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おばあさんは魔方陣のようなものが書かれた布を取ってきた。
「後は錬成の仕方じゃな。」
「はい。よろしくお願いします。」
「といっても錬成事態はすることはとても簡単じゃ。」
「簡単というのは?」
「この魔方陣に錬成したいものを置き、魔力を注ぎ込めば完成じゃ。」
「注意する事等はあるのですか?」
「魔方陣は錬成したい物やどの様に錬成したいかによって変わる。さらに魔力は多すぎても少なすぎても失敗してしまう。」
「そうなんですね。でも魔力はどの様に注ぎ込めばいいのですか?」
「魔方陣に手をついて、魔方陣全体に魔力が行き渡るようにゆっくりと流すとよい。まずこの水を確認してみよ。」
確認してみる。
"井戸水"
井戸より組み上げられた水
「では錬成して見せよう。」
そう言っておばあさんは水を魔方陣の中央に置き、端に手をつけ魔力を流す。
すると水が光り元に戻ると変わりなくそこにあった。
「確認してみよ。」
おばあさんがそう言うので確認してみる。
"精製水"
錬成にて精製された水
となっていた。
「このようになる。では錬成してみよ。」
そう言って再び水を持ってきた。
「分かりました。」
渡された水を水を持って魔方陣の中央に置き、端に手をおく。
魔力を流そうとするもどうするのか分からず│力んでいる《りきんでいる》とからだの中から何かが一気に流れ出る感覚がある。
流れ出た何かは魔方陣を巡り一気に全体へと回り魔方陣全体が強く光を発している。
光が収まった後に魔方陣をみるも水を入れていた容器はあるものの、水が一滴も残っていなかった。
「失敗じゃな。お主は魔力を流すのは初めてじゃったか。」
「はい。流す感覚が分からないので力を込めていました。」
「他の探索者はもっとうまく魔力を流すので教えるのを忘れておったわ。」
「そうなのですか。でも今ので感覚は掴めたと思います。」
「そうか。ではもう一度やってみよ。」
「はい。」
そう言われ水を渡される。
その水を魔方陣の中央に置き、魔方陣の端に手をつけ先ほど感じた力をゆっくりと全体に行き渡るように流し込む。
今度は魔方陣がゆっくりと光、水に光が届き光りだす。
光が収まり、魔方陣の中央を見てみると変わらず水があったので確認してみる。
"精製水" 品質4
製作者 アジアンタム
"錬成によりゆっくりと丁寧に精製された水"
となっていた。
「お主は錬金術師の才能があるやも知れんの。」
「お言葉はありがたいのですが僕はガンスミスに成りたいとおもっています。」
「ほう、ガンスミスかの。道は長く│道標も遠くにしかないと聞く。それでも成りたいのかの?」
「はい。僕はその為にここに来ました。」
「ならば、東の山に向かうといい。」
「そこに何があるのですか?」
「硫黄がそこにあると聞く。」
「有難うございます。」
お礼を言っておばあさんの家を出る。
"称号 初心者錬成士 を獲得しました。"