第一話 いつからだろう
いつからだろう…
バレエが嫌いになったのは。
いつからだろう…
友達がいなくなればと思うようになったのか。
いつからだろう…
周りと差を感じ始めたのか。
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ある日突然、父親にこんなことを言われた。
「バレエをやってみない?」
私はその時、たった三つ幼児。「バレエとはなに?」状態で私は何も思わずに、
「うん!やる!」
と、言ったそうです。
私は、バレエのレッスン場所に赴き同い年がバレエを拙いながらも踊っていた。
私はそれを見てこんな風に踊ってみたいと無意識に父に言っていたんだと思います。
私は父に懇願しバレエ団に所属することになりました。初めて入った時は先生が怖いとか優しいとかあまりわかりませんでしたが、発表会の為に沢山練習しました。先生に褒められましたし発表会で親の前で踊って見せたら、「凄い、よく頑張ったね」と沢山褒めていただきました。
私は初めて舞台上で踊った「きらきら星」は今でも記憶に残っています。一緒に踊っていたバレエの友達も一緒にバレエの道を歩いて行ってくれます。私は友達と一緒に踊ることが大好きです。
私はこれからもバレエを続けていきたいと思います。
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礼をし、クラスメイトからの拍手が送られる。
自分の席に戻り頬杖をつく。小さくため息をついたのは村雨蒼、中学三年生の姿だ。
蒼は中学最後のスピーチをさっさと終わらせる。あとはクラスメイトのスピーチを聞くだけだ。
今回のスピーチのテーマは「思い出」。
他の生徒は部活のことを話している人が多いが蒼は部活に入ってなかったから蒼はバレエを偽りで書いた。
冬の涼雨を眺めていると全員のスピーチが終わったらしい。
昼休みなり、クラスメイトから話しかけられる。
「蒼ちゃんってさ、高校何処志望だっけ?」
「三日月高校、頭よくないし」
「あー、うちの県の周りでは二番目に偏差値高いよね、まぁ蒼ちゃんなら受かるでしょ」
「それはどうかな?まぁ、倍率はそこまで高くないけど」
クラスメイトと喋れる少ない時間。蒼はクラスメイトと話をたくさんした。
時の流れは速いものだ。
もう中学を卒業して高校の入試も普通に合格した。実際そこまで勉強もしてないし、苦労して入ることはないと予想していた蒼はのんびり家でゴロゴロしていた。
ふと、LINEの通知がなった。
誰だと思い、スマホを手に取ると、同じバレエ団の同い年で別の中学の白石陽葵からだ。
「ねぇ!蒼!私も三日月高うかった!」
そう書いてあった。蒼は少し驚いてしまった。
陽葵は頭がいいし運動もできる。蒼にないものをたくさん持っている。なのになんで、三日月高校に入学するのか…蒼には理解できなかった。
でも、同じ学校なのは嬉しかった。
友達ができるか不安だったし…それに目標が無いと何かと自分が嫌だ。
三日月高校は普通の高校だが、人数は結構少なめな高校だ。
都会でもないし田舎でもない普通に近いが唯一いい例をあげるなら美術科があることだと思う。
蒼は高校生活に楽しみを少し心に秘めながら始めることになった。