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第178話 Bランクボス! 

 そうしてやって来たのは、最早見慣れた重々しい金属製巨大扉の前。

 ボス部屋には確実にあるその扉が顕れたと言う事は――もうBランクのボス部屋に辿り着いたと言う事だ。


「え~……。ここまで言う事がありません! 適宜修正してるし、武器特性から連携の種類と質のブラッシュアップもお見事! 俺、マジでお飾りなんですけど……。どうしたら良いですか!?」


〈もうコラボじゃなくて付き人よなw〉

〈武器性能あたおかなお陰で十分にあたおか枠っぽく仕上がってるのは草w〉

〈あたおか配信を乗っ取られてるぞ!w〉


 別に意識してあたおか配信をして来た訳じゃないよ!?

 でも、なんだろう……。

 ちょっと、このままじゃ終われないぞとモヤモヤするんですが!?


「お兄さん先生! 私たちが急に強くなった訳じゃないですが、お陰様で戦略の幅が広がりました! 今までの自分たちが如何に魔法との組み合わせや使い方を無駄にしていたか痛感します!」


「お兄様が一生懸命に取って来てプレゼントしてくれた武器のお陰です! 今ならBランクボス所か、トワイライト全員でAランクダンジョンへ一歩目を踏み出せそうです!」


「ん。とは言え、まずは慎重にワンフロアをマッピングしながら戦闘の様子を見て、だけど。お兄ちゃんのお陰で、弱点を克服出来たどころか武器にまで出来た。本当にありがとう」


「止めて! もう俺の器が小さくて泣きそうになる! 君たちは注意する所が無いのよ!?」


 これでボス戦を舐めてかかるとか、その勢い任せに体力や魔力残量を確認もせずAランクダンジョンまで突っ込もうとするとかなら、教官っぽいことも言えたのに!


 勝ってかぶとの緒をめよを地でやる癖が付いてるから、俺は何も言う事がない!


「ウチらが毎回苦戦してたBランクボス戦、みんな打ち合わせの通り行くよ! イレギュラーが起きたら、声かけ忘れず!」


「うん!」


「任せて、深紅ちゃん!」


「あぁあああ! 素敵な連携ぃいいい!」


「あ、お兄様! 私たちに油断や甘い動きがあったら遠慮無く指摘してください!」


謙虚けんきょ! 若さに任せた無謀むぼうさが無い!」


〈あたおか、涙拭けよwww〉

〈ここまでマジでカメラマン兼付き人でしか無いからなw〉

〈毎回、トワイライトの分析力が高いから学生視聴者にも良い勉強になると言うw〉

〈あたおかの筋肉理論とは違うんだよwww〉

〈あたおかは力こそパワーだから!w レベル違い過ぎて自ら制限を勝手に作らなきゃだもんなw〉

〈お兄様はそこにいるだけでパワーになるんだよぉおおお! 尊き私のエネルギー!〉


「俺がそこにいるだけでパワーやエネルギーになるとか、魔法アクセサリーや太陽光じゃないんすから……」


〈今日2回もコメント拾ってもらえたぁぁあ! 生きてて良かったぁああ!〉

〈↑気持ち分かるぞ、推しに何度も読んでもらえると最高だよなw〉

〈↑この人、マジで無邪気なガチファンだなw〉


 うぅ……。

 最初、偉そうにサングラスをかけて腕を組みながらオープニング映像を撮っていた自分を、全力の魔力パンチで殴りたい……。


 マジで武器の性能もあるんだけど、意識して欲しい事を促す性能にしたら――この武器を取り上げたとしても、前より格段に強くなってる感じなのよなぁ……。


 若い子の成長、メチャ早い。

 これが普段から強くなる努力を怠らない深紅さんを始めとした戦闘少女たちか……。


 ある意味、天心無影流で『常在戦場だ』って修行してた時代よりも、身近にマジの戦場があるんだもんね。それも思春期の頃から。

 強さにより貪欲で、コツを掴むのが早くなるのも当然か……。

 末恐ろしい!


「さぁ――行こう!」


 深紅さんを先頭に、重い扉を開いていく。

 開拓者の筋力って凄いよね……。


 そうして開かれた場所は――30メートル四方程度の地下空間。

 何本もの柱が乱立する、その一本から……和服姿わふくすがたの女性――般若がヌッと姿を現した。


般若はんにゃだ! 何時もは苦戦してるけど、果たして新武器ではどうなる!?〉

〈般若って嫉妬しっと憤怒ふんぬ業火ごうかに燃える女性が鬼化おにかしたって逸話いつわがあるモンスターよな〉

〈↑うちの嫁と似てるのはそう言う理由か〉

〈↑それは純粋な憤怒だろうから少し違うと思うぞ? 何時までも嫉妬されると思うな?〉

〈コメ欄がこんな緊張感ないボス戦は、あたおか枠らしいわwww〉

〈お兄様は参戦するのか?〉


「あの、俺も戦って良いかな? ぶっちゃけ暇なんだけど……」


 隊列を組み、魔力を練りながら距離を詰めて行くトワイライトの背へ向け話しかける。

 トワイライトは般若への注意を切らず――。


「――お兄さん先生は、私たちが未熟な所を見つけてくれませんか? 私たちじゃ、どうしても倒せないと思ったら……後詰ごづめをお願いします」


「お兄ちゃんは居るだけで心強い。正に最終兵器、心の最終障壁」


「はい! みんなの言う通り、お兄様は後でウチらのフィードバックをして下さい!」


「ア、ハイ……」


 これ――コラボって言って良いの?

 教官配信って企画、大失敗じゃない?


 正直、フィードバックするような粗も直ぐ自己修正してるから、重箱じゅうばこすみを突くような事しか言えないよ……。



本作をお読みいただきありがとうございます┏○ペコッ


この物語に少しでもご興味を持って頂けたら……どうか!


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また、ブックマークなどもしていただけますと読んで下さる方がいるんだと創作意欲にも繋がります。


どうか、応援とご協力お願いします┏○ペコッ

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