、ブックマークなどもしていただけますと読んで下さる方がいるんだと創作意欲にも繋がります。


どうか、応援とご協力お願いします┏○ペコッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ