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父さんがジャックに問いかける。

「ジャック君、君の言っているスズカケとは誰のことかな。」

「すんません、えっと、ももさんのことです。」

父さん以外がはっとした顔をしていた。

「父さんには言ってなかったっけ」

「お父さんには言ってないわよ。」

「あれ、五郎さんに言ってないわね。」


父さんが困惑した顔をして

「みんな何の話をしているのかな。」

「ごめんなさい。言ってなかったみたい、僕は昔プロゲーマーだしてたんだよ。」

「プロゲーマーって冗談にも程があるよ。」

「冗談じゃないんだけどな。」

「桃の高校生の時に二人で旅行に行ってたわよね。その時は大体大会でいろいろな場所に行ってたのよ。」

「そうだったね。ロサンゼルスやシンガポールなんかに行ったね。」

「ロサンゼルスは俺も行ったやつだな。FPSのチーム戦で優勝したな。」

「その時の写真か何かあるかい。そしたら信じられるんだけど。」

「写真なら俺の携帯に入ってます。」

そう言ってジャックが携帯端末を操作して写真を父さんに見せる。


それは僕とジャックの他に四人の男性が1つのトロフィーを持って掲げていて、その回りを姉さんを含む様々な人が囲って祝っている写真だった。


「懐かしいね。」

「だろ。まぁトキとキュータも辞めて事務所に残ってるのは俺とヤミとメトロの3人だけなんだけどな。」

「何があったの?」

「詳しくは知らねーけどトキは普通に働くって言って辞めたしキュータは家の事情だって話だったな。」

「そっか。でも新しい人も入ったんでしょ。」

「まあな、でも着いていけなくて文句言ったり辞めたりしてるしよ。」

「まぁ、ジャックは前線突撃型だから援護も大変だし僕が入る前はトキとキュータで援護してたって聞いたよ。」

「そうだったか?」

「トキもキュータも大変で他が見れないって言ってたよ。」

「まぁあいつらがそう言うならそうなんだろうな。」

「まぁだから新人が着いていけないんだろうね。」

「そう言うことか。」


父さんが話しかけてくる。

「桃が元プロゲーマーだってことは分かったよ。それでスズカケって何の事だい?」

「父さんももう解ってると思うけど僕がプロゲーマーの時に使ってたプレイヤーネームだね。」

「五郎さん、芸名みたいなものだと思えばいいのよ。」

「そうなんだね。分かったよ。それで頼み事とは何かな?」

「そうそう。昨日メールでも書いてあったけど頼み事ってなんなのさ。」


ジャックが持ってきていた鞄から一枚の紙を取り出して

「これに一緒に出てくれないか。」

そこにはFPSゲームの世界大会の予選会の案内が書かれており、6人一組で行われるコンクエストのチーム戦であった。

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