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樹海3

 今日は新入社員の歓迎会だ。

 店長は今、五十代であと少しで定年だ。

 この会社には創業当時からいるからだろう、

 この会社に対して並々ならない愛着を感じているようだ。

 本のことには博識で、新人の教育にも手を抜かずに真剣に、

 本屋の魅力を教えていきたいと常に言っている。

 性格も温厚なので、社員や出版社の人間からも慕われていた。

 僕もこの店長の下で働けて良かったと思っている。

 僕が歓迎会をやる店に着くと、すでに注文が出され飲み物や食べ物は

あらかた揃っていた。

「ご苦労様、待ってたよ」

「お待たせしました」

 店長にうながされて、僕は早速席についた。

「はじめはビールだが、あとは各自好きなものを頼むように、では乾杯の音頭は新人の久保田くんに」

「えつ、俺ですか」

 新人の久保田くんはびっくりしながらも、乾杯の音頭をとった。

「いや、これからが楽しみだね。がんばってくれよ、ベテランももちろん期待してるよ。さあ、どんどん食べよう」

 新人の久保田くんは有名な大学を出ているが、偉ぶったところのない、感じのいい青年だ。

「僕はこの書店が好きで、卒業したらここで働くと決めていたんです」

 その言葉を聞くと僕らの心は暖かいもので一杯になった。

 僕らも本が好きで、この書店が好きだからその気持ちは良く分かった。

 好きな仕事ができるのは、本当に幸せなことだった。

 僕らはこの先に暗い未来がくるなんて思いもせずにみんな楽しんでいた。

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