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パソコンを立ち上げてコーリングのアプリを開きログインして麻衣のアカウントにメッセージを送る。
"運営さんに連絡したら声だしとこちらの参加者追加は一人だけならOKって言ってたよ。"
返事を待ちつつisland battle groundを立ち上げログインして設定を変えていく。
しばらくすると田沼さんが書類を持ってやって来た。
「すみません、桃さん。こちらが契約書類になりますので読んでサインをお願いします。」
「分かりました。」
そう言って田沼さんから渡された書類に目を通す。
しばらく読んだ後、書類に一枚づつサインをする。
「はい。有難うございます。これでまた同じ事務所の仲間ですね。」
「またよろしくお願いします。」
田沼さんは書類を持って部屋を出ていったので設定の続きをしていく。
設定も終わり試しに一度プレイしておく。
その試合中にコーリングにメッセージが届いていたが、 取り敢えず試合が終わるまで放置する。
試合は優勝して終わった。
コーリングのメッセージを見ると麻衣から来ていた。
"ありがとう、こっちもメルちゃんに話したらOKって言ってたよ。
取り敢えず打ち合わせはそのまま12時で大丈夫だよね。"
返信しておく。
"ごめん、こっちはこれから顔合わせあるからもしかしたら遅くなるかも
打ち合わせは12時なったら先に始めてて"
内線がかかって来たので田沼さんからだった。
「今大丈夫ですか。」
「はい。後は向こうで音量調整してもらうだけなので」
「それなら今から先程までいた部屋に来て下さい。メンバーが揃いましたので顔合わせをします。」
「分かりました。今行きます。」
内線を切ると部屋を出て先程までいた部屋に移動する。
部屋の前に着くとドアをノックする。
すると田沼さんがドアを開けてくれる。
「待っていましたよ。さぁ入ってください。」
「有難うございます。」
そう言って部屋の中に入っていく。
部屋の中にはジャックの他に四人の男性がいて椅子に座っている。
その机の近くに行き挨拶をする。
「初めまして、本日よりレッドラインのイージーバレット所属になりました。プレイヤーネームはまだ決まっておりませんがよろしくお願いします。」
身長180㎝程のやせ形の男が話しかけてくる。
「プレイヤーネームなんて適当でいいっしょ。俺はタカ、よろしくね。」
「はい。よろしくお願いします。」
次に身長160㎝程の小太りな男が話しかけてくる。
「でも凝った名前を付けたいよね。僕はクロノアルファっていうんだ。よろしく」
「よろしくお願いします。」
タカより少し背の低い眼鏡をかけた男性が話しかけてくる。
「久し振りですね、スズカケ。名前は昔のを使えば良いのではないですか。」
「久しぶりだね、メトロ。それは捨てた名前なんだよ。それをもう一度使うのはどうかと思うよ。」
「そうですか。ではなんと呼びましょうか?」
「決まるまではエムって呼んでくれる。」
「分かりました。エム」
最後に身長150㎝程の影の薄い細マッチョな男性が話しかけてくる。
「久しぶり、スズカケ。また一緒に戦えて嬉しいよ。」
「はい、ヤミも久しぶりですね。でも名前は取り敢えずエムと呼んでください。」
「スズカケはスズカケだからそれ以外で呼ぶつもりはないよ。」
「ですから」
そう言いかけたところでジャックが話にはいってくる。
「まぁいいじゃねえか俺だってスズカケと呼ぶしよ。」
「だからスズカケは捨てた名前なんだよ。今さらそれを名乗ってなんになるんだよ。」
「名前は結局着いてくるもんだぜ。捨てたって誰かに譲ったってな。」
「分かったよ。これからもプロとして活動するときはスズカケを名乗る事にするよ。」




