三十一『王宮』
「何それ龍君。受けるんですけど。」
華月 卓氏は、弟にそう言った。弟の名は龍。不思議な『魔力』を使った男だった。ーーと、語る『俺』の名だが、『ミモザ』という。
哀しきかな、本名である。何が哀しいーーのか、勿論『女の子』みたいーーと、言われる事である。煩いわ。余計なお世話だよ、全く。可愛い名前で何が悪いか。悪くないだろ。
と、俺は開き直るのだった。
さておきだ。
先程の『卓』という人についてーーだが。実は知り合ったばかりだ。彼は実に美しいーー男にしておくは勿体無くーーといった風貌だ。
貴方さまは、何故『男』ーーなんですかね? 僕の『理想』『ど真ん中』ーーなのですが。ねえ?
卓氏は、弟『龍』氏と、更に『弟』なる、『陸』と名乗ったやたらクールな男と、後、なんだかーーちまっと可愛らしい『生き物』とーー話していたけれど。
変な生き物なんだよ、あれーーね。変な『獣』に成ったり為らなかったりーーで。『コン』と呼ばれてたなーーあれ。『神様』と、『友達』だと? …………………やっぱり変なヤツだよ、アレ。
卓氏に可愛がられてる『風』なのもーー解せん。いや、許せん。ってーーふっ。
大人気なかったな。すまんな。『コン』とやらはーーまあ、いい。良く理解らんので、さておく。
さて『経緯』を話そうーー先ず『俺達』は、今居る『大陸』ではなく、海の『向こう』から『帰って』来たーーばかりだ。
何で海なんか渡ったのかーーと、いうと、原因は、まあ、俺だな。うん、すまぬ。
そうなると思わないだろ? ちょっと『借りた』だけで。
ちょっと話を『遡る』ーーが、何で俺がーー
「あれ?『お父さん』?! 今度は『何』?」 をい。 語らせろよーーって、えぇえ!?!
すっげ。なんだあれは。果てしない『良い男』がーー来たよ。滅茶苦茶な美人連れてーーさ。
訂正するよ。俺の『理想』は、今来た『美人サン』にするよ。敢えて言うなら『女神』だぜ。
『神』は、『男』だって語り継げられてるけどな。『夢』みたって、良いじゃないか。男の浪漫だよ、諸君。ーーだろ?
「何で『お母さん』迄居るの? ーー『来過ぎ』だからね?」
『陸』氏がーー言った言葉が、俺には聞こえた。え? 夢かな? 誰が『お母さん』なの?
『女神』さんがーーなら、俺泣くよ?
結論だけーー言うと、俺はこの後、ーー泣いたんだ。心の中でな。『女神』歳上だった。ーーーーおーまい、ごっとーーーーって昔習ったな。な?
幸か不幸かはーーそれこそ『神』のみぞ知るーーかな。そうだよ!哀しいよ!当たり前だろ!
つまり俺はーー
「で、『君』は?」
凄え『美形』さんが、俺に言った。俺はというと、ショックで話の流れを聴いていなかった。ーー抜かった。何だかーー横にいた『お嬢チャン』事ーー『ウィアナ』ーーだったかな。が、ジトッとした瞳で、俺を見ている。『恋する』目線じゃないーー事は、理解るーーよ、嬢チャン。
ーー睨むなよ。
思わず『え?』と言った俺に、『解説』したのは、『シャーリン』の旦那だった。シャーリンは『嬢チャン』の子守ってトコかな。俺の見た限り。理由は知らんけどな。
つまり。
話の内容とは。
単に俺が『何者』かーーと、問われただけだった。何だーーそんな事かーーと、俺は思った。
だって、少し『前』から、やたらと『非現実』だぜ?呆けても、仕方無くないか?
なあ?
誰か同意してくれ。頼むから。
俺が『今』、『ハナ』王国の『王宮』にいる『理由』ーーとかな。頼むよ。
気付くと『此処』にーー連れて来られてたんだよ。
なあ?さっきまで、『隣』の『大陸』に、いたよな?
何が『起きた』んだ? で、なんで『誰』も、慌ててないんだ? 『談話』してる『あんたら』はーー何なんだよ?
× × ×
「何それ龍君。受けるんですけど。」と、兄が言った。やはり『兄』の、龍へ。
卓兄曰く、龍兄は『騒動』の後、一度『教会』までは、来たーーらしい。が、直ぐに『離脱』した。自分達の星へ、帰ったのだ。一足先に。卓兄に『ちょっと都合が悪い』ーーと、言ったらしい。
後に聞いたが、都合とは、『早瀬 茉美』という、今回、直夏が捜す羽目になった、直夏の元同僚にして『ストーカー』だ。僕は知らなかったが、此れも後から聞いたが、龍兄の『元』彼女ーーだった様だ。破局したらしいけどね。
流石に『妻』だったならば、僕だって憶えてる。無いというーー事は、『別れた』相手だ。と、いう事だよ。龍兄モテるから、彼女は沢山いたから、全員は僕も知らないよ。
龍兄の偉いところは、一度に『ひとり』しか、付き合わない所かな。え?それが普通?
でもさ? 相手の子が、『それでも』良いーーって、強引な時、ーーあるじゃない?ーーそんな時はさーーって、話がずれてしまったね。
龍兄は、茉美さんの件を、片付けてから、此方に戻って来て、『巨大竜』の治療をーーしてあげたーー訳だ。お疲れ様だよね、あの人はさ。
茉美さんとやらは、よっぽど龍兄に、未練が在ったんだろうね。まあ、終わった『事』なのだけれど。『過去』は、やり直せないんだから。忘れてあけて欲しい。今は過去に縛られてはいけないのだからね。ね、龍兄。
龍兄もそう思って、避けたのだろうーー接触を。僕等の強い『気』に触れるーーと、思い出す『切っ掛け』に成り得るからね。危険なんだよ。
下手すると拒絶反応的なもので、今が、過去を、拒絶ーーするんだよーーで、魂がばらけかねない。『ショック死』って、笑えないからね?
因みに龍輝と竜葵だけど、心配しなくとも悠太に任せたよ。友と青も一緒に帰った。今頃悠太に説教されてるーーだろう。龍輝と竜葵に『異世界』は、未だ早かったんだろうねーー友の奴。甘やかしてるな、本当。友らしいーーけど。
『着地』場所だけど、此処にした。楽だからさ。此処?見ての通りだよ。
ハナ王国の王族の住処だよ。『王宮』とも言うね。
海のお友達連中が、盛り上がってるのは、何故だかは、ーー理解らないけどさ。君等、異世界堪能し過ぎだからね?ーーそろそろ連れ帰るかーーと、思ったら、お父さんが来た訳だ。どうしたの?
お母さんまで、『又』居るし。
と、其処に『王族』も、一緒だと、気が付いた。ハナ王国の、王様とかだよ。当然居るよね。
彼等の『王宮』だからね。城と呼ぶより、ちょっと豪華な、お屋敷レベルだけどね、此処。
王宮と呼ぶには、やや『頼りない』感じだよ。ーー直そうか?




