二十六『再会』
ウィア達は『城』を目指した。
直球過ぎると言うなかれ。他に『手掛かり』が、無かった。最もウィアにしろ、シランにしろ、『レザード』王子の事を、良く知っている訳では無い。あの時『全員』が『嘘』をついていれば、シランが本当の事を言っている事になるーーと、ウィアは考えた。それで取り敢えず城を目指したのだ。
そして、『城』エリアに入れる『城外門』の前まで着くと、…………何故か先程の『御一行』がいたのだ。子連れなので、間違いではない。ウィアは疑問に思った。何をしているのだろう…………と。
『迷子だったりして』とも思っていた。
÷ ÷ ÷
『…………………×……………………×…………………、』
先程の女性が、何か騎士に見せながら、何かを語り掛けていた。遠くて聴こえなかった。
騎士が頷き敬礼し、一行を門の中に、すんなりと通したのが見えた。ウィアは『あれ?』っと思った。先程シランにも確認した事なのだが、『城外門』の中に入るのには、しっかりとした身分証明書が要るらしい。城の関係者が多く暮らすエリアだからだ。城勤めをしている者達が暮らす街なのだ。勿論それ以外の者達が入れない訳ではないのだが、チェックが厳しいーー
『商人なのかな? 通行証でも持ってたのかな?ーー』
分からないのでまあ、いいやーーと、ウィアは思ったのだった。
× × ×
「ねえ?陸さんーーさっきの『精霊の子達』ーー又居ましたね?」
佐木 友理奈が言ったのだった。
❅ ❅ ❅
「え? なんでーー入れないの?」
ウィアは門の騎士にそう言った。騎士は困る。若い男女の連れだ。商人にも見えない。それに何より…………
「え〜とね。………………お嬢さん……………。君の身分証だけど『他国』のでしょう。しかも『入国証明印』が、無いでしょ……………。うん、駄目だよ。君達『何処から』入ったの?」
ウィアは答えた。何処って………………と。
「?? 『国境』から。他に『何処から』入るーーの??」
「んん? おかしいなあ………。じゃあ何で『入国印』が無いのかな?」
其処でシランが言った。
「ハナ王国『側』から来たんだが……」と。騎士は更に疑問を持った。
「じゃあどうして『入国印』を捺して貰わなかったの? 変だな?」
流石にシランも変に思って、尋ねてみた。
「いやーーてっきり『この国』ではーー入国印を貰う『場所』が、違うのかとーー『峠』の『ふもと』に、それらしい『場所』が見当たらなかったので、そのまま『入った』。ここは『王都』だよな? 王都の『外壁門』ですら、身分証の提示を求められなかったので『変わってるな』ーーとは思った。」
騎士も変な顔をしたが、もっと『唖然』としたのはペルウィアナだった。
『いや!知ってたのなら!言ってよ!』とーー
騎士がどん引いた。引き吊りながら。
「ーー君達ーー『何処』から、入ったって?」騎士はもう一度確認をした。ふたりは答えた。
「「『峠』」」
と。
迂闊だった。シランも知らなかった。『峠』は越えずとも、
「『トンネル』使いなよ……………君達。なんで態々『峠』越えたの……………………」
大変だったんじゃないの? ーーーーと、騎士は同情のまなざしで、言ったのだったーーーー
トンネルを抜けるとーー『楽』だったーーらしい。
ウィアは泣きたく為った。既に挫折気味だった。騎士は何だか可笑しく成ってしまったのだった。『ちょっと確認してあげるからーー少し待ちなよーー』と、声を掛けた。ハナ王国に、ペルウィアナの『在国民確認』をする必要がある。ウィアがハナ王国の『住民』だと『証明』されれば良いのだ。シランは『国籍無し』の証明書を持っているので、もっと簡単だった。
中で待たせようかな?と、詰所を指そうと思うと、不意に門が開いた。出て来たのは、『レザード』だった。
「へ? レザード様? 何してんですか? 今日は??」案外騎士は間抜けた声を出したのだった。
「……………ハンス……………、騎士だろ………………余り間抜けた声を出さないでくれ。……………頼むから………。」
レザード『王子』は、こめかみを抑えたのだった。
「ねえ?レザード、『急がなくて』いいの? あれなら陸さんが『送るか?』だって。頼んじゃえば?」
其処に『先程』の女性が、『顔』を出したのだった。騎士『ハンス』はぎょっとした。
「『王子』も此方の『陛下』の『お客様』とお知り合いだったのですか!?」と。
レザードが呆れて答えた。『王子』と呼ぶなーーと。冒険者が長かったレザードは、『王子』扱いを、嫌う。元々『王子』らしくは、無かったのだが。それからレザードが言った。
「全く。此の『友理奈』なら、『兄上』より『先に』私が『知り合った』のだ。兄上の『ついで』の様に、言うな。」と。
ハンスが慌てると、『友理奈』が、言った。『レザード、大人気ない』ーーと。
呆気に取られた『レザード』王子は、ついつい友理奈をガン見ーーしてしまったのだった。『相変わらず』なのだなーーと。
そしてその時その『事件』は、起きたのだった。
急に悲鳴が聴こえた。城外門の『外側』だった。見ると数十人の『武装』した者達で在った。
「さわぐな!おとなしくしろ!道を『あけろ!』ーー『城』の『財宝』を『出せ〜』!」と。
詰まり典型的な『強盗』だった。少し『集団』だっただけーーだ。
ハンスよりレザードが早かった。『門を閉めろ!』と指示したレザードが、数十人を『倒す』べく、率先して走り出したーー時に、
それは起きた。
『外壁』から、『其れ』を『越え』てーー『人影』が、降って『来た』。複数の。
呆気に取られたレザードを後目に影達は『走り』抜けた。
風の音と、演武の音。そんな感じだった。遅れを『取った』レザード・ガイサースも、走り出した。かざした『手』が、『力』を『発動』するーー風に『巻かれ』て、飛ばされる『男達』。とどめは、『ジャン・スモ』の『メンバー』達がーーさしていた。きっちりと。
逃れた『者』が、此方に向かった。シランも『剣』を構えた。ウィアナに少し『避ける』様に指示した。ウィアナは混乱していた。が、『危ない』と思って、『やや』離れた。
ウィアナも『闘えない』訳ではないーーが、『攻撃』は、苦手だった。
相手は『剣を構えた』シランよりも、『無防備』な、『友理奈』へと『向かっ』た。シランは思わず『しまった!』と思った。間に合う間合いでは無いーー
友理奈は『考え事』をしていたーーが、右手を『差し出す』ーーと、『唱え』たーー
「ん〜とね、そ〜ね。『!ウインド・ニードルッ!』みたいな?」と。
『力』在る『言葉』は、相手に、刺さった。どすりっーー!と。
「ふぐうっ!っ、っ」
『相手』は、案外間抜けた『声』ーーを、出したのだった。友理奈は『にっこり』笑ったので在った。『未だ』『大丈夫』だった、『強盗』もどき『達』の『残り』は、青く成って『降参』した。
『あの』『可愛い』『笑顔』の『おね〜ちゃん』『こわいなあ……』と、思ったのだった。
『色っぽくて笑顔可愛いのになあ〜』と。『アネサン』と呼びたいーー!と。
ひとり、『逃げ』た。此の『どさくさ』の中で。それは何故か、『ちょっと俺も好みなーーおねーさん!』に、ーー倒されたーー仲間を『見』て、『軌道修正』し、『ペルウィアナ』へとーー『向かった』。そして慌てた『ペルウィアナ』を連れて、『逃げ』仰せた。ーー
シランが気付くと、『其処』に、『ウィアナ』は、いなかったのだ。
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「はっ、はなしてよ!はなして!」
痛いとウィアナは暴れた。初めは『状況』が、理解らずに、連れ去られたのだった。
ウィアの欠点は、『判断力』が、鈍い。ーー勿論直したかった。がーー『今』は『その時』ーーでは無い。
それはウィアでも『理解』った。そう、流石にだ。
「さわるなあ〜〜っ、ガノ兄〜ラタ兄〜〜っ、!!」
ウィアナはついつい、昔からの『癖』で、『頼りになる』二人の『兄』の『名』をーー呼んでしまった。来る訳は無い。
慌て過ぎて、『魔法』も『発動』しないーーだが、『発動』ーーした。
ウィアナはぎゅっ!と、目をつむっていたので、分からなかった。だが、ふと気付いて目を『開ける』と、『ウィアナ』を、『抑える』『相手』が、『代わって』、いた。
腕が痛くないーーむしろやさしかった。相手が後ろから、ウィアナを、抱え込んで、腕を『抑えて』いたーーそして言った。
「……………大丈夫?」と。 「ほぇあぁ………。う。」ウィアナは意味の無い『発音』をしたのだった。ーーーーーーーーーー
『相手』は、知っている『顔』だった。シランでもなかった。勿論ラタ兄でもなく、真逆のガノ兄でもなく、
「……………『シャーリン』……………さん。だ。」
シャーリン、『イチゴ・シャリンバイ』の方はーーウィアの『ほぇあぁ…………う?』に、笑いそうだったがーー『時ではーー無い』と、我慢したのだったーー。
大分引き攣ったが、顔は逸して『難』は逃れた。つい、『ウィアナ』は『抱えた』ままで。
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