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翌朝いつものように出勤し昼休憩の時間に麻衣が話しかけてきた。
「桃、昨日話した事なんだけど、運営さんから返信来たよ。」
「何て書いてあったの?」
「立ち絵の件で話したいから近日中に事務所に来て欲しいって書いてあったよ。」
「そっか、何時でもいいなら土曜日でもいいかな。」
「大丈夫じゃないかな。運営さんに聞いとくね。」
「お願い。他には何かあった?」
「今回のコラボの件、運営さん的には大丈夫だって。」
「そっか上城さんには連絡とった?」
「そっちはまだ、後でメールしとくね。」
「了解。」
「そう言えば事務所に来たときに大事な話がしたいっても言ってたよ。」
「そうなんだ。まぁ覚悟していくよ。」
「それがいいかもね。」
昼休憩が終わるまで雑談しながら過ごして夕方の交代が来るまで仕事をして帰宅する。
帰宅後、着替えて夕飯を食べ終わり、片付けした後部屋に戻りCEOにログインする。
ログインすると宿の部屋に1人いた。
宿を出て昨日の路地裏に入りメルの家を目指す。
メルの家の前に着いたらドアをノックして誰か出てくるのを待つ。
しばらくするとメルが出てきた。
「こんにちは、メル。」
「あっタムお姉ちゃんだ。お母さん、タムお姉ちゃんが来たよ。」
「ようこそ、タムさん。今日は細工をしに来ましたか?」
「取り敢えず今日は教えてもらうのに必要なものを聞きに来ました。教えて頂くのに何も持っていないのでは失礼だと思いましたので」
「そうなのですか。でも今日はそのままでも構いませんよ。次回から持ってきて下さいね。」
「分かりました。」
「まずは木工の基本からですね。まずは道具ですがノコギリとヤスリ、ノミ、カナヅチがあれば大丈夫ですね。」
「他の道具とかは要らないのですか?」
「後は寸法を測るものがあるといいですね。取り敢えず今日は私の道具を貸しておきますね。」
「道具は木工初心者セットがあるので大丈夫だと思います。」
「ではこの木材から杖を作ってみましょう。」
「分かりました、まずは何をすればいいですか?」
「まずは寸法を│図ります《はかります》。切り出す部分に線を引き目安にします。」
「線を引いたらどうしますか?」
「切り出します。ノコギリで大きく切り、ノミとカナヅチで小さな部分を切ります。」
「切ったらどうすればいいですか?」
「切った後は持ちやすいようにヤスリを使い滑らかになるように削って行きます。それが出来れば完成となります。」
「手順としては簡単に出来るのですね。」
「しかし失敗してしまったら、やり直しは利きませんしヤスリで滑らかにすることはとても難しく根気がいりますよ。」
「根気はあると思いますので大丈夫です。」
「そうですか。では実際にやってみましょう。」