第七話 戦闘2
「では、私についてきてください。訓練場に案内いたします」
さっきの強めの声から普通の声に戻った。
さっさと実戦に俺たちを投入したいらしい。
本当にこの国、災厄が降りかかっているのか怪しくなってきたな。
俺はこの国の奴らに疑いを持ちながら女の人についていく。
真太郎たちが部屋から出て数分
「・・・今回の奴らは貴様らにはどう見える」
「・・・そうですね、亮平といった少年は我々の目的に使えると思います。あと大吾といった少年のスキルもかなり使えますね」
王は顎を撫でながら汚い笑みを浮かべる。
「くくく、やはり何も知らない餓鬼どもを自分の手のひらで転がすのは楽しいものだな。それであの真太郎と言った餓鬼はどうだ?」
そう問われた男は少し考えるようなそぶりを見せてから
「・・・王よ、彼は即刻消すべきだと思います」
「ほう、それはなぜだ?確かにあの餓鬼は気に食わないところがあるが今すぐ消さなくてもいいと思うが」
「あの少年からは闇をまとっているような禍々しい気配を感じました。その気配はあの剣からも感じることができました」
その答えを聞いた王は考えるそぶりを見せると
「・・・わかった、あの者を殺そう。暗部のものを呼べ」
「もう来ております、王よ」
玉座の後ろからそんな声が聞こえた。
「いたのか、まったくびっくりさせおって。話は聞いておったな、今日の夜にあの餓鬼を殺せ。」
「御意、暗殺はNumber40に手配します」
「ほう、あの40か。薄汚い獣風情に任せるのは癪だが確実に殺せるからよしとしよう」
「では、手配をしてきますので」
そういうと玉座から声がしなくなった。
王は玉座から立ち上がると
「くくく、これでわしの計画は完ぺきなものになる。あの時とは違う、今度こそ完ぺきな計画にな!フハハハハ!!!」
汚い男の笑い声がその部屋中に響き渡った。
ここは城のどこか、先ほど玉座の後ろにいた男はとある部屋に来ていた。
ドアをノックして
「Number40、仕事だ」
そういうと部屋のドアが開いた。
部屋から出てきたのは15歳くらいの少女だった。
だがこのくらいの少女がしているキラキラしている眼ではない。
この少女の瞳にはなにも写っていない、言うなれば機械のような感じだ。
髪は美しい白色で街にいれば男たちは必ず振り返るほど綺麗だった。
そして何より目を引くのは髪と同じ色をした猫耳としっぽだ。
「Number40、ターゲットはこの部屋にいる餓鬼だ」
男は懐から部屋の間取り図を取り出して、少女に渡す。
「殺し方は問わない、確実に殺れ。全てはアルフェイム王国のために」
「・・・・・全てはアルフェイム王国のために」
そうつぶやくと少女は部屋に戻る。
この出会いが彼女の運命を変えることになるのはまた別の話。
一方そのころ、真太郎たちは王女の案内で訓練所についていた。
「ここが訓練場です」
さっきの部屋から歩くこと数分、石で作られた場所についた。
広さ的にはバスケのコートが四面分くらいでかなり広い。
壁には武器などが立てかけられている。
辺りを見回していると訓練場の横の扉から甲冑をきた人たちが五人入ってきた。
五人は俺たちのところまで来ると
「王国騎士団所属、エスカ・ファリルム。只今参りました」
五人のうちの真ん中にいた人が敬礼する。
銀色の髪の毛で、細いがしっかりと鍛えられた体をしている。
そして何よりこいつイケメンなのがうざい!!
こいつのことは好きになれそうにない。
理由は何度も言うけどイケメンだから、それしかない。
イケメンは死すべし!!!
「これより皆様には騎士団と一対一の実戦訓練をこちらのステージ戦っていただきます。けがなどはしないようになっているので安心して全力で戦ってください」
・・・なんか突っ込むのが疲れてきた。
とにかくやるしかないんだったらやる。
「・・・亮平、大吾俺が先にやってもいいか?」
「え、俺が行きたいだめだ!」
即答で大吾に拒否られた。
こいつ、人の気も知らないでこの野郎!!
血の気が多いんだよ、戦闘狂かお前は!!
でも、相手の出方がわかるかもしれないことに気が付いた。
どうするべきか・・・仕方ない、何かあったら俺が何とかする。
「・・・わかった先にやれ。危なくなったら逃げろよ」
「おうよ!!!」
大吾は両手に手甲をはめると
「よっしゃ!行くぜ!!」
と意気込んでステージに上がる。
対する騎士団はモブっぽい騎士の人が出てきた。
ほんとにモブっぽい、ド◯クエの騎士みたいな感じ。
武器は王道の片手剣。やっぱりこの人モブだな。
「それでは準備ができたようなので始めさせていただきます。双方よろしいですか」
両者とも真剣な顔で・・・いや大吾だけは口角を上げている。
まじもんの戦闘狂じゃねぇか、怖いわ。
そして両者はゆっくりと審判の言葉にうなずく。
「それでは模擬戦開始!!!」
その言葉が発声された瞬間に大吾の姿が消えた。
そして次の瞬間にはもう相手は倒れていた。
「しょ、勝者!大吾!」
あまりにも早すぎる展開にこの場にいる全員の口が開いている。
もちろん、俺も
「よっしゃ!勝ったぜ!見たか真太郎。俺のかつy」
「何をしたお前は!!!!!!!!!」
大吾が言い切る前に言葉を遮る。
「いや、まじで何したのお前!あ、そうかスキルがチートだったんだこいつ!」
「そそ、俺のユニークスキル。時空の魔眼の能力は時を加速させることができるんだよ。それで相手の鳩尾に一撃くれてやったんだよ、すげぇだろ!」
……………完全にチートじゃねぇか!!!!
もうこいつ一人でいいと思うんだけど。
はいもうこの話終了!!!!
次の話にとっとと移りやがれ!!!!
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