表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

ミリアムの手紙①

登場人物の葬儀があります

愛しい友よ


元気にしているだろうか。

君は研究に没頭すると食事を忘れてしまうことがあるので少し心配だ。まあ、アベルもいるので大丈夫かとは思うのだが。

ああ、けれど、研究に熱を入れている間はこの手紙を読むこともないのだろうか。それは少し寂しいな。

君を置いていってしまうことには抵抗があったが、すまない、私は好奇心を捨てきれなかった。自分の目でこの世界を見てみたいと思ってしまったのだ。

君は勝手だと思うのだろうか。それとも、私のことなどもうどうでもよいと思うのだろうか。

ふふ、そんなことはないと分かっているけれど、離れてしまうとやはり不安になるものなのだね。君が恋しくなる。

百聞は一見に如かずとは言うけれど、書物で見るだけであった世界は実際に目にしてみるとやはり違うものだな。

エリクが案内してくれたこの地は、かつて帝国の支配が及んだ場所であると聞く。支配から脱して長い今も、その名残があるようだ。異邦人というのは、あまり良い気分ではないのだな。

そうそう、エリクにこの地で有名な飲み物を教わったのだ。カルヒという黒い液体で、苦みや酸味を味わう類の飲料であるらしい。熟した実から取り出した種子を焙煎して粉にした後、濾過して旨味を抽出するそうだ。今は品種改良もなされ様々な種があるが、元は一つの木から始まったそうだよ。君にも味わってほしいと思ったので、器具と焙煎した豆を送ろう。感想をもらえるとうれしい。

アベルにも振舞ってあげるといい。ああ、ジェーンもたまには顔を出しに来ているのかな。彼にもあげたらどうだろう。君が彼を厭うていることは承知だが、多少は交流してあげてほしいな。

半月後には帰国するので、中庭で共にお茶を飲めるとうれしい。


友よ、私はいつでも君と共にある。

離れていても、それは変わらない。



君のミリアムより

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ