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「えっと、確かコンソールのフレンドからフレンド検索でガーベラを検索してコールだったよね。」
取り敢えず称号のことは無視して妹に連絡する。
『えっとガーベラ、僕だよ。』
『桃お姉ちゃん?』
『そうだよ。今初期位置に居るんだけどどうしたらいいかな?』
『そっか。取り敢えず大通りをまっすぐ行くと冒険者ギルドがあるからその中で待っていて。』
『わかったよ。』
『蘭お姉ちゃんから連絡が来たらまた連絡するね。』
『お願いね。』
そう言って通話を切り大通りを露天を見ながら歩きだす。
暫くすると路地裏に小さくなっている人影を見つけ近寄って見る。すると人影は小さな女の子で力なく蹲っていたので話しかけてみる。
「こんなところでどうしたの?」
「お姉ちゃん誰?」
「通りすがりの異邦人かな?」
「そうなんだ。メルはねいつもご飯をくれる屋台のおじさんに会いに行こうとしたんだけど道に出たときに知らない人に蹴られて痛いからなおるまでここに居たの。」
「休むのにここは危ないからおうちまで連れていこうか?」
「お母さんが知らない人をおうちに連れてきたら駄目って言ってた。」
「それなら仕方ないね。」
と言ってストレージを確認してみる。そこには初級ポーションが5個有ったので1個取り出してみる。
「これ効くかわからないけど使って。」
「いいの。使って?」
「いいよ。たぶん僕は使わないから」
「ありがと。」
と言ってメルという子は渡したポーションを飲む。
「痛いの無くなった。ありがとお姉ちゃん」
「どういたしまして。そう言えば名前を聞いてなかったよね。僕はアジアンタム。君はお名前何て言うの?」
「メルはね、メルティナって言うの。」
「メルティナちゃんか。かわいい名前だね。」
「ありがと。お姉ちゃんもメルのことメルって呼んでいいよ。」
「ありがと。じゃあ僕のこともタムって呼んで。」
「はーい。タムお姉ちゃんメルのおうちに行こ?お母さんに紹介したいな。」
「ならおうちの前まで一緒に行こうか?」
「うん。」
メルにつれられて路地裏をどんどん進んでいき、一軒のお世辞にもきれいとは言えない家の前までやって来た。
「ここがメルの家なの。お母さん呼んでくるからちょっと待ってて。」
と言ってメルは1人家の中に入っていった。
暫くすると家の中からドタドタというおとが聞こえてきてドアが勢いよく開け放たれメルが飛び出してきた。
「タムお姉ちゃん、お母さんが怪我しちゃった。助けて」
「メルちゃん!取り敢えず落ち着いて。お母さんのところに案内してもらってもいいかな?」
「うん。こっちだよ。」
と言って家の中に入っていくメルを追っていく。
奥の部屋で腕を押さえて蹲っている女性がおり僕たちが近づくと僕を睨み付けながらメルを落ち着かせるように言う。
「メル、私は大丈夫だから。薬屋のおばあちゃんを呼んできてくれないかな?」
「わかった。すぐ呼んでくる。」
そう言ってメルは部屋を出ていきました。
ストレージから初級ポーションの残り4つを取り出しながら挨拶をする。
「初めまして。アジアンタムと申します。初級ポーションを出しておきますのでご使用下さい。」
「ありがとうございます。それで申し訳ありませんがなぜ我が家へこられたのですか?」
「メルティナさんがお母様にお会いしていただきたいと言われましたので玄関先でご挨拶をと思い着いてこさせて頂きました。」
「そうなのですか?ではメルティナとはどこで会ったのですか?」
「大通りを歩いてる際に路地裏で蹲っている人影を見つけまして近寄ってみたらメルティナさんだったのです。何故蹲っているか聞くと知らない人に蹴られたと言われていましたので初級ポーションを1つ渡して飲んで頂いたのです。」
「まぁ、そのようなことが合ったのですか!」
「大事に至らなくて良かったです。」
「えぇ、ありがとうございます。」
とそこに薬屋のおばあちゃんらしき老婆を連れたメルが帰って来た。




