第37話 初飯テロ枠準備編(1)
「も、勿論! 普通にご飯を持って来てダンジョンで食べる訳ではありません! 認めたくはないですけど、俺は地底人と呼称されるぐらい、ダンジョンで長く生き抜いて来ました! そこで――俺がダンジョンに住んでいた時、どういう物をどういう風に食べていたか! それを再現しつつコメント欄の皆様と雑談したり、ご相談に乗れるコーナーに出来ればなぁ、と……。あ、俺が住んでいた周りには岩塩がありましたので、塩だけは持ち込ませていただきますね!」
〈本物のダンジョン飯かw〉
〈魔物を喰うとか聞いた事ないよw〉
〈それは気になるw 調理出来るのか?w〉
〈お兄様とゆったり!? 最高です!〉
〈塩だけじゃなく胡椒ぐらい持ってきて良いだろw ダンジョン産の素材をメインに何処まで美味そうに出来るかチャレンジとかさw〉
おお、成る程!
流石、生の声を聴くと良い案がバンバン出てくるな!
「そのダンジョン産をメインに何処まで美味しそうに出来るか、面白そうな企画ですね! 次回からダンジョンで採った材料を、どこまで美味しそうに出来るか。それにトライするダンジョン飯コーナーにさせていただきます!……俺は調理能力が低いですから。そちらも勉強させていただきますね!」
料理の勉強、しなくちゃだよね……。
ずっとダンジョンで生活してたから味は二の次、栄養摂取が第一で生活してたしなぁ……。
この際だ。料理の腕も上達させて行こう。
自分で最高の素材を採って、最高の料理を作れるように目指す開拓者配信はありかもしれない!
開拓者としては何処を目指しているんだって感じだけど、高ランクダンジョンに潜れるような開拓者ランクに上がるまではやる事もマンネリ化するし、エンタメ的に仕方がない。
もし高ランクダンジョンに潜れるようになれば、食材の幅が広がるんだけどなぁ。
せめて俺が住んでいた所ぐらい……あ、それならスリルある戦闘エンタメが普通に出来るか。
いかん! 方向性を見失いつつある! 軌道修正、軌道修正!
「それで肝心の相談ですけど……。俺が人様の相談に乗るとか、身の程知らずなのかもしれません。でも話を聞くだけなら出来ます! それに今のランクで俺にスリルある開拓配信を期待されても無理! それなら逆に、ご飯食べながらのまったり開拓配信も有り!……なんじゃないかなぁ~と思いました!」
〈開き直ったなw〉
〈ダンジョンでまったり!?w〉
〈普通は気を抜いたら死ぬんだよwww〉
〈いや、地底人だぞw 10年間暮らしてたんだから逆にホームだろw〉
〈開拓配信でそれは面白そうw〉
〈相談は開拓者志望や現役開拓者にも需要あるな、俺の事だけど〉
これも否定的なコメントは少ない。
需要があるなら、やってみよう!
「それでは早速、今日の食材を採りに行きましょう!……とは言っても、このダンジョンで出現するモンスターは種類が少ないですよね。選択肢としては――豚肉か牛肉の2択です!」
〈それもしかしてオークとミノタウロスの事?w〉
〈栄養が偏るなw〉
〈野菜は……流石にダンジョンじゃ無理かw〉
野菜というか植物型のモンスターには、このダンジョンで遭遇してない。
前に住んでいた……『冥府行きのダンジョン』だっけ?
そこには川もあったから魚も出たし、野菜型のモンスターも出現したんだけどな。
3ランク以上ランクが高いダンジョンへは行けないルールなら仕方ない。
ある食材を、ありがたく食すのみ!
「オークかミノタウロス、正解です! 今日は牛肉の気分なので、ミノタウロスの所に行きましょう!」
〈草生えるw〉
〈ボスとは一体w〉
〈ボス=食材〉
まったり配信とは言っても、間延びして何も無いシーンがダラダラと続いて良い訳でもないだろう。
道中は駆け足で進み、モンスターと出くわしては魔石を体内から奪って進む。
魔石は料理にも仕込みにも使える万能素材だから、これは材料調達でもある!
移動中にも少し雑談を交えて行こうかな。
視聴者に飽きられて嫌われないようにしないと!
「――俺の観察する限り、モンスターは繁殖する動物ではありません。魔石を核にした魔素の集合体です。主成分が魔素なのは間違いないとは思うんですけど、おそらく他の構成要素も含まれています。魔素は人間で例えるなら水でしょうか? 人間も約60パーセントは水で構成されているそうですから。……まぁファンタジー生物を科学で考えようとしても、俺には詳しく分からないですけどね」
〈モンスターの歴史自体がまだ浅いしなw〉
〈栄養素として分析する研究なんて後回しだろw〉
〈いや、もしかしたら食糧事情に革命が起きるかも?〉
確かに。食糧自給率の低さとかは、昔から問題になっていた。
ダンジョンの生物を食糧に出来るなら、いくらかは改善されるのかな?
その場合、人間も狩られる覚悟を持つ必要があるけどね!
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