24/33
樹海へ行こう24
車を借りて
明るい空の下で
僕らは樹海を目指す
車内では昔のフォークソングが流れている
今の空虚な時代ではない
まだ希望のあった時代の歌
その時代には
もうもどれないのだ。
右肩上がりの経済は今や奈落の底で
開発途上の国が今や経済大国になり
日本は沈みかけている
でも、それを止める政治家も官僚もいない。
みんな自分の取り分をいかに集めるかに必死で
日本がどうなろうと、庶民がどうなろうとかまわない。
そんな世界で僕らは見捨てられ、今や消えようとしているのだ。
だが、これはそんなにも不幸なことではないと最近思う
金持ちになって子供を育て、生きながらえても
殺されたり、病気で長い間苦しんだり、孤独死したり
最近は老人になることさえもリスクが高い。
ここらへんでリタイヤしても、いいのではないかと
毎日のニュースは僕に語りかけていた。