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幼女の尖兵に成って暗殺者をブチ殺していく話

 さて、幼女様に手紙を書いた翌朝にはもう返信が来ていた。


《おてがみよみました》


 かわいい。


《ふろーふしでふじみのしようかんしやがいるときいてすごくおどろいています。

 りんりのことわりをこえたぎじゆつなのでいまのきみにはどうすることもできないです》


 マジカヨ……どーすんだろ?


《それについてはいまのだんかいではどうしようもできないのできみのいうとおりきみのなかまにしておくほうがよいかもしれません。

 しようかんしやともうひとりのきかんさぎようしやのひとでよくはなしあつてくだちい》


 凄い幼稚園児が書いた文章みたいでかわいい。

 流石幼女様やでー取り敢えず、人手が足りないし口八丁頑張って錬金術の勇者を仲間に入れるか。

 どーすっかなぁー

 取り敢えず、クワイ・ガンジンと話をしなくちゃだよなぁ〜


「おはようございます」

「おはよーございます」


 取り敢えずミヤノマリが起きて来た。色々と考えておこうかな。


「よく眠れましたか?」

「うん。君は?」

「お陰さまで」


 ミヤノマリはニッコリ笑うも、目の下に隈が出来ていた。

 ふむふむ。寝不足ねぇ。何してたんだろ?


「君はさ、この監禁された場所から出れるなら出たい?」

「え?」

「だからさ、監禁生活も飽きてきたでしょ?大分長く居るみたいだし」


 にっこり笑って両手を見せる。敵意は無い。


「出れませんよ。この警備ですよ?」

「出れる出れないじゃなくて、君が出たいか出たく無いかを聞いてるんだ。

 出たいのかい?」


 ミヤノマリを見ると、ミヤノマリは僕の目を見つめて頷いた。うんうん。

 それから僕の正体を隠して小デブとウエノリサの話をする。その話を聞いたミヤノマリは最初は黙って聞いていたが最後の方は泣いていた。

 うむうむ。なるほどねぇ……これは使えるかもね。

 そして当たり前の様にミヤノマリは出たいと告げた。万事順調だね。

 それから一日、特にすることも無く過ごした。偶にオーガやって来るだけで特に変わった事もない。

 暇な任務だ。

 翌日も同じ。


「引き継ぎ事項は?」


 引き継ぎにはクワイ・ガンジンがやって来る。特に無い。ただし、僕等護衛が使うベッドの裏に日本語で書いた手紙を隠した。

 儀式的な引き継ぎをする。


「じゃ、よろしく。

 それと、ベッド周りにサイコロ落としたんだよね。もしよかったら君も探してくれよ」

「サイコロ?」

「うん。長旅の相棒でね。愛着があるんだよ」


 因みに旅人達は大なり小なりマイダイスを持っている。旅の途中の暇つぶしのチンチロリン、みたいなゲームをしたり道を決めたりする時に使う。

 喧嘩になりそうな時もサイコロで決めたりする。まぁ、そこまで理性的な場合は話し合いで解決出来るんだけどね。


「分かりました」

「じゃ、よろしく」


 館の外に出ると視界の端。茂みにメイド勇者ことウエノリサが居た。完璧に隠れているのだろう、周りの人間は気がついていない。

 しかし、こっちは普通に輪郭が見えるのでバレバレだ。

 ま、良いや。どうせ家に着くまでに接触してくるだろう。


 館から取り敢えず宿の方へ向かう。

 人通りの多い道を歩いていているとススッとウエノリサが近付いて来た。


「外に出たいってさ。

 また夜に何時もの飲み屋で会おう」

「承知しました」


 取り敢えず、教会に向かう。

 幼女様とお話しよう。教会に入り、ベンチに腰掛ける。するとすぐにリンゴーンとお呼び出しだ。

 祈りのポーズ。


《おつかれー》


 お疲れ様です。


《こっちのせかいのにんげんもこまったもんやなー》


 随分お疲れですね。


《わかる?

 うちもあのあといろいろとしらべたんよー》


 おお、どうでした?


《むつかしーなー

 たましいがそのせかいにぬいつけられとるんよー》


 ほう。


《それをひきはがすのはかなりたいへんなんや》


 大変なんですか。


《たいへんなんよー

 それでどーするの?》


 取り敢えず、先の二人をこっち側に引っ張り込みたいんですよね。


《てがみにかいてあったなー》


 ええ。

 メイドの勇者は殺せるんですが、錬金術の勇者は無理なんですよね。


《ふむーどうひきこむんや?》


 正直に全部話します。有る事無い事言います。魔王軍についてもある程度捏造します。


《ほーええんちゃう。

 うちもきょうりょくするからやりたいよーにやってみーせきにんはちゃーんととるでー》


 ありがとうございます。幼女様の期待に添える様がんばります。


《うんうん。うちもきみたちにあきれられんよーにがんばるからなー

 きみのがんばりはみとるからなー》


 リンゴーンと幼女様ご帰還の鐘がなる。

 ベンチから立ち上がると何時ものシスターが何やら腕を組んで立っていた。暇なんだろうな。

 教会から出た所でシスターに呼び止められた。


「貴方、信心深いのかそうじゃないのかよく分からないわ」

「そう。

 でも僕程神様の役に立っている人はいないよ」


 時間無いからじゃあね、と面倒臭いので逃げる。

 それから宿屋に戻る。宿屋に戻り、部屋に入ろうとして何やらムズムズと嫌な予感がした。周りを見て誰も居ないのを確認し、ギリースーツに着替える。

 そして、サプレッサー付きのP90を取り出す。そして、フラッシュバンも用意。

 扉を少し開き、中に2つ放り込む。

 バンバンと炸裂したのを確認してから中に素早く入り込めば覆面をした三人組が部屋で蹲っている。3人中2人を撃ち殺し、残る1人を拘束する事にした。


「糞、何が起こった……」


 暗殺者らしき男の視力と聴力が回復したところで、剣を向ける。


「やぁ、こんにちは」

「何も喋らないぞ」


 テーザーガンを撃ち込んで抵抗力を削ぎ、手足を縛って椅子に。

 覆面を取ると、出てきたのは女だった。知らない顔だ。取り敢えず、覆面を口に押し込んでダクトテープで口をぐるぐる巻に封じる。

 下着姿にして足は椅子の脚に針金でぎちぎちに巻き、手は後ろに。

 金髪碧眼でソバカスの多いちょっとそこそこな美人さん。他の二人の持ち物を調べたが身元が分かるものはなかった。まぁ、分かったとしてもどーでも良いんだけどねー実際。

 犯人は分かってるし。


「さて、尋問しよう」


 因みに宿屋には泥棒が入ってたぞと撃ち殺した2人を引き渡し、部屋を変えて貰った。

 此奴は街で引っ掛けたタチンボでベロベロに酔ってるから寝かせてると言ってある。


「君は誰に雇われたのかな?」


 暗殺者はモガモガ言っている。


「だんまりか。しょうが無いよね」


 流石殺し屋。簡単には喋らないのか。うーむ、手強いな。

 金槌を取り出して暗殺者の足の小指を軽く押す。


「さて、もう一度聞こう。

 誰に雇われた?」


 モガモガ。

 脅しには屈しないらしい。舐められているな。どっちが上か教えてやらねば。


「しょうが無いね」


 金槌で小指を思いっきり叩き潰す。暗殺者はモガーッと叫んだ。オー痛そう。爪は割れ、赤黒く変色してる。見てるだけで痛い。


「誰に雇われたのさ?」


 モガー。

 小指一本じゃ喋らないのか。ハーティガンもそうだったしね。


「その根性には感服するよ」


 逆の足に向かうと、足の指をギュッと閉じていた。見上げると暗殺者は首を横に激しく振りモガモガ叫んでいた。


「足開きなよ?」


 閉じていない、潰した小指を更にハンマーで数度叩くと暗殺者は小便を漏らして気絶した。

 しょうが無いので逆の足の親指の爪の隙間に小銃から抜き取った撃針をあてがってハンマーでノック。暗殺者はモガーと叫んで起きた。


「おはよう。まだ寝てても良かったのに」


 暗殺者は泣きながらなにかモガモガ言っていた。何言ってるのか分からない。


「誰に雇われたか言う気になった?」


 尋ねると暗殺者は首を縦に振った。


「領主?」


 首は縦に振られる。おーやっぱ領主にバレてたかー何処でバレたんだろ?

 ま、良いや。

 懐からポーションを用意して目の前で振る。


「これ、ポーション。そこそこ良いやつだから君の足の怪我もすぐに治る。

 欲しい?」


 暗殺者が頷く。


「そうか。

 痛いもんね」


 暗殺者の背後に周り裸絞。ものの数秒で酸欠になり気絶する。その後、裏路地に両手足を縛り放り出しておく。明日には浮浪者か奴隷商人が拾い上げて慰みものか娼婦館にでも売っ払うだろう。


 さて、お遊びもここまでだ。

 ひとっ風呂浴びて、一眠りしてから居酒屋に向かう。もう、良い時間なので人は多い。

 居酒屋で周囲を伺えば輪郭の強調されたメイドがポツネンと立っており、小デブも見えた。便利な能力だね、ほんと。


「おまたせー」

「うむ、来たか」


 取り敢えずビールがわりのエールを頼む。


「いやー、さっき宿屋に行ったら殺し屋いたよ」

「何っ!?」


 小デブが立ち上がるので窘める。

 周りにも何でもないよと笑っておく。


「領主に計画がバレているのか!?」

「さぁ?

 このでもまだ外に出る計画については殆ど話してないからね。

 バレるにしても殺しに来るのは速過ぎる」


 個人的には領主が焦ったかその周りが焦ったかのどっちかだと思うんだよねぇ〜

 んー、人が足らないなぁ。


「なんにせよ、計画は動き出した。

 最悪、僕は途中で離脱する。そうなっても、計画は動かすんだよ?これは君の考えだ。今更止められない」


 さてはて、どーなるかな?

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