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詩「捨テラレタ海」

作者: 有原悠二

手のひらを眺めながら

その刻まれていく一つ一つのしわに

  帰ろう

古ぼけた写真の見つめる先が

どうか希望でありますように


思い返せば

たまたまと呼ぶにはあまりにも

  偶然で

縁もゆかりもないこの土地が

誰かの生まれ故郷になるなんて


ぼくの嘘ばかりだった人生を

うまい具合に肯定してくれた

  嘘のような青空

春の音を知ったのは

故郷の海を捨てた瞬間だった


帰ろう

きみの町へ

  海のない町

カッコウの鳴く

ぼくたちの古い町


空間は無限ではない

空間は有限だ

  時間も

思い出も

ポケットの中のコインも


――宇宙も

  生きているという実感も

  それは無限すらも


捨てるんじゃない

笑顔でお送りするんだ

  捨テラレタ海

ぼくはノートに書き出す

新しい小説のタイトルのように

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