十『パパだった……』
「う〜う〜」
赤子が唸った。が、それは『問い掛け』だった様だ。『父親』への。
「直夏、夏文が呼んでるよ。」
『友兄』と呼ばれた男が、平然とそう言った。
「え? あ、うん。」
『スグナ』と呼ばれた男、『剣士』は案外素直にそう言った。そして赤子の所に、歩み寄った。
「取り敢えず、『誰』が『帰る』?」
それとは別に、『男達』のひとりがそう言った。
そして『彼等』は、『話し合った』。
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ウィアナは外に出たかった。剣士がまさか『父親』だったとは……初めての『恋心』は…………淡過ぎた様だ。又チラリと『剣士』ーー『直夏』を見る。整った『横顔』を見るのが、精一杯だった。落ち込んだウィアナの肩に、精霊のひとりが、座って言った。『ま、元気出せよ』と。
余計哀しく為った。精霊には『うん。』とは返事をしたがだ。精霊はひととは違うので、『気を使う』の『使う』が、違うらしい。『そっとしておく』『気付かない振りをする』は、理解らないらしいーーウィアナはそう思った。つまり、ーー悪気はないのだろうと。
『魔法使いさん』は、皆が懇願したせいなのか、未だ残っていた。そして話し合っていた。
彼の『妻』だと言う『女神』様は、帰った。『子供達』を連れて。赤子と、女の子と、後二人、子供を連れて、帰って言った。
何故か未だ『二人』子供が『残って』いたが。そのうちのひとりは、『僕も帰る』と、駄々を捏ねていたーー『お腹空いたし、僕も帰る!』と。
でも残っていた。顔がふくれて居る。ご機嫌斜めそうだ。
女の子が寂しそうにしたのを、ウィアは見た。きっとあの女の子は、その『子供』を好きなのだーーウィアにもその位は分かった。
ウィアは未だ混乱していた。彼等の『話』は途方も無かったのだ。
想像以上に。
『彼等』は『全員』、『他の星』の、『神』らしいーーそんな馬鹿な。ウィアはそう思った。『神』が『複数』居る訳無いと。
然し『星に依る』と返された。確かに『此の星』には、『一人』しか『居ない』けどねと。
『白神』を『指し』て。聞き間違いではなかった。
一番頼りなさそうな白い衣の普通っぽい男が、自分達の星を管理する、神だった。未だショックが抜けなかった。しかもなんだ? なんだかーー情けなさ満載だが、『大丈夫か?』と、ウィア一同は思ったのだった。
『此の星』以外にも『世界』が『在る』事が先ずショックだった。
しかし。
おかげで、『失恋』の心持ちが、和らいだ気もしたーー『ちょっと……凛々しさに…………憧れた…………………………それだけだもん。』と。無口な割に、何だか『気持ち』の落ち着く男だった。存在感も在る。もし、『旅』に、『ついて』来て?と言ったのが、彼だったならば、多分ウィアは、良い返事をしたかもしれないとそう思った。そこで気が付いた。『聞きたい事』だ。『洗濯魔法』について。しかし今はその時でないと諦めた。
残っていた『彼等』を『見る』。
魔法使いさんは、『華月 陽藍』と、名乗った。それから、顔の『美しい』男を『兄』だと言った。『篝』と言うらしい。
彼は戻るか揉めた様だが、残った様だ。それから、『要』と名乗った優しそうな男が残った。『結界』が張れるらしい。しかも強力な。陽藍が悩んだ末、残って貰った様だ。
代わりに、『基』と呼ばれた男が帰る事と為った。渋々で在ったが。
渋々だったのは、残された面々で、『戦力的に……イタい……』と渋っていた。
『……そもそも俺は君等みたいなファイターじゃないけどね。………ねえ、ナツ。』と、そう言っていたが、ウィアには良く分からなかった。
モトイと言う人も又、余り強そうではなかったからだ。魔力も感じなかった。風貌と違って、カガリと言う人の方が、強そうだった。
カガリと言う人はきっと『魔法』使いだと思うと、ウィアは思った。纏うオーラが、ヨウセイと少し似ていたからだ。
それから、『尚人』、『夏臣』と呼ばれた人達も帰った。『仕事』が、あるらしい。そう言っていた。
『ツグミ』と呼ばれた男と、『ミツノ』と呼ばれた男は、残っていた。そして『ナツ』と呼ばれた、ヨウセイと『女神』の直ぐ後に来た『男』も、渋々帰って行った。
未だ若いあの男は、赤子の『祖父』だった。つまり『剣士』さんーー『スグナ』さんの『父親』なのだとウィアは理解した。ちょっと、信じられなかったが。
「『篝』が『残って』くれんのって『珍しい』のな。」
『ヨウセイ』は場違いにも『笑って』いた。嬉しそうだった。
それから、『ヨウセイ』の『息子達』だと言う、『友』、『巧』、それから『海』と言うらしいーー彼等が居た。『スグナ』と共に。
然し、『友』が言った。
「ねえ? お父さん。 やっぱり『俺』、『帰って』いいかな?」と。
悲鳴をあげたのは、『白神』だった。
「酷いっ、友さんの裏切り者っ、薄情っ、ひとでなしっ、ぼくを見捨てないで〜〜愛してますから〜〜〜友〜さ〜ん、師匠〜〜弟子を見捨てたら『恨み』ますよ〜〜ほら〜〜お願いなんでも『する』から。友君。……………………へたれ神を見捨てないで。」と。
ウィア達は『………彼奴……………情な過ぎる……………………』と、そう思った。
「…………………どっかで聞いた『フレーズ』混じってんな。」
ぼそりと直夏が言って、巧と海が頷いてから、友が言った。『馬鹿白神』と。
「違うって。誰がひとでなしだよ。たくっ。俺は此れでも『忙しい』の。だからさ、お父さん。『竜葵』と『龍輝』に、バトンタッチしたいんだけど?」
『修行』にもってこいじゃん?ーーと、華月 友は、不敵に笑った。
『う〜う〜』
文「ぱあ〜ぱっ。ぱあ〜ぱあ!」※パパ。




