第81話 重要な場所
【これまでのあらすじ】
濡れ衣を着せられチームBIOを追放されたレジスタンスエージェント バイオは、真実を探すため、グリと共に、Crystal Tower を登る。
Crystal Towerを守護する百八の魔星との激闘の末、彼らに実力を認めさせ、頭領ドージェとの面会の資格を得るが、ドージェが行方不明であることが判明し、ドージェ捜索の協力を申し出る。
捜索中、グリは2人だけであることを確認し、バイオにCrystal Tower に隠されたレアアイテム”オニキスシールド”取得を提案するが、その事をふじに聞かれる。
ふじは、自分の目的もオニキスシールドであることを告白し、グリは、自分は過去に八騎士の対抗組織に属していたが、オニキスシールド取得のため組織を抜けたことを告白する。
一方、最上階では、コントロールポータルを警護するしろとkurokirbyが方針について議論。議論にふじも加わり、警護をふじと交代し、しろがドージェ捜索の陣頭指揮をとるべく階下に降りるのであった。
「なんで、しろさんはあそこまで、コントロールポータルの警護に拘ったさー。
おいらには、分からない事情があるのか?」
「ああ。そいつは、、」
kurokirbyが言いかけたところで、しろが去った廊下の先から人の気配を感じ、会話を中断する。
同時に気付いたふじも緊張の面持ちで、廊下を注視した。
廊下から姿を現したのは、2人の男であった。
1人は、総髪の若い男。もう一人は、少し年配のブランド物のスーツを着こんだ男であった。
kurokirbyは怪訝な表情で、2人に尋ねる。
「バイオ、グリ。お前らがなぜここに?」
「そのボイス、ユーはkurokirbyか。
ヘルメットの下のリアルフェイスは、思ったよりもグッドガイだったな。」
グリは、kurokirbyの顔を見つめ、悪戯っぽく応えた。
「質問に答えろ。
頭領”天魁星”のドージェの面談を通っていないお前らは、魔星メンバーと認められない。
魔星でない者が、なぜここにいる。」
krokirbyの鋭い詰問に対して、ふじが取りなすように、答える。
「ドージェの失踪が判明した時に、おいらがあったー(彼ら)に捜索の協力を頼んださー。
この緊急事態では、手はいくらあっても多すぎることは無いという判断さー。
それに、面談面談と、そう四角四面にならなくとも、ドージェの面談なんてのは、形式的なものさー。
かつて、ドージェの面談でNGを喰った奴なんて1人もいないさー。」
「確かに、そうかもしれんな。
だが、状況が状況だ。
ここに現れる魔星以外の人間に対して警戒は怠れん。
バイオにグリよ。
ここは、我々にとって重要な場所だ。
ドージェの面談を受け、正式に我々の同志となった後、改めて来い。
その時、ここについて、説明してやる。」
kurokirbyは、バイオとグリに対して等分に視線をあわせ、語った。
「重要な場所か。
Crystal Tower最上階のコントロールポータルが、その扉の向こうにあるんだな。」
「ほう。
その話は、聞いているか。
頭領が消息を断った事は、事態が動いている事に繋がっていると俺は見ている。
つまり、コントロールポータルを狙うものが頭領を、ドージェを拉致した可能性が高い。」
「アブダクション(拉致)したのは、八騎士の息のかかった魔星のトレイター(裏切り者)。
ディファレント(違うか)?」
グリの言葉に、顔色を変えるkurokirby。
「貴様!
何故、八騎士のことまで知っている!」
グリも、口調を改め、真摯に話し始める。
「ミーは、かつて八騎士に対抗するオーガナイゼーション(組織)に身を置いていた。
ゼアで聞いたのだ。
この永遠のP8と呼ばれるCrystal Towerのコントロールポータルに危機が迫っていることを。」