1-16
宿屋でログアウトしヘッドギアを外すと雛菊がそこにいた。
驚いて声をあげる。
「うわっ、ビックリした。雛菊か、どうしたの?」
「お姉ちゃん、さっきの話を聞かせてもらおうかと思って待ってたよ。」
「さっきの話ね、何が聞きたいの?」
「まずはウルフリーダーの動きが聞きたいな。」
「そうだね。吠えると3頭のウルフが追加で出てくるかな。後は爪での引っ掻きと飛び掛かりがあったね。」
「追加されるウルフは人数によって変わるかもね。他にはどんなのがあったの?」
「一度目の行動変化で上半身での踏み潰しが追加されて僕を積極的に狙うようになったよ。」
「一度目ってことは二度目の行動変化もあったの?」
「あったよ。走り回って噛みついたり全身での踏み潰しが追加されたよ。」
「お姉ちゃんは一人で勝ったんだよね。」
「そうだね。まだパーティー組んだこと無いし色々やってるから一人が都合がいいからね。」
「どうやって戦ったの。」
「隙を見て剣で攻撃したり、クロスボウで撃って倒したよ。」
「そうなんだ。明日頑張ってみるよ。」
「頑張ってね。」
そう言って雛菊は部屋に戻っていった。
翌朝、いつものように仕事に行き麻衣と話す。
「コラボの事なんだけどメルは大丈夫だって」
「分かった。挨拶しておかないとね。」
「後で連絡先教えとくよ。」
「そういえば明日は空いてる。」
「空いてるけどどうしたの?」
「事務所に行きたいんだけど連れたいってもらってもいい?」
「いいよ。何時に行く?」
「事務所の都合のいい時間でいいよ。」
「メールで聞いとくね。」
「お願い。」
そう言って仕事の時間になったので仕事に入る。
昼休憩に入り、麻衣がまた話しかけてくる。
「桃、明日は13時から来てほしいっていってたよ。」
「11時に家に行くよ。昼を一緒に食べよ。」
「分かった。明日はその時間に待ってるよ。」
そのあと普通に話をして、休憩後仕事して時間になり帰宅する。
帰宅後、夕食を食べて7時前にCEOにログインする。
宿屋で目を覚まし、ガーネットにコールをする。
『もしもし、ガーネット』
『こんにちはアジアンタムさん。』
『昨日の件ですがどこでお会いしますか?』
『では冒険者ギルドでお話しましょう。』
『冒険者ギルドですね。分かりました、今から向かいます。』
『では後程』
そう言ってコールが切れたので宿屋から出て冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドにつくとそこにいたプレイヤーの内数名がこちらを見ているが気にせずにガーネットさんを探す。
ガーネットさんを見つけては声をかける。
「こんにちは、ガーネットさん。」
「こんにちはアジアンタムさん。それでは個室に向かいましょうか。」
「分かりました。」
そう言って二人でギルドの奥に向かう。
奥のドアの前に着きガーネットさんがコンソールを操作してドアを開けて部屋に入る。




