紅蓮の海
熱い。
でも、あたたかい。
一面、紅蓮に染まっている。
これで、いいんだ。
…………いや、これで、よかったんだろうか。
でも……今更後悔したって遅い。
もう……後には引けない。
建物が崩れ、目の前に木材が降ってくる。
赤く揺らめく物が体を侵蝕していく。
考える時間はもう、あまりない。
自分の支えがなくなった。
生きる意味を失った。
だから、これがお似合いなんだ。
自分は元から、こういう運命なんだ…。
でも、どうせなら、最後は…………
誰かに励まして貰いたかった。