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事務所に着くと麻衣が入っていき、女性を呼んできてくれる。
「はじめまして、私は田所と申します。」
「はじめまして、的場 桃と申します。本日はよろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。それでは、こちらへどうぞ。」
「私はマネージャーと話をしてるから終わったら呼んで」
僕は麻衣と別れて田所さんの後に着いていき、一室に入る。
「それで、本日は重要なお話があると聞いてきたのですがどのようなお話ですか?」
「そうですね。桃様のゲームの腕を見込んでお願いがありましてお話させて頂きました。」
「そうなのですか。どのようなお話でしょうか?」
「それはですね、当社では今、Vゲーマー事業を立ち上げようと動いているところなのですがその最初のメンバーになっていただきたいと思っております。」
「その前に少しお聞きしたいのですが、僕が前に何をしていたのか知っていますか?」
「普通に高校生じゃないのですか?」
「確かに先月まで高校生だったのですがそうではなくてですね。僕は昔プロゲーマーだったのですよ。」
「プロゲーマーだったのですか。どのような活躍をされたのですか?」
「FPSとRTSとVRSの世界大会で優勝しています。」
「世界大会で優勝しているのですか!それはすごいですね。ますます入っていただきたいのですがどうでしょうか?」
「なぜ辞めたのか聞かないのですか。」
「それは聞きません。辞めた理由はどうあれプロとして活躍していた事実は変わりません。その経験を生かしていただきたいと思っています。」
「すみませんが考えさせてください。」
「分かりました。こちらが私の連絡先になります。気持ちが決まりましたら、連絡してください。」
そう言って田所さんから名刺を渡された。
「そういえば、立ち絵に関してはどうなっているのですか?」
「すみません。立ち絵に関しては先程の話を受けて頂きましたら提供するという話でしたので今回はまだ立ち絵を描けませんでした。」
「そうなのですか?そういう話なら分かりました。では明日牡丹と上城さんとのコラボはどうなりますか?」
「音声なしでコラボは可能ですが音声が入るのはご遠慮下さい。」
「分かりました。」
「本日は有難うございました。Vゲーマー事業の件についてはご検討頂きますようお願いします。」
「有り難うございました。Vゲーマー事業については決まり次第ご連絡いたします。」
部屋を出て麻衣のもとに行く。
「話は終わったよ。帰ろうか。」
「もう終わったんだ。ちょっと待っててね。」
少し待っていると麻衣が出てくる。
「お待たせ。帰ろっか。」
「うん。帰りに何処かによる?」
「そうだね。コーヒーショップによって話していこう。」
「わかった。じゃあいこうか。」
麻衣とコーヒーショップによって雑談してから帰宅した。




