毀
愛花サイドからの物語。
愛花side
「白銀君、ちょっといいかな?」
私は、昔から白金のファンだった。
住む世界の違うような、そんな彼に惹かれていたが
やっぱり、かっこいいし異次元だからという訳で惹かれていないのを実感した。
「なーにー」
そんな白銀君が私の呼び掛けに応えている。
「ね?まなのこと聞きたいんだけど!」
「俺の事じゃないのー?」
「し、白金君のことは段々分かるでしょ笑」
「でぇ?」
「幼馴染なんでしょう?」
「そうだけど。」
「小さい頃のまなってどんな感じだったの?いや、高校入る前のまなってどんな感じ?」
「うーん。謎の子?」
「ん?」
「だって、謎じゃない?あ、凄い甘いもの嫌いだよ。一回誕生日ケーキで大暴れしたことある笑」
「え?」
まな。謎すぎる。
「毎年、お母さんが注文するんだけど、その年はお父さんで!頼まれたの喜んで、好きな絵描いてもらえるの有るじゃん?あれってバタークリームで激甘なの、それに、まな激怒w家中クリームだらけ。」
「わぁ…」
「まな、両親とも海外に居るから寂しいと思うんだー。出来るだけ一緒にいて話聞いてあげて?僕、事務所に入ってからまなと過ごす時間少なくなっちゃったし外にも連れ出してあげられなくなっちゃったから。」
言葉、ひとつに愛を感じた。
まなのことじゃないと、白銀は話してくれないから。
「分かった、まなの事は任せて!」
「おう!僕、レッスン行ってくるわ!じゃ!」
手を振って別れた。
事務所に入る前・・・
まなはどんな繋がりなんだろう?
白銀は上手いこと口を割らない。
そこにまながやって来た
「まーなー!」
「どうした?紫音と話してたよね?」
「聞いちゃった、まな甘いの嫌いなんだってー?」
「そ、そうだけど。」
「確かに、コーヒーもブラックで飲むもんねー。」
「うん…」
「紫音なんて言ってた?」
「ん?何にも。今からレッスンだって。」
「そっか、紫音も大忙しだ。」
「今、トップのデビュー控え組だもんね。」
「へー…。」
「あ、部活みんな今年は入る子少ないみたいね。入るの辞めちゃおうか?」
「私も、あんま部活出れないからありがたい!」
「そうなら言ってくれれば良かったのにー笑」
「ごめん、ごめん!」
この後、私とまなは校門を出て違う方向に歩いて帰るんだけど
そっと、まなの後ろをつけると
まなは、いかにも高そうなリムジンのドアを運転手が開け慣れた様子で車に乗り込む。
心の中がグチャグチャになった。