表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎風吹きすさぶ ~最古の八騎士~  作者: dobby boy
タワーゲーム
91/108

第91話 最後の砦

【これまでのあらすじ】

 自らのために斃れたvahohoの意志を継ぎ、百八の魔星の頭領ドージェとして奮闘するたまごろうと行動を共にすることを決意した和田美咲。

魔星に潜む八騎士の配下に薬を盛られ、監禁されたたまごろうは部屋からの脱出を計っていた。

たまごろうに、八騎士の意図を尋ねる美咲。

 3年の時を経てCrystal Towerにアーティファクトが産まれ、八騎士内の中核を担う者が侵入したことを検知したたまごろうは、大仏に相談した。

折しも再会を果たしていた大仏とvahohoは協議の末、vahohoが援軍としてCrystal Towerに乗り込むことなったが、合流前にたまごろうは八騎士の裏切り者に拉致されたと告白するのであった。


「結局のところさ、アーティファクトを使って八騎士の侵入者は何をやろうってんだよ。」

 残り数ミリまで削ったロックを見て、やすりを動かす手を速めながら美咲が、尋ねる。


「世界を覆う、いや、世界を沈めるCFを作って、富を独占し、人類を奴隷化する計画の最後の詰めをしようとしている。」


 たまごろうの言葉に、思わず手を止めた美咲だが、意志の力で強引にやすりを前後に操作しながら、唇を尖らせる。

「世界を沈めるCFって、そんなの出来るわけないじゃん。

淡路島沈める※1だけでも、大騒ぎしてんのにさ。」


「vahohoから聞いていなかったようね。

八つの塔は、通常のポータルとは異なり、高さの概念が適用されるの。

そのため、既存のリンクとはクロスしないため、塔同士を繋げることで世界全体を沈めることが可能。


 既に、このCrystal Tower以外の七つの塔はすべて青でリンクが張られてる。

最後の砦であるこのCrystal Towerが青にされたら、世界が沈む。」

挿絵(By みてみん)

 かぶりを振りながら、美咲は反論する。

「嘘だね。

インテルマップ※2では、そんなでかいCFは無かった。」


「Crystal Towerを含め八つの塔にデプロイされている”オニキスシールド”にはステルス機能があり、

デプロイされたポータル起点のリンク、CFはインテルマップ上見えないの。

 そして、その”オニキスシールド”を唯一破壊可能な武器”オニキスストライク”はアーティファクトをコントロールポータルに移動させることで取得可能になる。


 美咲、あなたの質問に対する回答は、

”オニキスストライク”を取得し”オニキスシールド”を破壊ののち”Crystal Tower コントロールポータル”を緑から青に反転することが奴らの目的。」


 たまごろうの説明に、大きく溜息を吐く美咲。

「侵入者の目的は分かったよ。

だけどさ、ここを制圧しているあんたの組織は、あんたがいなくてもここを青にすることを黙って見ていないんじゃねえの。」


「ええ。

百八の魔星は精鋭ぞろい。

ここを青にすることを簡単に許しはしない。


 ただ、」


「ただ?」


「ただ、侵入者は、八騎士の幹部。どのような手練手管を使ってくるか想像もつかない。」


 たまごろうが話し終える前に、Crystal Tower全体に響く重厚なサイレンのようなアラーム音が鳴動した。


「うるせえな。なんだよこのサイレン。」


「そんな。。本当に?


このサイレンは、コントロールポータルが青になった時に鳴る設定のアラーム。


最後の砦は破られた。。」


 直後、美咲のやすりがロックを切断した。




※1.沈める:対象をCFで囲むことを、イングレス用語で「対象を沈める」と表現する。


※2.インテルマップ:イングレスでは通常スキャナを使って、自分の周囲の限られた範囲しか確認出来ない。

インテルマップというアプリを使う事で、世界中の地図とポータルを確認することが可能となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ