幼女の尖兵に成って娼婦館で情報収集する話
前回の帰還業務から3日ほど経った。
暇だったので街の彼方此方を回ってみる。何処も勇者暗殺事件で話題だった。
試しに高級娼婦館に向かう。娼婦館はかなり情報が集まる。
そこそこ高い娼婦館が良い。そこに入れるだけの客はそれなりの地位や力を持つ冒険者だからだ。そして、そこそこ威張りたい連中がこれ見よがしに自慢話をするのだ。
だからこそ面白いネタが手に入る。
娼婦館の作りは元の世界の風俗とほぼ変わらない。
入り口にてコースを選び、奥に案内される。つまり受付だ。そして、コースを選ぶと奥の部屋に案内される。
奥の部屋は大きなホールに成っており、ホールの端には一人掛けの椅子とテーブルが置かれている。そこに腰掛けると娼婦館でまだお客の取れない見習いの女の子が飲み物をくれる。これは有料。更にはこの子にチップを渡す。
「ありがとうございます!」
少し多めにチップを渡し、テーブルをコンコンと指でノックすると女の子がオススメ、と言うか女の子を可愛がってくれる娼婦を教えてくれる。
その際、チラッとホールを見るとその娼婦が此方に命一杯色目を使ってくれる。娼婦は誰でも良い。なので、パッと見て少し考える振りをしてから頷き指名。
ちなみにこの場にいる時はプレイタイムに入らないので好みの子が来るまで粘って居ても良い。
その代わり、お茶はお代わりをしなくては成らない。
またお気に入りの子が出来たら受付で予約も出来る。
「ありがとうございます。よろしくね」
指名した女の子は腕を取り撓りかかってくる。そして、ホールの奥にある階段の手前、受付がまたありそこで女の子の指名料と気に入ったらコース変更料等を払う。
変更料を払うと女の子の機嫌が良くなるので、此処でプラス1時間程プラスして部屋に向かうのだ。
階段を上がればまた別の見習いが待っており部屋まで案内してくれる。
部屋に向かうと飲み物を聞かれるので娼婦用と自分用で飲みたい物を頼み、チップを払う。そして、暫くすれば飲み物を持って来てくれるのだ。
ここからプレイスタート。まぁ、内容はカットだ。
「お兄さん、若いのに凄いわね」
「そう?
お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なんかじゃないわ。
貴方にならもうちょっとサービスしても良いわよ?」
娼婦はそんな事を言いながら撓りかかってくる。
「じゃあ、また今度来た時にサービスして貰おうかな?」
「ホント!?」
「うん。
そう言えばさっき勇者が殺されたとか言ってたけど勇者って本当に強いのかね?」
「あーその話知ってるわ。
最近よく殺されてるわよね。結局、腕力が強いだけで戦いの素人呼んでもその程度なのよ」
娼婦は何かを達観したように告げた。
「その心は?」
「え?
そうね。この店のランクは中ってのは知ってるかしら?」
「うん」
「ここに来る冒険者のお客さんの3割は一回こっきりなの」
ふむ。
「何でかって言うと、この店に始めてくる人は大抵Dランクに上がったばっかりの中堅ランカーなりたての人ね」
成程。
つまり、初心者の壁を漸く乗り越えて調子こいて死ぬ、と。そして、そんな客は大抵腕っ節だけ。
「でも、お兄さんは違うわよね。
その若さなのに全然がっついてないし自慢話もして来ない」
「まぁ、自慢できることは全然無いしね」
「商人にも見えないよね」
「そう?」
まぁ、剣と盾持ってるしね。
「商人はそんな殺気纏わないわ」
そうね、と娼婦は僕を観察し始める。
手を握り、腕を抱く。
「騎士、にしては貴方の手には剣ダコが無いわね。
それに筋肉質だけど、剣を振るう人の筋肉でもないわ。何なのかしら……農家?豪農の倅……にしては日に焼けてないものね。商人みたいな白さだわ」
何かしら……と考え出すのでにっこり笑って抱き寄せる。
「ただのエッチが上手い男だよ」
「ぁん!もう!」
クスリと娼婦も笑い二回戦。正体バレても面倒だしね。それから二回戦を終えて面白い話を聞いた。ここの領主が勇者の少女を匿っているとか。
その真偽を確かめるにはさらなる情報収集が必要になる。
明日からちょっと頑張ろう。
短過ぎるって?
そうだよ(逆ギレ)
この物語は出来る限り人殺す所に力を入れたいので(突然のサイコパス発言)