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まずは木材を杖の大きさになるように少し大きめに線を引きその通りにノコギリで切る。
円に近づくように十六角形になるように角を切っていく。
持ち手と殴打する場所を分けるように線を引きノミとカナヅチで少し削る。
持ち手部分を手触りが良くなるように確認しながらヤスリで削っていく。
出来たものを確認すると
"木のメイス"
攻撃力 +10
製作者 アジアンタム
耐久値 100/100
"雑木で出来た木のメイス。
殴打部分を十六角形にすることで攻撃力が上がり耐久値の減少が若干少なくなった。"
とあった。
エリーゼさんが驚いた顔をして話しかけてくる。
「すごいですね。始めてで失敗せず劣化もしていない物を作るなんて。」
「これってすごいことなんですか?」
「そうなんですよ。」
「取り敢えずこれを見てもらえたら分かると思います。」
そう言って差し出された物を確認してみる。
"劣化した木の杖"
攻撃力 +3
耐久値 15/15
となっていた。
「これはどなたが作られたのですか?」
「これは私が初めて作ったものですが初めて作るものは、大抵このような物になるのですよ。」
「そうなのですね。まぁいいものが出来たと思っておきましょう。これからもできる保証はありませんからね。」
「そうですね。木工をここまで出来るのですから木工を使った細工もやっていきませんか?」
「そうですね。お願いします。」
「ではまず細工の仕方を教えますね。」
「まず先ほど杖を作ったように木材を切り出します。その後はキリで穴を開けたり彫刻刀で細かく削って形を作って行きます。」
「ノミで削ったりはしなくていいのですか?」
「大きく削るときは使ってもいいかも知れませんが、失敗しやすいのでオススメはしません。」
「大きいものに大雑把に細工する時に使うという認識でいいですか?」
「それでいいと思います。」
「有難うございます。」
「では、彫刻刀で削った後は亜麻仁油を使います。こうすることで細工が長持ちするのです。」
「そうなのですか。分かりました。」
「では作って見ましょう。」
まず材料の切り出しのために少し大きめに線で目安をつける。
次にノコギリを使い線をなぞるように切り、剣の形になるように線を引く。
引いた線に当たらないようにノミとカナヅチで大雑把に削り取る。
彫刻刀で形を整えながら削っていき、ある程度出来たらヤスリを使い凹凸の無いように仕上げて行く。
最後に亜麻仁油をむらがないように全体に塗り、乾かして完成した。
完成したものを確認してみる。
"木製の剣のお守り"
製作者 アジアンタム
"雑木を使い作られた剣を模したお守り
丁寧に仕上げられており装備者は戦う力が湧き出てくるような気がする"
となっていた。
エリーゼさんに見せるとまた驚いた様子だ。
「タムさん、細工したのは今日が初めてなのよね。嘘とか言ってないわよね。」
「はい。今日が初めてになります。」
「もう私が教えられることは無い気がしますね。」
「そのようなことはありません。私は初めてなのですからまだまだ分からないことだらけです。それに鍛冶についても教えていただいておりません。これからもお願いします。」
「わかったわ。もう少し頑張りましょう。」
「はい。」
"称号 初心者木工士 を獲得しました。""称号 初心者細工士 を獲得しました。"