十九『此の場合の正しい神剣使用方法を』
「と、言う感じだった。………海は『其れ』終わるの?」
『何でやって置かなかったの?』と、華月 巧は弟に言った。何故か手伝う『木ノ下なつの』が、それに苦く笑った。
「終わんない!巧!手伝えってより、やってよ!こんなん『軽い』だろ!」
華月 海は、『高校生』の姿に戻り、嫌、戻して貰い、『夏休み』の『課題』に奮闘していた。横で華月家『訳あり』居候、海の同級生の女の子、『木ノ下なつの』が、『中学生』の見目のままで、海の課題をやり易い様に、整理整頓していた。彼女は現在『成長』中。後『半年』も『在れ』ば、『元』の『姿』に戻れるだろうーーと、言う『訳あり』の女の子だった。
居候しているのは、別の理由だ。と或る『怪奇現象』的『事件』に巻き込まれ、身体が『縮んだ』彼女は、華月家長男に連れられ一度『帰宅』した。ーーが、なつのは、『其れ』を『母』に『相談』した。なつのの『想い人』、『華月 海』君ーーの話は、母に、『散々』相談していた。
〘お母さん!あのおにいさんが、海君の『お兄さん』だったの!モデルさんだよ!海君格好イイ訳だよね!(こそこそっ)〙
〘あの!なつのちゃんの『好きな』男の子?!あの『綺麗な』顔の子?!〙
真逆〘王子〙さまのーー弟だったとはーー
華月 海の『兄』は、『王子』の異名が在る、『モデル』だった。
その『兄』に連れられ『帰宅』した『娘』ーーが、『幼い』。両親はパニクったが、華月家長兄は、それを落ち着かせ、『謝罪』した。なつのが『縮んだ』のは、海が『原因』でも在った。
なつのと母は、頷き合った。母は娘の気持ちを『汲み』、娘を『華月家』に『託し』た。
『元の姿に成るまで、』預かって欲しいーーと。
〘なつのちゃん。これは『好機』です。〙と、なつのの母は、思った。
大人しい娘は、憧れの男の子に、声すら掛けれない。見てるだけでは、『進展』しないのだ。
『恋』とはーーと。
「巧! これ何だっけ! 教えられるだろ!ちょっと!」
華月 海は、兄に食って掛かる。日常茶飯事だった。
巧は冷静に『一回全部自分で解いてから来いよ。後で纏めて見てやるから……』と答えていた。
なつのはと言うと、実は夏休み前は、『小学生』程だった。なので『知能』も『欠損』部分が在る筈で、今は『其処』を『埋める』勉強をしていた。一般常識から一般教養まで、全ておさらいしている過程で在った。大分『知識』も『欠けて』いたのだなーーと浮き沈みしつつ、『今』生きて居る事に、感謝した。今、こうして『いれる』のは、『海の』お陰でも在った。
なつのは『ふふふ』と笑った。海が気付いて言った。
「木ノ下さんは『終わった』からって『余裕』だね!僕は『どうせ』無能だもん。『お兄ちゃん達』みたいには、いかないんだよ。『巧』ですら、『凄い』んだからーー『家』は。僕、どうせ『落ちこぼれ』だもん。がっかり『すら』されないもん。わかってるよ。木ノ下さん、『気を使って』僕の面倒見なくていいよ? 遊んで来たら?夏休み終わっちゃうよ?」
巧は内心溜息を吐いたのだった。『僕より鈍いな』ーーと。なつのは可哀想だなと思ったのだった。
「海君。『真面目』にやろうか?俺等も『居る』からね?」
痺れを切らした『加野 なつめ』が、そう言った。此処は華月家、『勉強』部屋とでも言うべく。部屋の中には、加野だけでは無く、仲嶺 深織、相瀬良 広陽、それから仲嶺 伊織も居た。伊織は深織の『双子』の『妹』だ。いつもは居る『原 理』は、何故だか今日は居なかった。それから伊織の友人『仲堺 加那』も。それから鹿島 悠緋だが、本日は『バイト』に行った。彼はアルバイトをしていた。
海の兄『巧』は、『父』陽藍と話していた。『報告』だった。
父は何を考えているのか判らない表情で、淡々と息子『巧』の『話』を聞いて居た。
「ーーで、『此れ』ね、お父さんーー」と言った巧は、『空中』から『剣』を引っ張り出した。
がしゃんがしゃんと。
海は勿論だが、なつめ達も目を剥く。父は冷静に眺めて居た。無言で。巧が次々に持ち出す。
「なっ、何本有るんだよ!」
宿題を放り出した海が叫んだ。巧が冷静に言った。『見ての通り』と。
「『56』振り。海、間違うなよ。刀剣は『振り』だぞ。そんな事よりお父さん。『直兄』が持ってる奴だけど……」
「悠太に任せとけ。さてと『どうする』かな……」
「…………何が? 未だ何か『問題』残ってたっけ?」
「なあ巧〜此れ『全部』巧が集めたのか?」
海が口を挟んだので、巧は答えた。真逆と。
「『夏文』大活躍だよ。流石『陸兄』の『エネルギー』は半端無いよね。」と。
「陸は『過保護』だからなあ。」と、父が笑った。
夏文と言うのは、なつのが『縮む』事と為った事件の『きっかけ』の事件の『少し前』に、母で在る『友理奈』ーー当時未だ『紀端』友理奈だった彼女の『中』に『宿った』生命体ーーつまり『胎児』『受精卵』だった訳だが、母が一時『死んで』しまった。俗に言うちょっとした『手違い』で在った。『手違い』をしたのが、『例』の『紺』で在る。
紺は『友理奈』の『魂』を持って行ってしまったのだ。その『ルール違反』により、神の『座』を追われた。解雇で在る。解雇に為った紺は、友理奈を『殺せ』ずに、『代わり』の『身体』に入れておいた。故に『ユリナ』は『生きて』いたーーと言う聞けば『奇跡』の様な話で在るが、語れば奇跡では無い。
ユリナの『魂』は、『悠太』と悠太の双子の『弟』が、追い掛けた。捕まえて『戻す』為にだ。戻す為の『肉体』は、『壊れた』為に、華月家三男『陸』が、『再構築』した。その際『大量』の『エネルギー』を、『友理奈』に『分け与えた』のだが、『友理奈』は此の時『夏文』を『宿して』いた訳だ。勿論『其れ』も捕まえて、『友理奈』の中に、戻したのは陸だ。故に夏文も大分陸からの『エネルギー』で『出来て』いる。
「陸(兄)の子じゃんーー」と皆が言ったのだったーー
『種』は僕じゃない等と、下品な発言は決してしない陸で在った。大丈夫だ。父親は間違い無く『直夏』で在る。陸は『手伝った』だけで在るーーと。
因みに余談的笑い話として、友理奈を『匿って』『再生』させていた陸は、懐妊に気付いて、機会を見計らい、友理奈が『寝てる』間に、直夏から『預かった』婚姻届を、出してしまった。
目が『醒め』、『起きた』友理奈が『其れ』に気付いた時に、語れない程怒り出したのは言う迄も無い。
『(そういうのは)自分で出したかったー!』と。陸は勿論『気にするな』と言ったが。
「お〜壮観だな。」
「おじさん、巧さん。この『剣』って、こんなに集めてどうするんですか?」
深織となつめが言った。
陽藍は『ん?』と軽く返した。『後のお楽しみって言ったら、お前ら拗そうだな。』と。
加野なつめの顔が酷かったので陽藍は苦笑した。男前台無しだなと。
「叔父さん、お邪魔するよ〜ただいま〜」
と、其処に陽藍の『甥っ子』が入って来た。『瀬野尾 太一』、兄『篝』の息子である。華月と名字が違う理由は、陽藍とは母親が違うからだ。瀬野尾は篝の母親の旧姓で在る。
「おかえりお前ら。お疲れ。『待ってた』よ。『役者』不足でな。話は聞いてるな?」
太一『達』は、頷いた。
「……じゃ、じゃんスモ……………」
加野なつめがそう言った。
「おかえり〜太一兄ちゃん。大和兄ちゃんも。後『滝』さんもお疲れ様です。あれ?『理一』兄ちゃんは?」
巧が言う。海も同じ様な事を言った。
「どうも『社長』。あ、理一君は『華』さん手伝ってる。お茶入れね。」
『ジャンピング・スモール・スモール』の名で『音楽』活動している『バンド』のボーカルを務める『滝』が、そう言った。陽藍に言い返された。
「俺は『福』社長なんだけどね、滝君よ。お前『減点』な。」と。滝が慌てる。『ボスはいつもひでぇな』と。
勿論『滝、マイナスにしておくわ。』と、訂正されていた。
「さてと。役者も『揃った』し、偶には御前等にも『仕事』してもらうかね。」と、陽藍が言った。
佐木 『大和』が、陽藍に言った。『オジさん……』と。陽藍は頷いた。
「大和は『毎回』な気がするな。悪いな大和。」と。
佐木 大和は、「嫌、『弟』の事だし。こっちこそ……太一、ごめんよろしく。滝君、『付き合わせて』ごめん。『隼人』が、『迷惑』掛けるね……」と、皆に言った。
「じゃあ『剣』の『使い方』……『説明』します。『海』もだよ。」と、華月 巧の言った声を、瀬野尾 太一が、止めた。
「お茶飲んでからでもいーか?巧?」とーー丁度『理一』が、『友美』と一緒にお茶を運んで来たのだったーー
滝が友美を『華さん』と呼んだ。華月 友美は少し前迄『華月 華』と言う名の『モデル』だった。現在華月家の息子でも『二人』がモデルを仕事にしているが、滝は思った。思っていた。
『副社長が一番向いてんじゃないの?』と。『華月家の子供達』は『はずれ』が、いないーーと。海は自分を下卑するが、父や母や『兄達』が、『過ぎる』せいだろうと滝は思った。
因みに、太一は『社長』の息子だが、『大和』は『専務』の、『理一』は『常務』の息子で在る。つまり『ジャンピング・スモール・スモール』は、『ジャンピング・スモール・ラビット』と言う『彼等』の『会社』の『エリート』に当てはまるグループだ。海は携帯電話の『着信音』は、いつもジャン・スモの曲だった。
最も彼等が『爆発的』に売れた『きっかけ』は、と或る『ロール・プレイング・ゲーム』アプリが、『ハード化』された際の『主題歌』のコラボレーションだった。ゲーム制作者がジャン・スモを『指定』したのだ。
制作者名『華月 陸』、『ロープレリア』と言うゲーム・アプリを爆発的にヒットさせた謎多き人物で在るが、何の事は無いーー華月家三男、華月 陸の事で在る。
華月 巧が年間ランキング一位に鎮座する『ゲーム』である其れで在る。因みにだが、巧が始めた頃一位を独占し続けたのは意外にも兄『龍』だった事を、海は知らなかったりもする。
陸が最初の頃、『腕試し』の為に兄にプレイして貰っていた事迄は、巧も知らない事だが。
父や叔父達が『意外』にも『ゲーム』は『下手』だと『知れた』事件でも在った事は、海も巧も二人の直ぐ上の『兄』律も知らない事だった。
単に此の父達は、『ゲーム』が好きではなかっただけの事なのだが。彼等はインドア派では無くアウトドア派、アクティブで在った。ゲームで剣士になるより、『実物』を『振る』ので在った。
それだけの事だ。『神剣』の『正しい』使い方ーー今回はそう、『在る』ならば、『使う』のだ。『あの星』で。『彼等』と共に。




