第31話 2回目配信!え、深夜枠?(3)なんでぇえ!?
〈うん、まぁ……行けば分かる〉
〈あたおか地底人、不憫過ぎん?〉
〈取り敢えず見てみ?〉
「わ、分かりました! それでは気合いを入れて見に行きます!」
理由は分からないけど、取り敢えず見に行けと言うから歩みを進める。
ピッケルを背負い、昨日見つけた採掘ポイントまで辿り着くと――。
「――な、なんじゃこりゃあああッ!? なんでここだけ岩がポッカリ抉れて広場みたいになってるの!? 昨日はこんなんじゃなかったじゃん! あれ? ツルツルする岩がない!?」
〈涙が出て来た〉
〈www〉
〈そりゃあんだけ話題になればなw〉
〈半日近くあれば金稼ぎたい開拓者さんが掘り尽くすよw〉
〈あれだけの鉱石量だしなw〉
〈食料庫辺りの切り抜き動画は特にバズってたし、昼頃に採掘配信めっちゃあったよw〉
〈配信活動してない開拓者も山ほど来ただろw〉
「え、えぇえええッ!? 本当ですかッ!? と、採り尽くされた!?」
うわぁああ……。本当だ、マジで全く無い!
たった数時間ちょいで雪室みたいにぽっかりと穴を掘ったの!?
「舐めてた……。この世は早い者勝ち、生存競争なのに……」
ガクッと、地面にへたり込んでしまう。
どうしよう……。いきなり企画倒れだよ。
他に金儲けが出来そうな方法とか知らないし……。
「ピッケル代の2千円、ツケにしてギルドカードで借りたのにぃいいいッ!」
〈あたおか巫山戯んなw また借金増やしてんじゃねぇかよw〉
〈債務者の先輩からアドバイス。借りる所は一本化した方がいいぞ〉
〈生存競争に負けたお兄ちゃんw あんだけ強いのに社会的弱者とか残念過ぎるw〉
〈落ち込むお兄様良いよね好き。抱きしめてヨシヨシしたい〉
〈企画が終わったwww〉
〈残ったのは増えた借金に美尊ちゃんと喧嘩した現実だけw〉
く……。
そ、そうだよ。
このまま諦めたら――俺は今日、失うだけで終わってしまう!
なんとかエンタメとして盛り上げつつ、借金も減らさなければ――。
「――あれ? そう言えば……。この先の食料庫からは魔力を感じるぞ?」
〈そりゃそうだw〉
〈モンスターの元になる魔素も噴出してるし、モンスターがわんさか居るからだろw〉
〈誰もあんなモンスター地獄には踏み込まんし狩らんw〉
〈おいまさか……〉
〈え?〉
〈落ち着けw〉
「やっぱり狙うは鉱石じゃない、アイテムドロップだッ! 開拓者は戦ってなんぼですよ! よ~し、決めた!」
〈決めんなよw〉
〈ええええええええええw〉
〈わろたwww〉
「今日はレアな素材アイテムドロップ狙い! 食料庫とボス部屋のミノタウロスを周回します! 基本、魔素があればそんな時間をかけずにモンスターは出現しますからね! よっしゃ漲って来たぁあああッ!」
〈やっぱり、あたおかだw〉
〈それにハマッてる俺たちも『あたおか』だけどなw〉
〈開拓者の原点回帰w〉
〈やっぱモンスターを倒すしか勝たんw〉
〈結局は姉御の言いなりになってて草www〉
〈地底人がんばえええええw〉
もう他に手はない!
視聴者さんも盛り上がってくれている。
コメントがぶわぁあああっと流れていくし、視聴者さんも……7万人!? もうその辺の政令指定都市の住人と同じぐらいの人数が視てくれているじゃん!?――うわぁ、頑張ろう!
「よ~し! いっくぞぉおおおッ! まずは目の前の食料庫、お前じゃぁあああッ!」
ダッシュで俺は食料庫へと跳ねる!
神通足で空気を蹴り、文字通り飛んで行く!
すると――やはり数十体はモンスターがいた。
「みぃいいいつけたぁあああッ!」
〈立場が逆なんよwww〉
〈地底人はやっぱモンスターサイドなんじゃね?w〉
〈www〉
〈良い笑顔w〉
〈狂気を感じるwww〉
〈誰か飼い主(姉御か妹)を連れてきてw〉
今日はドロップアイテム狙いだから、オーバーダメージを気にする必要はない。
むしろダメージを徐々に蓄積させて核の魔石以外に魔素が行き届かないようにする戦闘とは違う。
一気にそのモンスターが持つ核の魔素許容量を超える攻撃で吹き飛ばす事こそ――素材をドロップさせるコツだ! それこそがジャスティス!
俺も鉱石を採られてストレスが溜まってたからな……。
それなりに力を入れて他人数掛け練習、常在戦場の実戦稽古と行こうじゃないか!
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