表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎風吹きすさぶ ~最古の八騎士~  作者: dobby boy
タワーゲーム
22/108

第22話 緑と青

 本榧(ほんかや)の足付碁盤を挟んで、二人の男が対局していた。


 すでに終盤であった。


「面白いものよな。この世界は。いや、人間がというべきか」

 やや優勢な白が、黒に対してというより自分に対しての如く語る。


「ある時は、このように白と黒」

 白が勝敗の帰趨を決定づけかねない一手を着手後、独り言つ。


 長考の黒を見ながら、

「ある時は、赤と黄。時代は変われど、行きつくところ、一方が他方を駆逐することに尽力するが、決着はつかず次の対局に移る。悠久の昔より同じことを繰り返す」


 長考の末、状況を好転する手を見つけた黒が着手し、初めて返答する。

「そして、現在は、緑と青でございますか」


「うむ。だが、それも終わる。我らが終わらせる」

 白は静かに応えたのち、おもむろに着手。


 脂汗を流し盤面を見つめる黒。五分の長考後。

「ありません」

 黒の投了による決着であった。


 黒の投了の声が合図のように、襖が音もなく開き、何人かの者が部屋に厳かに入って来た。僅かな衣擦れの音だけを残し、整然と並べられた座布団に正座し、二人に座令した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ