夢のサブスクリプション
見た夢のメモ。
面白かったので。
最近見た夢の話。
敢えて題名をつけるとしたら、
しゅうまつの宇宙旅行
はいスタート↓
カナタ〜起きなさい!もう時間よ!!
母の声で目が覚める。時計を見て焦る。まずい、遅刻する。
カナタ!!!
起きた!起きたってば!!!
バタバタと自室からリビングへと下りる。机の上に置かれたホットサンドを食べる。
今日は旅行に出掛ける日だ。初めての一人旅。それなのに、早速寝坊してしまった。適当な服に着替えて、事前に準備した荷物を持つ。
いってきます!!
にゃあ、と飼い猫がひと鳴き。そのまま家を出る。
ほら、もう船がそこで待ってる。
船の入口で検査をする。ワクチン接種の検査だ。血液を採取して、事前にワクチンを打ったか確認される。
通ってよし。
会釈して船の中へ入る。
エコノミーの、飛行機と似たような内装。そんなに大きくない。観光バスと同じくらいの席数だ。これが沢山空を飛んでいる。よくぶつからないと思う。
ワクチンは政府から全国民の義務として打たされた。なんでも、宇宙旅行の際に必須だとか。賛否はあれど、義務だから打つしかない。全世界で摂取がされていた。打った人間から宇宙に行けるらしいから、それはもうお祭り騒ぎだった。
席に座る。隣の席、窓際に座る少女に挨拶をする。
これからよろしく。
少女は白いドラゴンのような鳥のような、少し気持ちの悪い生き物を膝に乗せていた。
こちらこそ。この子はルル。
白い生き物はぐる、と鳴いた。大人しそうだ。
しばらくすると、船の席が全て埋まった。
いよいよ、宇宙に向けて出発だ。
宇宙に繋がったチューブをもとに、船は空へ向かう。すぐに地球の外に出た。第一層を抜けたらしい。
あれがコロニーか、広いなあ
一層進む事に、コロニーと呼ばれる宇宙空間の広場が創られている。そこは、ショッピングモールや芝生のある公園、 高い高いビルなどが建っている。とても明るい。しかし空は真っ暗である。すぐそこは宇宙だから。
船が到着すると、乗客はワラワラとコロニーへと出る。空気の心配は無い。コロニーはバルーンで包まれている。全て宇宙人が地球人の為に準備してくれたものだ。
地球はもうすぐ滅ぶ、らしい。ワクチンを打たされたのも、宇宙での生活に体を順応させるためだと聞いた。
宇宙旅行と呼ばれるが、旅行ではなく実質移住である。
私もコロニーに出る。芝生はサクサクとしている。宇宙なのに重力がある。宇宙人の技術というやつか。
ねぇ、ワクチンはそのルルも打ったの?
隣の席だった少女に聞く。
うん、打ったよ。だからこの姿なの。
そう。
元々、ルルは人間だったみたいだ。ワクチンの影響を受けて、姿が変わったらしい。わたしもワクチンの影響で真実を見れるようになったから、姿が変わっても不思議じゃない。ルルは可愛らしい少女。青色の混ざったような白髪の少女だった。天使のような羽がはえている姿が見えた。今ではひとつも当てはまらない。
ルルを連れた子は、言霊使いだと言う。具体的なことは教えてくれないが、言われずとも見えたので理解出来た。この子に死ねと言われれば死ぬし、消えろと言われれば消える能力。なるほど恐ろしい。
うわぁ、あのビル見て、残り時間が出ているよ。
残り45時間。コロニーが崩れるまでの時間だ。
長い気がする。45時間では無い。
ハンバーガーショップに立つAIに確認する。
コロニーが崩れる時間はあとどれくらい?
じっとAIを見つめる。黒い髪の毛を一つにまとめたAI。人間にしか見えない。
残り45分です。
なんと、1時間もない。急いで知らせなければ皆死んでしまう。
AIから、マイクを奪う。
これで言霊を使って。皆に教えてあげて。
うん。
ルルを抱えた女の子はマイクで伝える。
船の入口になるエレベーターの足元に人間が集まる。
はい、じゃあプレートをエレベーター横のスライドに差して、お金を入れて入って。
リーダー格らしいおかっぱメガネの女性が指示する。おばさんだ。性格が悪そうでちょっと苦手かも。
一番目は、小太りで赤いふちの眼鏡をかけた中年の女性。細いヒールのパンプス。折れそう。芝生に刺さって埋もれそう。
カードをスライドさせると588400と金額が出た。
財布からその金額を出してエレベーターの投入口にお金を入れる。
エレベーターの窓には金額が表示されている。
あと5000万円で船に乗れる。
お金持ちだけが最後まで生き残れる。
宇宙に出てからは、船に乗るのは有料だ。一層につき10万円から100万円までランダムに払わされる。
現金のみ。
各自財布がパンパンである。
私が支払ったのは30万。少女は100万。あとの人達で残りの金額を全て払わなければコロニーに取り残されて死ぬ。
あら、変だわ。
リーダー格らしいおかっぱメガネの女性が言う。
カードの表記が薄れていた。
まぁこんなこともあるわよね、宇宙人でもインクミスくらいあるわよ、おほほ
その女性は財布から帯の付いた札束をひとつ取り出して、エレベーターに投入した。100万円だ。
しばらくして、残り3分でコロニーが崩壊するというところで私たちの船は全員乗り終えた。
途中でエレベーターの壁が壊れて、40代半ばのくたびれた男性が宇宙空間に投げ出されていったが、私と少女達は無事だったので良かった。私も危なかった。投げ出された彼は死んでいる。私じゃなくて良かった。
他の船の人達はまだコロニーに残っている。少女がしてくれた放送を聞き逃した人達は未だにコロニーで楽しそうに過ごしている。もうじき死ぬよあの人たち。
仕方ない。手遅れである。もったいない。残念だ。
他の船の人間たちもエレベーターから投げ出されて死んだ人がいるはずだ。ここはこういうところだから。よくある。選別しなきゃね。
出発する。第二層へ。
あれ、おかしいわ、なんだかわたし、透けていないかしら。
リーダー格らしいおかっぱメガネの女性がそう叫ぶ。
席を立ち、その女性を見る。
確かに透けている。どんどんと透けていく。
他の乗客も透けていた。全員ではない、4人ほどだ。
痛い痛い痛い痛いと皆叫んでいる。
共通点はカードの表記が薄くなっていたこと。
なるほど、わかりやすい。カード表記が薄い人達はみな進化していなかった。ワクチンによる進化が出来ていない人は用済みだから仕方ない。
そして透けていた人達は空気の塵になって船の外へ消えた。
どちゃっ
船の窓、船の進行方向の窓に赤い肉塊がへばりついた。人の形をしているようだが、皮膚が無いので形を留めていない。唯一人間らしいところはまあるい眼球が2つ残っているところくらいだ。
あ、飛んでった。船のスピードに負けて肉塊が宇宙空間へ落っこちた。バイバイ。
あれはさっき消えてしまったおばさん達の肉塊だな。窓に脂が付いてギトギトしている。
進化できなかったから仕方ないよ。
船の地下へ呼ばれた。一人でそこへ向かう。
どこかの国の偉い人が、三人手を繋いでいる。
進化した人間は融合して、上の生命体になれるんだよ。
そう言われても、偉い人三人が融合する姿はちょっと気持ち悪い。
なんか喋ってる。
宇宙人様、私たちは進化致しました。仲間に入れてください。
気持ち悪いから無理だよ。
あ、融合した人間が鉄板に乗せられた。
大きなホットサンドメーカー?
ぺちゃ
ああ、ホットサンドメーカーに挟まれちゃった。
おはよう
おかえりカナタ、どうだった?
うーん、こっち側でよかった
飼い猫が足に擦り寄った。よしよし。
社会勉強みたいなもんだったよ、あ、ホットサンドだ!
カナタ好きよね、これ
うん、やっぱり一味違って最高!
訳分からんと思います。
なぜなら創作と言うより曖昧な記憶の日記に近いからです。
最後まで読んでくれた人は器の大きいすごい人。
ありがとうございます。